*sunny smile*

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3さいからのおとな

3さいからのおとな。


3歳のりーちゃん。まだ小さい、どこにでもいる女の子。
彼女は長女です。イトコが集まっても、一番のお姉ちゃんです。
だから、ホントはオヤツのケーキ、イチゴの大きなのが良かったけど
我慢しました。自分は小さいケーキ。目の前では皆が、
「イチゴおっきいねー」「イチゴおいしいねー」「あまいよ」って
話しながら、嬉しそうに食べています。自分の前には小さいの…。
それを見ていたら…りーちゃんの目から涙があふれてきました。
そしたら、おじさんが、追い討ちをかけるように言うんです。
「あれー、おかしいなー、おねえちゃんなのに。」
…分かってます。お姉ちゃんは、小さい子に先にケーキを
選ばせてあげて、自分は小さいケーキで我慢して、
お姉ちゃんだから、我慢できて…。だけど。
お姉ちゃんだけど、分かってるけど、この涙は勝手に出ちゃうんです。
お姉ちゃんだけど、みんなには知られたくないけど、まだ子供なんです。

でも。そんなりーちゃんの気持ちを、分かっていた人がいました。
お母さんです。お母さんに分かってもらえただけで、
りーちゃんはもうルンルンです。
その晩、お母さんはお父さんに、りーちゃんの精一杯な気持ちを
話します。お父さんはりーちゃんの寝顔を見ながら聞いています。

お母さんが分かってくれたから、りーちゃんはまた、
お姉ちゃんを頑張ることにしました。
(お母さんは次の日、りーちゃんだけに、イチゴのケーキを
 買ってあげたんですよ)

この絵本のステキなところは、まず、3歳のりーちゃん。
一人っ子なら、まだまだお母さんを独占して、甘えたい時期でしょう。
でも、自分はお姉ちゃん。妹は自分より小さい。
妹は可愛い、でも、可愛いだけでは付き合えない時もあります。
「えらいね」「お姉ちゃんだね」「強いね」「シッカリしてるね」
そう言われれば嬉しいし、自分が頑張ったり我慢すると
妹は喜ぶし、お母さんも助かるし、丸くおさまるから。
だから、ついつい背伸びして、力量以上の自分を演じている時もあって。
だけどだけど、やっぱりまだ、そんなに頑張れないよ…って
本当は思っていたりして。ぐるぐるしているんですね。

そんなぐるぐるな、りーちゃんの気持ちに気づいているお母さん。
ちゃんと受け止めてあげる、お母さん。
そして、お父さんに、りーちゃんの頑張りを話すお母さん。
お母さんも、ステキです。

この絵本はシリーズになっていて、あと2冊もステキです。

3さいからのひとり。
3さいからの銭湯。

追って紹介していきたいと思います。

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