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昨日まで3回にわたって読書メモを書いてきた『学習指導の「足並みバイアス」を乗り越える』。ほかにも非常に興味深い、重要なことがたくさん書かれていました。「テスト」以外にも「通知表」のことなどにもふれられていました。今の教育をもう一度再点検したい方は、ぜひ読んでほしいと思います。『学習指導の「足並みバイアス」を乗り越える』(渡辺道治・フォレスタネット、学事出版、2021、1980円)書きたいことがほかにもあるので、とりあえずこの本の読書メモはいったん一区切り。今回は少し視点を変えて、「おもしろい授業にしよう!」というテーマで書きます。最近いろんなところで「オモロー授業発表会」というのをやっています。▼公式サイト僕は、これ、かなり興味があったので、4月6日(土)に神戸で開催されたものに行ってきました。「教育」のあり方を真剣に考えておられる方々が、それぞれ20分くらい、話をされました。元教員で今は違う仕事をしておられる方々もいっぱいで、異業種交流会っぽい雰囲気もありました。既存の枠に当てはまらないお話が相次ぎ、とてもおもしろかったです。一例を挙げると、元教員の料治洋之さんは、「各単元の見開きページを子どもたちがショートドラマにして発表する」という取組をされていたそうです。#社会の授業だったかな。僕自身も以前演劇やミュージカルをやっていて、授業を面白くするために演劇的要素を取り入れたり、ドラマ化していくことが大事だと思っているので、とても共感しながら聞いていました。工夫次第で、いろんなことができる!ということに改めて気づかされた「オモロー授業発表会」でした。神戸では夏休みの7月28日(日)と8月23日(金)にまた開催されるそうです。神戸だと遠方の方も行きやすいと思いますので、興味がある方は、ぜひ行ってみてくださいね。そして、なんと今日も、同じ兵庫県内の三田市で開催されるようです。今知って、今から行ける方は、ぜひ、行ってみてください。▼オモロー授業発表会 兵庫県三田市 案内(公式サイト内) 日時:2024年5月19日(日) 13:30 ~ 17:30 場所:三田市総合福祉保健センター 1F 多目的ホール 定員:150名 参加費:1,000円 ※高校生以下参加無料 タイムスケジュール: 13:00 ~ 開場 13:30 ~ 15:00 第1部 15:15 ~ 16:45 第2部 16:45 ~ 17:30 茶話会神戸の会に参加した感じだと、すごくゆるい雰囲気だったので、多分、今から申し込んでも、行けると思います。教員だけでなく、子どもや、保護者、会社勤めの方も参加されていて、ほんとに異業種交流会って感じでした。こういう会、大事だと思います♪▼安住紳一郎さんの授業が「超」面白い(2022/03/28の日記)▼「かまぼこ先生」になるな! 黒板を子どもたちに開放せよ! (2023/08/06の日記)▼『たのしい授業』2021/1月号 (2021/02/06の日記)▼「ミュージカルのような授業」 ~マンガ家矢口高雄さんの体験より (2014/03/29の日記)
2024.05.19
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2024/5/5放送のラジオ番組「あ、安部礼司」が神回でした。めっちゃおもしろかったです。第943回 あ、安部礼司 ~BEYOND THE AVERAGE~ 2024年5月5日(G RADIO、2024/05/05)上のYouTube版は著作権の関係で音楽がカットされています。完全版は「radiko」で聴けます↓https://radiko.jp/#!/ts/FMT/20240505170000※但し、聴取可能期限:2024年05月10日 19:45まで「あ、安部礼司」は、音声によるラジオドラマ。人気の長寿番組です。僕は、アーカイブ配信を、毎週楽しみにしています。今回は、「恥ずかしながら、知りませんでしたっ!」がテーマ。と言っても、「いやあ、これは知らんかったなあ」というのが、いっぱい。知らない立場で一度聴いて、その後、知っている立場でもういちど聴いてしまいました。この番組を聴けば、あなたも、「知ってる」「知らない」を客観的に笑いながら考察できるかも?結局、「知ってる」も、「知らない」も、紙一重なんですよね。番組では「知らない」ことを恥ずかしいと言ってはいるものの、登場人物のやりとりを客観的に聴いていると、「知らないことは、恥ずかしいことではないなあ」と、逆に思えてくるところが、いいです。#「知ったかぶり」は、恥ずかしいかも!(^o^;)「知ってる」「知らない」の中には、昭和ネタも出てきて、これが僕には、めっちゃツボでした。僕と同世代の方は、同じ所で笑えるかも!?僕はこの「あ、安部礼司」と武田鉄矢さんの「今朝の三枚おろし」の2つのラジオ番組をよく聴いています。今はスマホやPCで気軽に聴けますし、リアルタイムでなくても1週間は最新回がいつでも聴ける状態で公開されていますので、「運転しながら」などの「ながら聴き」に、おすすめです。↓「あ、安部礼司」は、マンガにもなっています。『あ、安部礼司です。2 BEYOND THE AVERAGE』 (PASH!コミックス)[ 青木 U平 ]▼「今朝の三枚おろし」で、感動的に語られた「通潤橋」 (2022/09/28の日記)
2024.05.09
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昨日に引き続き、鴻上尚史さんの『ロンドン・デイズ』の読書メモです。『ロンドン・デイズ』[ 鴻上尚史 ]【リンクは電子書籍版】本書は演劇学校への留学記ですので、演劇の授業のこともいっぱい書かれています。鴻上尚史さんのお芝居はとてもおもしろいので、当然、学生として参加されていても、各授業でかなり大活躍されています。特に面白かった授業のことを書いておきます。「演技練習」の授業です。この授業の中で、自分たちでお話をつくるように言われた回で、なかなかぶっとんだ設定のお芝居がなされました。即興でつくるお芝居なのですが、これが、めちゃめちゃ、面白かったです。ちなみに、タイトルは「マッサージ王国の一日」です。・全員が円形になり、僕が真ん中に立って、マッサージ王国の歌を全員で歌いながら踊る。 「マッサージ! あー、太股、太股、太股、マッサージ! あー、ふくらはぎ、ふくらはぎ、ふくらはぎ」 という下らない歌である。・無茶苦茶、下らないが、無茶苦茶、面白かった。(同書p144より)こういうくだらないことを共有するのが、とても、いいですね。日本の学校も、あまりまじめすぎるのではなく、こういう、くだらないことをみんなでやって笑い合うことが大切なのでは、と思いました。こんな簡単なことなら、すぐに取り入れられそうです。たとえば、算数の授業ででも、「今日は、三角定規の歌をみんなで歌いましょう」「あー、三角定規、三角定規、三角定規」なんて言ったりして。こんなシンプルな、単語を連呼するといったことだけで、めっちゃおもしろくて、笑い合える。こういう体験を、どんどんやっていくことが、大切だと思うな、僕は!「演技練習」の授業は、この後もけっこうおもしろいアイデアがたくさんあって、僕は、授業者の端くれとして、非常に興味深く読んでいました。たとえば、教室で、各自が持ってきたものを使って”秘密基地”をつくり、その中に入って「2歳の子どもに戻りなさい」という授業もありました。(p160)50分ほど2歳の赤ん坊になり続けた結果、授業が終わったときには、「みんな、顔が輝いて、一回り若くなったように見えた」んだそうです。(p161)いやあ。とても、いいですね!演劇って、やっぱり面白いし、エネルギーをくれますね。(注)僕はここでは「授業」という言葉を使っていますが、本書の中では「レッスン」と書いてあります。#「授業」ではなく、「レッスン」▼子どもの学習意欲を高める授業の工夫 (2019/08/30の日記) ▼【実践】漢字の読み書きが困難な子どもがみんなと共に学び合えるようにする提案授業(小4「漢字の広場」の授業) ~僕は、こう考えたんだ。~ (2023/09/17の日記)
2024.03.03
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実は今日の20時に予約投稿していた記事があったのですが、無性に、昨日の続きを書きたくなりました。そこで、その記事が公開される直前、19:55に予約を停止して、その記事の公開を止めました。そして、本日分の記事として、この記事を書いています。#基本的に記事は1日に1つまでと決めています。#予約投稿していた記事は、また明日以降に公開します!昨日の記事は、勤務市内のとある小学校でおこなわれた授業研究会についてでした。対面で他校の授業研究会に参加したこと自体が、かなり久しぶりだったと思います。「やっぱりほかの学校の授業を見に来るのっていいな」という、新鮮な感動を覚えました。昨日見学させていただいた5年生の国語の授業。それを見せていただいて、僕は、次のような感想をメモしていました。上の画像は昨日もお見せした、僕のメモの一部です。この中で、赤字で書いてあるところ。「教科書が、演劇の台本のように扱われている」この感想を持ったことが、僕としては、特に、新鮮な驚きでした。僕は、「日本の一般的な授業は、もっと変わるべきではないか」というある種のイメージを持っています。それは、今の一般的な授業よりも、もっと演劇的な要素が強いものです。読み書き計算などの紙と鉛筆による座学による学習よりも、立って、動いて、声に出して、やってみる学びこそ、大切にしたい。それこそが、まさにアクティブ・ラーニングだと思っています。僕が今年度4年生でやっていた国語の授業も、まさにそういう演劇的な要素のある授業でした。(→過去記事参照▼【実践】漢字の読み書きが困難な子どもがみんなと共に学び合えるようにする提案授業(小4「漢字の広場」の授業) ~僕は、こう考えたんだ。~)今回見させていただいた授業は、子どもたち自身が演じることを目的や手段にしたものではなかったのですが、授業を見る限り、テキストをどう解釈して声でどう表現するかを追求している授業でありました。まるで、演出家同士が、どういう演出で芝居をやるかを、けんけんガクガクと顔をつきあわせて議論している場に居合わせたようでした。少し前に、演出家の鴻上尚史さんがイギリスの演劇学校に海外留学に行ったときの本を読みました。#これ、めっちゃおもろいです。『ロンドン・デイズ』[ 鴻上尚史 ]【リンクは電子書籍版】これを読んだときにも思いましたが、日本の「授業」は、もっと授業者が教え授けるような「授業」から離れて、演劇的であるべきです。つまり、教師が教えるのではなく、せめて演出する程度にして、もっと子どもたちの活動にゆだねるべきです。月曜日に見せていただいたクラスでは、5年生の子どもたちが教科書を丸めて持っているシーンが見られました。普通の授業なら、先生から怒られるかもしれません。でも、僕はこれに感銘を受けました。教科書を「道具」として使っているな、と思いました。「教科書を学ぶのではなく、教科書で学ぶ」ということは、昔からよく言われることです。「教科書」は、教材でしかありません。大事なのは、そこから、どう学ぶかです。P.S. 演劇の要素を授業に取り入れた実践としては、次の本がとても詳しいです。今回見せていただいた5年生の授業とも、共通する要素があるのではと思っています。興味がありましたら、ぜひ、読んでみてください。『なってみる学び 演劇的手法で変わる授業と学校』[ 渡辺貴裕 ]▼平田オリザ『わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か』 (2022/12/04の日記)
2024.02.27
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地元の小学校では、音楽会練習の真っ最中です。ある先生から、「合奏」のことで相談を受けました。一言で言うと、「難しくて、演奏できない」というお悩み。曲は、かの有名な「マツケンサンバ」です。僕は、「あの曲のサビは、難しいこと、ないでしょう?」と言いました。サビはわりと演奏しやすいのです。ただ、話を聞くと、サビに行くまでの、速いフレーズで演奏できずに困っているのだとか。音楽の話なので、実際のフレーズを聴いて、たしかめてみましょう。↓冒頭9秒後から始まるフレーズが、演奏できないところです。タンタラタラララッタンタタンタン。僕は、「確かに、16分音符が混ざる速いフレーズは、難しいねえ」と言いました。そして、「だったら、8分音符に変えてしまえばいい」と言いました。「タンタラタラララッタンタタンタン」は、「タンタンタンタンタンタンタンタン」にしてしまえば、ずいぶん演奏しやすくなります。「だったら、〇〇してしまえばいい」という発想、大事です。子どもに合わせて、変えていいんです。これは、音楽会の曲に限ったことではありません。教材に子どもを合わせるのではなく、子どもに教材を合わせるのです。学校の授業で扱う教材が目の前の子どもにとって難しかったとき、教師はそれを目の前の子どもに合った形に変更・調整して与えることができます。これは、国語でも、算数でも、社会でも、理科でも、同じです。教材をそのまま与えるだけなら、ネット上の授業動画を見せているのと同じです。教師が目の前にいる意味は、目の前の子どもに臨機応変に合わせられるところにあります。目の前の子どもに合わせて、教材をアレンジしよう!勤務校の5年生の音楽会の曲の楽譜は、昨日練習を見に行ったら、さっそく楽譜の一部が子どもの実態に合わせて変更されていました。それで、いいのだ♪(^^)/▼「虹の彼方に」リコーダー奏に簡単パートを追加♪ (2023/10/21の日記) ▼漢字を非常に苦手にしている子のクラスでの漢字の授業実践 (2023/10/24の日記) ▼1人1台タブレットでできる「わりざんの筆算」の基礎トレーニング (2023/09/20の日記)
2023.11.03
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昨日の続きです。今日は、昨日構想と準備をお伝えした授業について、「実際にどうだったか」をお知らせします。ライブ中継風に書いていきたいと思います。昨日の内容をふまえてお読みいただいた方がよいと思います。昨日の記事を未読の方は、先にお読みください。授業について具体的なことをお伝えする前に、まず、前提としての情報をお伝えします。僕は通級の担当ですが、対象児童を別室で指導するだけでなく、クラスに僕が入って、担任と2人でティームティーチングをすることもあります。対象児童が普段過ごすクラスでの学びを保障することが大切だと思っているからです。ただ、その場合も、普段は主指導は担任であり、僕は、基本的にはサポート役です。今回はその役割を担任と交代し、主指導を僕にさせてくれとお願いしておこなった授業です。では、以下にその授業を再現してみたいと思います。漢字の読み書きが非常に苦手な子どもが、いきいきと参加する小4国語「漢字の広場」の授業★実践レポート★■教材:光村図書「漢字の広場3」 (前年度に習った漢字を使って、物語を考えて、書く授業。)■書くことが苦手な児童の目標: ・班の友達と相談しながら、友達の書いた文につながるような文を考えることができる。 (漢字が書けなくても、主体的・協働的な学びに向かえていればOK!)#指導書にある「本時の目標」が現実的に達成できない可能性がある児童がいるので、そういった子のための別の目標も立てて臨みました。#自分としては、むしろこっちがメインで授業を計画しました。#本来の目標はむしろどうでもいいくらいに思っていました。#結果より過程重視ですので、「できた」「できなかった」へのこだわりは基本的にないのですが、教師の世界では「評価をどうすんねん」と言われることが多いので、いちおう書いてみました。■授業の進行の実際(児童の活動)1.準備をする僕:今日も、前のように、班で学習します。 4人班をつくってください。 あ、お休みの人がいるので、どこもちょうど4人ずつで組めるね。(子どもたち:机を動かして向かい合わせになり、4人班の形になる。)僕:班に一人だけ、タブレットをとってきてください。(子どもたち:班で相談して、1人が廊下のタブレット保管庫に自分のタブレットを取りに行く。)2.本時の学習内容を知る僕:この時間は、僕が授業をします。 1学期に2回したのを、覚えてる? 「自分だけできたらおわり」にするんじゃなくて、みんなができることをめざして協力するという授業をしたよね? あのときは、普段なかなか書けない子がプリントいっぱいに書いて持ってきたりして、びっくりしました。(子どもたち:よく覚えている)僕:「漢字の広場」のところをします。 教科書○ページをひらきましょう。 (電子黒板に指導書添付のルビ付き教科書PDFの該当のページを拡大して投影) (そのページに書いてあることを、さらりと確認。 2つの物語が「おむすびころりん」と「浦島太郎」であることも、確認。) 今日は、班の人たちが協力して、1つの物語を考えます。 それが、めあてです。(めあてを板書)(子どもたち:教科書を開けて、いつもやっているように、ノートに日付とめあてを書く。)#このクラスでは担任が毎授業の始めに日付とめあてを板書し、ノートに視写させるのを習慣にしているので、僕もそれにならいました。#書くことが苦手な子も含め、めあてを写すだけなら、どの子も毎時できています。僕:今日は、リレー作文で書いていくよ。 ちょっと、A先生と僕で、やってみますね。 (即興で担任と僕でリレー作文を考えて、子どもたちに聞かせる。 「おむすびころりん」の前半のみ。 擬音を交え、演技交じりにおもしろく表現してみせた。)僕:こんなふうにやっていきます。 自分で考えたことをどんどん入れていっていいからね。 では、班に1枚、物語を書く紙を配ります。 この紙に、リレー作文で書いていくよ。(ワークシートを班ごとに配布)僕:まず、班で相談して、どちらのお話にするか、えらびましょう。 上に並んでいる数字のところに、文を考える人の名前を書いていきます。 1の数字の下には物語の1つめの絵に合う文を書き、2の数字の下には次の人が2つめの絵に合う文を書く・・・というふうに、リレー形式で、続けていきます。 その順番の子は、文を考える担当です。 書くのは別の子が書いてもいいですよ。 紙に書く子がいて、また別の子が、タブレットでその文を入力します。 タブレットの持ち主とはちがう子が入力してもいいですよ。 (電子黒板にはPadletの画面を投影。 すでに最初の文のサンプルを僕が投稿していたのが映っている。 Padletで「+」のところから文字を入力して送信するやり方を演示。)僕:ほかの班が考えたことが、ここ(=画面)にぽんぽん出てきます。 文を考える時に困ったら、ここを見て参考にしてもいいです。 5番目と6番目のところは、それぞれ、1番と2番の人がもう1回入ります。 まずは順番を決めてから、書いていってくださいね。 時間は15分です。 (黒板中央に、タイマーをセット)僕:その紙の最後に書いていますが、できあがった物語は、班の人たちで動きをつけて発表してもらいますからね。僕:それでは、はじめ!3.班ごとにリレー作文を考えて書き、Padletで共有する (15分間、各班ごとの子どもたちにまかせる。 どの班も、顔を寄せ合いながら、わいわい言いながら楽しそうに考えていた。) (↓Padletには各班が考えた文が次々と現れていく。 それは電子黒板で大きく映しているので、それをチラチラ見ている子もちらほら。) (一部の子どもが元のお話にないものを登場させているのを取り上げて、 「いいね!元のお話にないものを登場させてもいいからね!」と認めていく。) #一部の子は、「そして、ケチャップをかけました。」などの文を付け足して次へリレーさせていたので、次に考える子がウケていて、大盛り上がりでした。 #「どんぶらこ、どんぶらこ」と擬音を工夫している子もいました。(終了時間少し前)僕:あと○分です。時間が来たら、最後までいっていなくても、終わってください。 そして、できているところまでを、発表してください。(タイマーが鳴ってから)僕:時間です。終わってください。4.班ごとに考えた文を発表する(文を読み、演技もしてみせる)僕:では、1班から順番に発表してください。 (班ごとに、近くの空いているスペースを演じるスペースとして指定。)(子どもたち:班ごとに演じる。) #「おむすびころりん」でおじいさんが転がるのを前転で表現したりして、 はじけた演技をする子が続出し、とても盛り上がりました。時間ギリギリに終了。班ごとに紙を提出して終わる。終了!いかがでしたか? そのときの授業のライブ感が少しでも伝わっているようであれば幸いです。 僕としては今回の授業は、「この子たちにいきいきと学んでほしい」と想定していた数人の子どもたちが例外なく楽しそうに授業中すごしていたので、それだけでもう大満足です。 書くことが苦手な子も、班の中で楽しそうにやりとりする中で、字を教えてもらって書いていて、文まるごとを誰かに代わりに書いてもらうということもなく、自分の役割をしっかり果たそうとがんばっていました! ご意見・ご感想、コメント欄にてお寄せください。 次回にクラス全体での授業をさせていただく機会に生かしたいと思います。 よろしくお願いします。▼支援を要する子どもも一緒に学ぶ小4社会科の授業実践にチャレンジ! (2023/06/03の日記) ▼「教室で学ぶことの本質」とは ~『教師をどう生きるか 堀裕嗣×石川晋』その1 (2023/05/18の日記) ▼子どもの学習意欲を高める授業の工夫 (2019/08/30の日記) ▼小学1年生国語「くじらぐも」で、子ども同士が伝え合う姿に感動♪ (2021/11/18の日記)
2023.09.18
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Quoraに寄せられた「子どもに宿題をやらせる効果的な方法教えてくださいませんか?」という質問に対する回答が興味深いです。「宿題のあり方」について、考えさせられました。▼https://jp.quora.com/%E5%AD%90%E3%81%A9%E3%82%82%E3%81%AB%E5%AE%BF%E9%A1%8C%E3%82%92%E3%82%84%E3%82%89%E3%81%9B%E3%82%8B%E5%8A%B9%E6%9E%9C%E7%9A%84%E3%81%AA%E6%96%B9%E6%B3%95%E6%95%99%E3%81%88%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%81%A0%E3%81%95上のリンクをクリックすると、教員として34年間勤められた方の回答が、先頭に出るはずです。「続きを読む」を教えて、ぜひ、続きを見てみてください。ほかの方の回答も、興味深いです。▼「Google」アプリの「宿題の解き方」機能 (2023/02/25の日記)▼夏休みの宿題 多過ぎ問題 ~宿題改革の先進的実践に学ぼう!~ (2023/08/25の日記)
2023.09.05
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前回に引き続き、この本に書かれていた内容を、参照していきます。↓↓↓↓↓『探究の達人 子どもが夢中になって学ぶ! 「探究心」の育て方』(神田 昌典・学修デザイナー協会、実業之日本社、2023/3、税別1500円)上の商品画像には載っていませんが、この本のオビに書いてあることは、僕は、大賛成です。・「好奇心のスイッチ」が入ると、子どもは自ら学びだす!(オビより)前回はいきなり「あとがき」を参照したので、今日は順番通り、「まえがき」から参照しましょう。この本の「まえがき」では、「探究学習」のメリットが、以下のように書かれています。・子どもたちは、自分の夢と学びが直結する・保護者は、自分が取り組む仕事が探究学習にも関係するので、 子どもたちとの共通の話題が増える。・教師は、(略)児童・生徒との対話の時間を重視するようになるので、授業準備に時間がかからないようになる。(p5)探究学習を主体とした学習にすることで、教師の働き方改革にもなるようです。「大人も子どもも、一緒に学ぶ」というのは、理想的だな、と思います。前回の日記では「日本の教育が、結果よりもプロセスを重視し始めている」ということを、書いていました。では、探究学習のプロセスでは、どのようなことが起こっているのでしょうか?僕が象徴的だと思えたところを、以下に引用します。・グループワークでは、 多様な意見を聞いて、思考を深める、 妥当解を見つけ出す(p67)たとえば「地球温暖化の解決方法」なんて、正解は分からないし、「これが正解」と思えることがあっても、実現には様々な困難にぶちあたるわけです。人との協働においても、同じです。だからこそ、「妥当解を見つけ出す」というのは、正解のない今の時代だからこそ、非常に重要なことではないかと思います。本書には、高校の「総合的な探究の時間」の先進事例だけでなく、小中学校の探究学習におけるおもしろい取組も、多数掲載されています。また、ところどころに、外国の事例も出てきます。たとえば、「シンガポールや上海では、総合学習のような探究的学習を日本以上に優先してやっている。 その結果、生徒が主体性や独創性を発揮し、失敗から学ぶ時間的な余裕もできた」といった、2012年のPISA調査の報告書からの内容が紹介されたりしています。(p90)興味を持たれた方は、ぜひご一読いただければと思います。なお、本書には、学校以外の場での「探究」の場も紹介されています。どちらも東京にあるので行けそうにありませんが、興味深い施設です。▼パナソニック クリエイティブミュージアム「アケルエ」▼TNM & TOPPAN ミュージアムシアター最後に、子どもがもつ疑問の例として、本書の最後のほうに、こんな疑問が載っていました。それを紹介して、終わります。「ピカチュウの10万ボルトって、どのくらいの強さなんだろう?」(p193より)アニメやゲームがきっかけになって、「探究」の旅が始まることもありますね。「学ぶ」とは、本来、そういうものではないか、と思えます。ちなみに、上の太字の疑問を検索にかけると、なかなか興味深いことが次々と分かってきました。探究の過程において、学びが学びを生み、次々と気になってくることが増えてくることが、体験できます。(笑)#暇な人は、検索してみてください。▼「自立」とは? そして、なぜ、学ぶのか? ~孫泰蔵『冒険の書 AI時代のアンラーニング』その7 (2023/08/23の日記)
2023.09.03
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仲島正教(なかじままさのり)先生の研修会で、「かまぼこ先生」というお話がありました。(関連記事 ↓ 8.1仲島先生の話を受けて書いたブログ記事 その1 子どもたちの目が釘付けになる「マジックブック」 その2 クラスの心を一つにする「拍手を〇回!」)「かまぼこ先生」というのは、黒板から離れない先生だそうです。「かまぼこ先生になるな!」というお話でした。「心の距離は、実際の距離に比例する」ということも、言われていました。先生が動いて、気になる子のところに行ってやることの大事さを強く感じました。その翌日、別の学習会で、「黒板を子どもたちに開放する」というお話を聞き、「同じだ!」と思いました。その学習会では、最後にグループワークの結果を各班の代表にホワイトボードに書きに来てもらいました。まさに「黒板を子どもたちに開放する」というのを模擬授業のように実際に体験したわけです。学習会の最後にふさわしい、とても楽しい共有・リフレクションができました。また、そのときに、それまで部屋の前方にばかりいた僕は、受講者の側方や後方に初めて移動しました。(僕はその学習会では司会の役割だったので、それまでずっと、前にいたのです。)そうすると、見える景色が、全然違うのです。教師が教室の前にばかりいると、見える景色が固定されてしまいます。「学習者」を大事にするのなら、実際に先生が動いて、「学習者の視点」を体験することが重要です。視点を変えることの重要さにも、気づきました。先生が前で話すのを子どもたちがただ聞くだけの授業では、面白くありません。そんな一斉授業の比率は、なるべく少なくしていきたいものです。子どもたちがライブで書いたものについて、ライブでかかわっていく。先生が子どもたちと一緒になって、同じ場を共有して、盛り上がる。このライブ感こそ、「おもしろい授業」「たのしい授業」につながるものだと思います。予定調和をぶっこわせ!ライブで子どもたちにかかわろう!授業は、そのときそのときに、子どもたちと、つくりあげるもの!夏休み前半の連日の研修会・学習会で、大変元気をいただいております。ありがとうございます。
2023.08.06
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研修・学習会の連続で、さすがに疲れています。でも、充実した内容の会が多く、めちゃめちゃ、勉強になっています。今日は、疲れていても目が釘付けになった、「マジックブック」のことを書きます。これは、仲島正教(なかじままさのり)先生の研修会で、教えていただきました。仲島正教先生はとても元気でおもしろい先生で、元小学校の先生。子どもたちを引き付けるマジックも実演していただきました。その中のひとつが、「マジックブック」です。パラパラとめくると、何も書いていない。魔法をかけて、もう一度めくると・・・なんと、「ぬりえ」が現れる!さらに魔法をかけると、今度は「ぬりえ」に色がつく!といった、驚きのマジックでした。(注:マジックブックには、2変化のものと3変化のものがあります。)僕は、仕掛けが分からなくて、「いったいどうなっているの?」と、研修のあいだ、そればかり考えていました。(笑)先ほど調べてみたら、ちゃんと、商品として売っていました。仲島先生から見せてもらったものとは違いますが、原理は同じようです。マジックブック アナと雪の女王 テンヨーDCMR 手品3変化 マジック ブック A4 サイズ サーカス パーティー 無地 白黒 カラー 簡単 解説 ビデオ 付きYouTubeで検索したら、動画も見つかりました。「マジックブック」をご存じなかった方は、ぜひ、ご覧ください。種明かしをしている動画も見つかりましたが、ばらしてしまうとつまらないので、種明かしはやめておきます。本当に簡単なしかけで、誰でもできるマジックでした。仲島正教先生は、「あの子の目を輝かせたい」という強い思いで、数々の工夫をされていました。「マジックブック」以外にもたくさん教えていただき、僕の目は輝きました。ひとりのためにやっていることが、みんなの目を輝かせることにも、なるのですね。仲島正教先生はYouTuberでもあるので、先生のYouTube動画へのリンクも貼っておきます。これを見て、みなさんも元気になってくださいね!!↓仲島正教「元気が一番塾」で一番人気の動画
2023.08.03
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そろそろセミが鳴き始めましたね。このあいだ、朝の立ち番をしているときにも、セミが鳴いていました。そのとき、顔を上げて見上げたときと、顔を下げて目線を下げたときで、セミの鳴き声の音の高さが変わることに気づきました近くにいた挨拶当番の子どもたちにも教えてあげたら、「ほんとだ」と言っていました。なぜこうなるのかの原理はよく解りません。理科が得意な方、ぜひ、教えてください。注)セミの鳴き声の種類によっては、そうならない場合もあります。 僕が「音の高さが変わる」と思ったのは、ミーンミンミンとかのはっきりした音ではない、背景に溶け込むような高音でした。 顎を上げ下げすることにより、高音の一部がシャットアウトされて聴こえなくなる感じかな。あなたも、セミの鳴き声を聴いたときに、試してみてください。
2023.07.14
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『TEDトーク(実践編)』の本を読み返しています。今回が、第5回です。『TEDトーク 世界最高のプレゼン術【実践編】』(ジェレミー・ドノバン)(本書に関する過去記事一覧)▼第1回:ベンジャミン・ザンダー「音楽と情熱」▼第2回:ベッキー・ブラントン「私のホームレス体験」▼第3回:「○○からはじめよう!」▼第4回:エイミー・カディ「ボディランゲージが人を作る」今回紹介するTED動画は、すごいです。講演から、片時も目が離せませんでした。僕たち教育者が、おそらく最も重視していること、「やる気」についての、科学的論証です。それも、驚きの論証です。その名も、「やる気に関する驚きの科学」ダニエル・ピンク 「やる気に関する驚きの科学」(TED, YouTube版)▼「TED日本語」版(英語と日本語の字幕の併記表示が可能)詳しくは動画を見ていただければと思いますが、この内容はいつも心に留めておきたいことです。要約すると、次のようなことが語られています。・報酬が機能するのは、単純で機械的なことに関してである。 広い視野で柔軟な発想をしなければ解けないような問題解決においては、 報酬がかえってマイナスになる。・自主性を重んじよう。 自由にさせる時間が多い会社が、驚くべき成果を上げている。 あのGoogle社も、そのひとつである。要約は僕の個人的な主観が入っていますが、ご容赦ください。「報酬がかえってマイナスになる」というのは、一見すると信じられない事実です。疑い深いあなたは、ぜひ、このトークに出てきたのと同じ実験をしてみましょう。あるグループには、「時間を計るのは、標準を知りたいからです」と言うのです。別のグループには、「1番になれば、20ドルを差し上げます」と言うのです。(セリフの引用はp244より)注意点としては、そのときに解かせる問題は、単純なものではなく、発想の転換を必要とする問題でなければなりません。単純な問題なら、報酬が出る方が、やる気になるのです。(笑)似たようなことを、約2年前のブログ記事にも書いた覚えがあります。▼「報酬が動機を阻害する」 ~行動経済学まんが『ヘンテコノミクス』 (2021/05/03の日記) そのとき読んだ本にも、大変驚きました。こちらも大変おすすめの本です。「報酬が動機を阻害する」というフレーズはとても印象深かったので、今でも記憶に残っています。僕はよく、やる気を起こさせるために「モノで釣る」という、安易なやり方をとります。が、それがかえってやる気を低下させる原因になっていたのです。なんてこったい!どおりで、そのときはやる気になった気がしていたのに、やる気が続かなかったわけです。皆さんも、「やる気はお金で買えない」ことに、くれぐれも留意しましょう・・・。▼中村文昭流「こどものやる気を引き出し、その気にさせる!」 (2021/04/18の日記)
2023.04.11
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『TEDトーク(実践編)』の本を読み返しています。今回が、第3回です。『TEDトーク 世界最高のプレゼン術【実践編】』(ジェレミー・ドノバン)▼第1回記事:ベンジャミン・ザンダー「音楽と情熱」▼第2回記事:ベッキー・ブラントン「私のホームレス体験」ちょうど今、年度初めで入学式や学級開き、授業開きの時期ですので、本書の中で「オープニング」についてどう書かれているのか、少し見てみたいと思います。本書には105のHintが書かれています。その中に次の3つがあります。■Hint40 聴衆に考えてほしいときは、 質問でトークをはじめよう■Hint41 スピーチから何を得られるかを明確にしたうえで、 オープニングを締めくくろう■Hint42 月並みなオープニングは絶対に避けるべきHint40で具体例として紹介されているのが、次の動画です。なぜから始めよう ― 優れたリーダーはいかに行動を奮い起こさせるか | サイモン・シネック | TEDxPugetSound非常に引き込まれる語りです。「なぜ?」の嵐を最初に浴びせることで、聴衆に、続きを聴きたいという意欲を起こさせています。何かを教えるというとき、その前提として、生徒側の「知りたい」という欲求があるべきです。それがなければ、お仕着せの教え込みになってしまいます。知りたくもないことを教えられたら、勉強そのものがいやになってしまいます。ちなみに、Hint41では、避けるべきオープニングの例も語られています。その中に「たいてい失敗に終わるタイプのオープニングがあります。アクティビティ・オープニング、つまり聴衆に動きを求めるオープニングの手法です。」(p167)とあったのは、意外でした。アクティビティを取り入れるのはとても効果的だと思っています。ただ、それを最初の皮切りにするのは、もしかすると、逆効果かもしれません。最初の最初は、まず教師がリードする。まずリードしてから、委ねる。山本五十六の有名な言葉があります。「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。」最初からいきなり相手を動かそうということ自体に、無理があるのかもしれません。まずは、自分からです。まずは、自分から、やってみよう!!ちなみに山本五十六の上の名言には続きがあります。続きもとても大切なことを言っていると思います。知りたい方は、以下のリンク先で確認してみてください。かなり分かりやすく解説されています。▼やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。 (Proverb(ことわざ)・格言(名言)|大学受験の予備校・塾 東進のサイトより)今の言い方で、読んでいる人の「知りたい」を喚起できたかな?▼鼻の穴は交代で働いている。~「ピタゴラスイッチ」はためになるなあ~ (2007/03/05の日記)▼ステキなビジョンを描いてみせよう! ~『はしゃぎながら夢をかなえる世界一簡単な法』その3 (2022/12/26の日記)
2023.04.09
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前回、おっくう先生の、Web上でできる具体的な学習ゲームを紹介しました。今回は、そもそもに立ち返って、「授業で学習ゲームをみんなでするということ」について、考えてみたいと思います。学校の勉強など、一般に「ゲーム」ではないと思われるものを「ゲーム化」することについて、「ゲーミフィケーション」という言葉が使われることがあります。ちなみに僕は「なんでもゲーム化すればいいのだ」という、かなりのゲーミフィケーション推進論者です。「ゲームを悪者にするな」といった趣旨の主張を教師向けのメールマガジンに投稿して、採用されたこともあります。(「MM小学」というメールマガジンです。もうずいぶん前のことです・・・。)小学校教諭になる前はゲーム会社にいたこともあり、「ゲームと教育が対立するのではなく、教育はゲームを取り入れるべきだ」と、ずっと思っています。同じようなことを思っておられる方は、けっこうたくさんおられます。いろいろな研究者や実践者の原稿を集めて構成された次のような本も出ています。授業づくりネットワーク(No.26) 『ゲーミフィケーションでつくる!「主体的・対話的で深い学び」』(藤川大祐 編著、学事出版、2017、税別1400円)2ヶ月前に読み終わり、読み終わってすぐに感動して、その中の福山憲市先生の「インクルーシブな学級づくりを支えるゲーム手法」については、そのときのブログ記事で紹介させていただいていました。今回は、学習ゲーム開発の第一人者であり、おそらく最も有名なお一人である横山験也先生が書かれた文章から、少し引用させていただきたいと思います。横山先生は、上の本の中で「算数・英語、学習ゲームを超える学習ソフトの授業入門」について書かれています。「学習ゲームを超える学習ソフト」というところにも、「学習ソフトの授業入門」というところにも、大変興味をそそられるタイトルです。この中で、横山験也先生が実際に担任された学級で最初に「学習ゲーム」を取り入れるようになったいきさつや、取り入れてみて子どもたちがどう変わったかが、書かれています。非常に端的に引用させていただくと、次のような変化が見られたそうです。・「お客様」状態の子があちこちにいました。 ↓・遅れがちな子も一気に豹変。夢中になって取り組み始めた(p46より)「学習ゲーム」が、やる気の見られなかった子のやる気スイッチを入れたことが分かります。「ゲーム」は、子どもたちの主体性を引き出すのです。これこそ、まさに「ゲーム」のもつ素晴らしさです。「教師が子どもたちに勉強をさせる」ということとは、対極にあります。学びの主体性が、授業に学習ゲームを取り入れることで、回復していくのです。その場では、教師は「教える人」ではなくなります。ゲームをクリアすることを助ける人になるのです。横山先生はそのことを、次のように喩えておられます。・先生は直接あれこれ動きを指示することのないラグビーやサッカーの「監督」的な立ち位置となり、子ども達は教室というフィールドをはつらつと学習をする「プレーヤー」となります。(p46-47より)先生が「監督」役になって具体的にどんな授業を展開されていたのかは、同書をお読みください。「授業をするのがうまい、教え上手の先生」にはなかなかなれませんが、ゲームを主役にして、教師が「監督」役をするのであれば、教え方の上手下手はあまり関係がありません。実際、横山験也先生が開発された学習ソフトを使って、教職経験の少ない先生の教室でも、子どもたちがイキイキと学んでいる姿が、あちこちの教室で見られているようです。日本中の学校の授業でこういった授業が展開されていけば、学びから逃走する子が減り、自分から進んで学ぼうとする子が増えると思います。文科省が近年声高に呼びかけている「主体的・対話的で深い学び」を実現するためにも、「授業で学習ゲームをみんなでするということ」について、積極的に考えていくべきだと思います。↓以前ブログで紹介した藤川大祐先生の本も、このテーマに直結する本だと思います。 よろしければこちらもお読みください。▼藤川大祐『授業づくりエンタテインメント!』その1~「予告」「ライブ」「余韻」 (2021/12/11の日記)▼藤川大祐『授業づくりエンタテインメント!』その2~ランダム性の授業における意義 (2021/12/12の日記)▼藤川大祐『授業づくりエンタテインメント!』その3~人間関係を可視化してフィードバックする (2021/12/14の日記)
2023.03.06
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『運動脳』の読書メモ、第6回です。今回が、最終回!▼これまでの記事▼ 第1回:運動で、不安を軽減できる!! 第2回:ADHDの投薬への警告 第3回:うつや不機嫌を吹き飛ばす! 第4回:運動以上に記憶力を高められるものはない 第5回:創造性に計り知れない影響をおよぼす『運動脳』(アンデシュ・ハンセン、サンマーク出版、2022、税別1500円)今回は、第7章「学力」を伸ばすの章からです。本章の冒頭では、体育の授業を毎日実施したら、「算数や国語、英語でもよい成績を取った」ということが書かれていて、のっけから興味を惹き付けられます。(p283)相変わらず具体例が効果的で、どんどん読みたくなる構成になっています。アンデシュ・ハンセン『運動脳』6(p281から最後まで)(・太字部分は、本の引用。 顔マークのあとの緑文字は僕の個人的コメントです。)・たった4分の運動を一度するだけでも集中力と注意力が改善され、10歳の子どもが気を散らすことなく物事に取り組めることも立証された。・4歳から18歳までの子どもが運動すると、ほぼすべての認知機能が高まる(p288より)運動をしてから学習すると記憶の定着率がよい、という第5章の内容とも関わってきます。 昔から、「小学生の間は勉強よりも身体を動かして遊ぶことが大事」ということが言われていました。 そのことには一定の科学的根拠もあるということになります。 また、本書によるとそれは18歳までということなので、小学生の間に限らないということです。 やはり、学習スタイル自体を、座学+一斉講義のスタイルから、動きのあるアクティブ・ラーニングのスタイルへと変えていく必要があるようです。 思い切って、机とイスをとっぱらっちゃいますか?・学校でも職場でも、立って作業すると脳が効率よく働く・立ち机を使うと、テストの結果が平均で10%も上がっていた(p298より)「実はイスいらん説」を補強する内容です。 そういうブログを打ち込むこと自体は、イスに座って行ってますが。(^^;) 「立ち机」っていうのが、あるんですね。 調べてみるとけっこう種類があるみたいなので、需要もあるんでしょうね。 ちなみに、英語では「スタンディング・デスク」と言うようです。 呼び名を変えただけですが、やっぱりこっちの呼称の方が、カッコイイ? 必殺技っぽい響きになって、少年の心を蘇らせます。 「スタンディング・デーースク!!」 『聖闘士星矢』あたりで出てきそうな技名です。(笑) ↓下のリンク先によると、「働き方の新常識」らしいです。 やはり、働き方改革の必殺技かもしれません。 スタンディングデスク ガス圧 キャスター付き(高さ70cm〜110cm) 【公式】 PYKES PEAK ( パイクスピーク ) 高さを変えられるタイプだと、イスに座っても使えるし、立っても使えますね。 僕のように「今更100%イスを手放すなんて無理」と思っている人には、こういうタイプがいいかも。上の引用箇所は第7章の内容のみですが、最後に、第10章運動脳マニュアル どんな運動をどのくらい?も少し参照しておきます。本書を読んで運動をしたくなった人に運動することを後押しする内容となっています。・たとえわずか1歩でも脳のためになる。・たとえば通常の速度でランニングすると、運動を終えてから数時間にわたって創造性が増す効果がある。(p355より)さあ、書を捨てよう町に出よう外が寒いときや雨降りのときは、家の中でできる運動も、いいですね。身体を動かすことを、これまで以上に心がけていきたいと思います。ちなみに、著者自身はどれくらい毎日運動をしているのか?著者紹介によると、「テニス、サッカー、ランニングに励み、週に5日、少なくとも1回45分取り組むようにしている」そうです。身体を動かす趣味を持つと、楽しみながら続けられそうですね。▼『からだを揺さぶる英語入門』~英語は立てばいい(^0^) (2009/05/21の日記)
2023.02.12
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『運動脳』の読書メモ、第4回です。▼これまでの記事▼ 第1回:アンデシュ・ハンセン『運動脳』その1 ~運動で、不安を軽減できる!! 第2回:アンデシュ・ハンセン『運動脳』その2 ~ADHDの投薬への警告 第3回:アンデシュ・ハンセン『運動脳』その3 ~うつや不機嫌を吹き飛ばす!『運動脳』(アンデシュ・ハンセン、サンマーク出版、2022、税別1500円)今回は、第5章「記憶力」を極限まで高めるの章からです。アンデシュ・ハンセン『運動脳』4(今回の範囲は、第5章:p208からp250まで)(・太字部分は、本の引用。 顔マークのあとの緑文字は僕の個人的コメントです。)・運動以上に記憶力を高められるものはない(p209より)本書で一番のビックリかもしれません。 運動が気分を晴らしたり、集中力をつけたりすることは、これまでの経験上も、よく分かることでした。 ところが、本書では、「運動が記憶力を高める」のみならず、他の方法と比べても、運動が一番効果が高いと言っているのです。 驚き桃の木山椒の木です。 「脳トレ」をするより、運動をする方が、効果が高いらしいのです。・週に3回、40分、早足で歩いただけ(p213より)ここの引用は、「たったこれだけで、いいんです。」ということの1つの例として挙げられていたところです。 週に3回、早足で40分歩くだけなら、僕もけっこうやっているかもしれません。 なにしろいつも急いでいるので、歩くときは基本、早足です。・運動をすれば記憶力はたちどころに改善する(p218より)・運動をすると、すぐに記憶力が上がる・運動と暗記を同時に行うことをお勧めする(p219より)本書を読み進めると、さきほどの例よりもさらにすごいことに、「運動をすると」「すぐに」「たちどころに」と書いてあって、腰を抜かしました。 もしこれが本当なら、運動と学習をセットで同時に行うと、すごい効果を発揮することになります。 少し前に僕は、タブレット端末で行える九九の学習ゲームを開発していました。 そのときに、「卓球の対戦のように向かい合って腕を振りながら上り九九を言っていく」というトレーニングも、それとは別に、頭の中で思いついていました。 でも、「ばからしいかな」と思って、頭の中で即座に却下していました。 もしかすると、時間を掛けて九九の学習ゲームを開発しなくても、「エアー卓球九九暗唱」のほうが、効果は高いのかもしれません。 いちおう、「九九チャンツ」というのも開発しているので、その音楽に乗って運動をしながら九九を唱えると、いいかもしれません。 今度やってみようかな・・・。・あなたが学びたいと思うどんな技術でも、事前に運動をすれば、BDNF分泌の恩恵を受けて、学んだことが長期記憶になる段階でしっかり固定される。(p224より)この「BDNF」というのが、とにかく奇跡の物質らしいのです。 本来だったら老化とともに衰えていくところが、BDNFが出ていれば、衰えるどころかむしろ改善するのだとか。 この情報のウラをとろうと、ネット検索したら、婦人画報さんの記事がヒットしました。 ▼”BDNF”を増やすのが認知症予防のカギ!記憶力は運動と食べ物でよくなる (婦人画報サイト、2020/10/1記事) ↑BDNFは運動でも増えるけれど、カマンベール・チーズでも増えるらしいです。(^0^)いかがでしたか。全国の受験生諸君、これからは、毎日の勉強の前に運動をすれば、直後の学習の記憶の定着に効果があること、間違いなしです。僕も、自分の身体で実験をしてみたいと思います。さて、何を覚えよっかな~。(覚える以前に、すでに忘れていることが多いので、自分が覚えたいことすら忘れています。)次回、第6章は頭の中から「アイデア」を取り出すの章です。僕はクリエイター気質なので、実は覚えることより、創造性や発想力のほうに興味があります。すでにいっぺん読んだことを忘れているので、読み返すのが楽しみです。では、また、次回!(またまた、つづく)▼【休校期間お役立ち情報】その13 登校後の運動を保障しよう(齋藤 孝『子どもの集中力を育てる』) (2020/05/23の日記) ↑第2回のときにも最後につけましたが、上の過去記事、「運動をしてから学習するとその後の取組が変わってくる」という「パドマ幼稚園」のことを書いていて、今回の記事とも関連が深いと思いました。
2023.02.10
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12月10日土曜日に、映画「夢みる小学校」を見てきました。実在の小学校に密着取材して撮影したドキュメンタリー映画。とても観に行きたかったので、地元で上映会があるなんて、夢のようでした。(画像は公式サイトより)学校に密着取材したドキュメンタリー映画と言えば、大阪の大空小学校に密着した「みんなの学校」も、そうでしたね。どちらの映画も、子どもたちの姿がとても、まぶしい。いい映画です!「夢みる小学校」の主な舞台は、「きのくに子どもの村学園」系列の「南アルプス子どもの村小学校」。山梨県にある小学校です。子どもたちが主人公で、子どもたちの権利保障がかなりされている学校です。何かを決めるときには、大人も子どもも、同じ一票を持っています。建物も机も、子どもたちが、自分たちで作っちゃいます。いやあ、たくましい。今の子どもは、なんでもお金を払って買うものだと思い込まされているけれど、ほんとうは、自分たちでつくれるものが、たくさんあるのです。自分たちでつくると、失敗ばかりだけど、でも、つくることその過程が楽しい。それこそが、ほんとうの学びだと思います。体験そのものが、教科書なのです。そういうことに、気づかされます。「きのくに子どもの村学園」の大人たちは、「大人が責任を取るから、思い切ってやりなさい」と子どもたちに伝えているそうです。「ここでは、自由には責任を伴う、なんてことは、言わないんだ。 責任は大人がとるから、思い切ってやりなさい、と言うんだ。」なんて、カッコイイ大人のすがたなのでしょう。大人に後押しされて、子どもたちのエネルギーがますます花開きます。行動力が、加速します。そんな体験を子ども時代にしたら、大人になっても、アクティブに社会にかかわれる子どもたちに育ちますよね。大人たちの次の言葉も、カッコイイ。「学校は 楽しいだけで いいんだ」楽しいだけでいい学校なんて、最高ですぼくの近くにも、「建物を自分たちで作る人たち」がいたことがあります。それは、大学時代の演劇団の人たち。ビティーを組み立てて、自分たちが上演するお芝居の芝居小屋を、自分たちでつくるところから始めていました。とても大変そうだったけど、とても楽しそうだった!卒業後にも、その人たちは大阪南港に芝居小屋をつくって、野外演劇を劇場付きで上演していました。自分らしく「生きる」って、そういうことなのかもしれません。子どもたちがつくるのは、自分のいすを作るのが、最初なのかな?「どんないすを つくってもいい」という言葉が出てきました。これは、とても象徴的な言葉です。ほかの、どんな言葉にも、置き換えられると思って、聞いていました。「どんな〇〇を つくってもいい」のです。ぼくたちの社会も、ほんとうは、そういうところのはずだ、と思います。「きのくに子どもの村学園」は私立だけれど、途中で登場される尾木ママの「公立でも同じようなことはできるのよ」というメッセージが、強烈に刺さります。そして、公立の例として、長野県の「伊那市立伊那小学校」や、東京の「世田谷区立桜丘中学校」が紹介されます。とにかく名言の多いこの映画ですが、桜丘中学校の元校長、西郷孝彦先生からも、名言の数々を聞かせてもらえました。「突拍子のないことをするのが 中学生らしい」「自由でなきゃダメなんですよ」西郷孝彦先生の講演は、以前にもオンラインで聴かせていただいたことがあったのですが、今回もかなり胸に響きました。「整列すると前が見えない」という名言もあったのですが、これは、中学校のことだったか、小学校のことだったか、忘れました。たぶん、この映画で取り上げられている学校なら、どこも、あまり整列を重視していないと思います。整列するという手段よりも、目的を見ている。教育の本質がどこにあるのかを見ている。だから、ルールとして「こんなふうにすべきである」ということが、ほとんどないのだと思います。「整列すると前が見えない」もまた、象徴的な言葉として受けとめました。最後に、この映画のメッセージを代表していると思える名言を。「どんな子どもも、 それは1つの個性であり、正解である」この言葉をかみしめながら、エンディングテーマのブルーハーツの「夢」を聴くと、感動します。「公立でも同じようなことはできる」と言われて、実例も見せられたので、「自分たちの地域でも、学校でも、可能なんだ!」と、勇気をもらえました。家族4人全員で観られたのもよかったです。妻も、子どもたちも、少なからずこの映画から影響を受けています。今後の生き方や考え方につながる、影響力のある映画。まだまだ全国で自主上映会が順次開催中です。お近くであるときには、ぜひ、観てみてくださいね。監督が書かれた本も、出ていますよ。映画の話も、かなり書かれているみたいです。『子どもはミライだ! 子どもが輝く発酵の世界』(オオタヴィン)(関連する過去記事)▼子どもたち主体の理想の学校? 映画「夢みる小学校」 兵庫県でもぞくぞく上映! (2022/10/23の日記)▼桜丘中学校の前校長、西郷孝彦先生の講演を視聴しました。 (2020/11/14の日記)▼「言葉を発することの意味」 ~工藤勇一×鴻上尚史『学校ってなんだ! 日本の教育はなぜ息苦しいのか』その4 (2022/09/25の日記)▼「困った」子への向き合い方 ~木村泰子『「ふつうの子」なんて、どこにもいない』 (2021/05/05の日記)
2022.12.18
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『人は考え方が9割!』という本の読書メモを書く日が続いていましたが、今日はちょっとお休み。夢の中で画期的な教材を思いついたので、それについて書きます。というのも、昨夜は僕にしては非常に珍しく、夜のライブに行ってきました。友人がドラムをやっているのですが、地元のライブバーでのハロウィンイベントに出演することになり、「来てね!」とお誘いを受けたのです。僕は夜は早く寝る主義なのですが、昨夜は特別にライブバーでのライブを観に行ってきました。これが、よかったです。非常に刺激的で、おもしろかったです。そういう新鮮で刺激的な体験をして寝ると、自分の中のクリエイティブな部分が活性化します。そういうわけで、寝て起きると、子どもたちの学習に使える「教材」のアイデアを思いついていたので、共有します。■教材名:「あ!テスト直し」(仮) (さっき「ザ・」と打とうとしたら、変換ミスで「あ」になりました。 「これはこれでいいか」と思ったので、そのまま採用。 テスト直しのときに、「ここが間違ってるー」と気づいた時の「あ!」を表しています。)■こんな子に最適!: ・テストの見直しをしない子 ・テストの回答例が必要な子 ・テストの解き方が分かっていない子 ・間違いが許せない子 ・同じ間違いを繰り返す子 ・先生役をやりたい子(笑)■内容: ・テストと、回答と点数が最初から表示されています。 ・点数を100点に近づけるために、回答を修正して100点をめざしてください。 ・どこがマルで、どこがバツなのか、どこが△で部分点なのかは表示されていません。 ・まず、「合っているか、間違っているか」を判断する必要があります。 (これは、○×クイズといっしょです。) ・×や△の場合は、○になるように直す必要があります。 ・最初の点数から何点まで上げられたかが、あなたの実力です。 (イメージ) ・紙のバージョンと、タブレットでできるアプリ版があります。 <紙のバージョン> ・『テストなおしの本』として、売られています。(希望的希望) ・学年別で小1から中3まであります。(例:『小1テストなおしの本』) ・同学年の全教科のテスト事例が集まって製本されていて、コピー自由で使えます。 ・そして、紙のバージョンには、なんと!特別付録が! 計算の検算用に、「お金のおもちゃ」がついています。 <アプリ版> ・アプリ版では、「今の点数」が自動で表示されます。 直した瞬間に点数が上がるので、モチベーションアップが期待できます。 ・また、「ヒント」ボタンがあり、そのボタンを押すと、点数アップのためのヒントがポップアップ表示されます。というのが、ぼくの「夢」です。(笑)どこかの出版社で、ぜひ本にしてみませんか?もしくは、アプリ開発が得意な方は、このアプリを作ってみませんか?「作ります!」という方は、ご連絡を。ところで、『人は考え方が9割!』の読書メモ第1回を読み返していて思いましたが、昨日は非常に「明るい波動」を体に受けたので、考え方が明るくなって、悪夢じゃなくていい夢を見るようになったようです。明るい波動を受けるのって、大事だなー。
2022.10.30
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映画「夢みる小学校」の上映会が、兵庫県丹波市であるみたいです!ほかにも、全国各地で続々上映中らしいです!これは行ってみたい♪(画像は公式サイトより)▼兵庫県丹波市 ゆめタウンポップアップシネマ 12/10(土)https://www.tambacity-kankou.jp/shopnews/shopnews-13806/▼夢みる小学校 公式サイトhttps://www.dreaming-school.com/公式サイトで自主上映会の予定を調べてみたら、兵庫県西脇市でも!会場は地元では有名な、tamaki niimeさん。そちらは11月12日(土)17:30~で入場無料だとか。詳細は↓▼tamaki niimeさんの「会 log」「夢みる小学校」というタイトルですが、西郷孝彦先生の桜丘中学校も出てきます!2年前に講演を拝聴しました。その講演の際にも学校の映像を見せていただきましたが、生徒がいきいきとしている、すばらしい学校だと思いました。▼桜丘中学校の前校長、西郷孝彦先生の講演を視聴しました。 (2020年11月14日の日記)
2022.10.23
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小学2年生の光村の国語教科書では、「お手紙」の音読劇をする単元があります。アーノルド・ローベル作の、名作です。登場人物は、がまくんと、かえるくん。そして、子どもたちに一番人気な、かたつむりくん!『ふたりはともだち』 (ミセスこどもの本) [ アーノルド・ローベル ]劇化については、文字で書かれていることをほんとうに「分かる」ために、とても有効な手立てになると思っています。その証拠に、実際に劇としてさせてみると、分かっていないことが分かることがあります。このあいだやってみたのは、かえるくんが家に帰ってお手紙を書き、封筒にお手紙を入れて、宛名を書くシーン。2年生の子にさせてみたところ、なんと、封筒の表書きに、「いつもありがとう」と、お手紙の中身を書こうとしました。2年生だと、封筒の宛名を書いた経験が、ないみたいです。「そこを、分かってなかったか!」と思いました。大人は当然分かるはずと思っていても、子どもは経験不足などが理由で分かっていないことがたくさんあります。国語の文章の中の記述も、書いてあることを書いてあるとおりに読むことはできても、その意味が分かっているかどうかは別問題。ちゃんと確認することが重要だと思いました。(参考リンク)がまくんとかえるくんが登場するお話は、「お手紙」のほかにも、たくさん! ↓ ↓ ↓▼絵本ナビ「がまくんとかえるくん」
2022.10.17
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今日は1年生の担任がお休みでしたので、4時間目と5時間目は1年生の教室に行って、授業をしました。カタカナの指導で「ちょっとずつ坂道をのぼるよー」「ストップ!」「あ~、ここでふらふら動いちゃったら、悪の帝王に勝てない!」などとオーバーに子どもたちに声をかけるのが面白かったです。(なぜカタカナを書く空書きで悪の帝王と戦っているのかは、不明)カタカナを書く指導については、僕ではその場で思いつかないことが明白だったので、次の本を教室にもっていきました。『なぞらずにうまくなる子どものカタカナ練習帳』(桂聖・永田紗戀、実務教育出版、2015、税別1000円)通級の部屋に一応おいてあったものですが、近年は全く使っていませんでした。(支援学級をもっていたときには、わりと使っていました。)いざというときに「この本の中の小人さんが使える!」と覚えておけたのは、年の功でしょうか。(^^;)「この本の中の小人さん」というのは、説明するとくどくなるので、公式サイトで試し読みができますので、そちらで見ていただくのが早い!ぜひ、試し読みをしてきてください。↓▼なぞらずにうまくなる子どものカタカナ練習帳 (実務教育出版公式サイト内)体験してきましたか?いちおうこれで、僕がこの記事の最初に言っていた声掛けが、どういうイメージで言っていたか、わかってもらえたと思います。今日は「がけからおっこちる~~ しゅ~~~~っ」が特に面白かったです。みんなでやるのが、みそです。1年生はこういう小人さんや正義の味方などになりきって遊ぶことにノッてきてくれるので、ほんとに楽しいです。いちおう補足しておくと、4つのへやに分かれているマス目黒板を使って、一画目の開始点と終了点をチョークで点を打っておき、2画目は色を変えてまた開始点を打って・・・という感じで最初に点つなぎのような点だけの絵(?)を見せるところから始めました。そしておもむろに、小人さんの冒険物語を始めながら、まずは教師が模範で点と点をつないでいくのです。こういう楽しい工夫はほかの書字指導でも入れられると思います。やっぱり遊び要素がないと!というが、僕のポリシーです。今日は本当に楽しい1日でした。1年生の皆さん、ありがとう!
2022.09.13
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教育書の中でも伝説的な1冊があります。岩下修先生の、『AさせたいならBと言え』。タイトルにも、内容にも、「教育者として覚えておきたいこと」の本質が、ここに、ギュッと凝縮されています。すでに発刊からかなりの年数が経っていますが、今の若い先生方にも、ぜひ読んでほしいと思います。『AさせたいならBと言え 心を動かす言葉の原則』(岩下 修、明治図書出版、1988、1386円)▼出版社公式サイト(現在も継続販売中!!)若い先生にありがちなのが、Aさせたいときに、Aしなさいと言ってしまうことです。「勉強しなさい」「姿勢を正しなさい」「掃除をしなさい」「やる気を出しなさい」などなど・・・。そこには、工夫が何も、ありません。工夫がなく、直接的な命令で子どもたちを動かそうとすると、先生も子どもたちも、楽しくありません。言い方を工夫して、やり方を工夫して、楽しく学習することが肝要です。岩下修先生は、書かれています。・子どもを動かすとは、「子どもの心を前向きに動かす」ということなのである。 これだけは、常に心しておきたい。(p204)子どもたちのやる気がないとなげいているそこのあなた!(僕も、その一人ですが・・・。)やる気がない子のやる気を引き出すのが、僕たちの腕の見せどころなのです。子どものせいにしている場合ではありません。では、この本の中の記述から、印象的なところを少しご紹介します。僕は音楽が好きなので、音楽の授業で、先生の指揮に注目させたい時の言葉がけを少し引用してみます。なお、指揮の事例では、岩下先生は、北岡隆行先生の事例を紹介されています。(本書には、岩下先生ご自身の事例だけでなく、全国のたくさんの先生方の事例が具体的に紹介されています。)・(タクトの代わりをしている)先生の人さし指の爪を見なさい。 ここに、みんなの声をぶつけてください。(p128)この指示は、「小さな特異点」を示すという原則に基づいています。子どもの視線というのは、あっちこっちに飛びます。30人いれば、30人があっちこっち見ているのが、普通です。その視線を集め、みんなで同じところを見るようにさせるには、「前を見なさい」では、漠然としすぎているのです。少し言い方を工夫される先生なら、「先生の手を見なさい」と、見るところを限定されます。しかし、それでも足りないのです。本書で紹介されているのは、「人さし指」の、しかも、その「爪」です!そこまで小さな特異点を示すから、子どもたちはかえってその難しいことに挑戦しようとするのです。そこまで具体的だから、「やってみよう」という気になるのです。さて、このブログ記事を書くにあたり、この本の書名でネット検索をすると、なんと、今年になって、この本の「イラスト図解版」が出ていることが、分かりました。『イラスト図解AさせたいならBと言え 子どもが動く指示の言葉』(岩下修、明治図書出版、2022/5、2310円)この本が紹介されていたAmazonでの「出版社からのコメント」が、大変シンプルでした。教師になったら必ず読みたい!説明不要の名著だからこその、出版社コメントですね。さあ、あなたも、「Aさせたいなら、Bと言え」を実践して、楽しい教師生活を、送っていきましょう!
2022.07.17
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テストの最高点は何点ですか?100点ですか?ほんとに、それで、いいんですか?実は、100点を上限にしないテストで、上限をとっぱらったことにより、200点や300点をとる子どもたちが次々に出てきた、という事例があります。どういうことかと言うと、たとえば漢字テストです。漢字50問テストで、1問につき、2点です。そうすると、全部できていたとしたら、100点ですよね?これの上限を崩すということは、ほかにも点が入る要素を追加するということです。僕が知っている事例で言うと、問題に出てきた漢字を使う熟語を、問題の傍の余白に書きます。その熟語の漢字使用例が正しければ、ボーナスでさらに1点入ります。こんなふうにすれば、上限は100点ではなくなるわけです。だいたい、上限が100点だったら、100点とれる子は、テストの残り時間を持て余してしまいます。上限を崩すという工夫は、学校現場で、もっと試みられていいと思います。上の事例は勤務市の先生がされていたものですが、教育書にもこういう事例はたまに出てきます。僕の手元にある本で言うと、たとえば次の本の中にも、記述がありました。『全員参加の全力教室2 燃える!伸びる!変わる!ユニット授業 燃える!伸びる!変わる!ユニット授業』 [ 杉渕鐵良&ユニット授業研究会 ]上の本の中には、「無限漢字」として紹介されています。「100点という枠をはみ出す無限漢字 駒田 友希 東京都杉並区立方南小学校」(『全員参加の全力教室2』p15~20に実践記録報告を収録)これはこれで素晴らしい実践だと思いますが、実は、今回僕が言いたいのは、そういうことではありません。さらに、その上を行きます。(?)100点を越える点がもらえる場合があるとして、あくまでもそれは、先生が決めたルールです。『学校の枠をはずした』 という本では、あるアーティストの、次のような言葉が、載っています。ゴールの見えない作業をひたすらやっているときに、ある子どもが、尋ねました。「今どのくらい進んでいるのでしょうか?」これに対する答えが、こうです。「100%で言えば、80%。 でも、300%だったら、60%かな」この章の最後で、質問した子どもは、最後には「誰かが決めた100%を目指すのとは別のゴールがあることに気づいた」と書かれています。(『学校の枠をはずした』 p88)『学校の枠をはずした 東京大学「異才発掘プロジェクト」の実験、 凸凹な子どもたちへの50のミッション』 [ 東京大学先端科学技術研究センター中邑研究室 ]学校のテストがあまりにも絶対視されると、子どもは、「100点」という枠に、慣れてしまいます。人生に、100点は、ありません。あなたは、あなたの人生で100点をめざしていますか?「100%で言えば、80%。でも、300%だったら、60%かな」と言えたら、ステキですね。本来、勉強というものは、どこまで行っても、果てがないものです。ゴールは、自分で決めるものです。テストで100点がとれない子にしても、そうです。ゴールは、自分で決めたら、いいのです。
2022.07.11
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学習指導案を書かないといけないので、今日の午後は自分が授業する内容を整理して書いていました。午前中は全く書く気が起きず、午後になってようやく書き始め、やっと集中できたころに、はっと気づきました。16時から用事があるのを、あやうく忘れるところでした。やばいやばい。さて、漢字や言葉の指導についてですが、僕は最近、これらの指導にくっつけて、「言葉の使い方を実際にやってみる」という、ロールプレイのような、即興演劇のようなことをやっています。その場の思いつきが99%なのですが、そのときその場で子どもと一緒につくる授業になっている感じがして楽しいです。くわしく書いていきますね。いちおう、こういう活動的なことをする場合は、カードになっているほうが望ましいです。言葉カードや、漢字カードですね。カードを使うことで、ゲーム的なやりとりに発展していきやすいと思います。もちろん、漢字ドリルで新出漢字をやって、その中の漢字の使い方からひろげていっても、いいとは思います。その場合は、板書か電子黒板で、該当の漢字や言葉を焦点化して目立たせておくといいんじゃないか、と思います。先日は、「ことばカードを子どもが自由につなげて文を作り、その文を後で実演する」というのをやりました。かっこよく言うと、「子どもがつくった文に、いのちを吹き込む」といったところでしょうか。たとえば「おじいさんにおみやげを買う」という文を子どもが作ったとすると、そのシチュエーションを演じることで、おみやげは何を買ったかとか、もらったおじいさんがどんなリアクションをしたかとかを即座に考えて、表現することになります。学校の授業って、「考えて、わかったら手を挙げる」という手法ばかりがとられがちな気がします。たまには、「考える」よりも「感じる」を重視する時間もあっても、いいと思うんですよね。そのためには、即興演劇っぽいのをちょっとはさむと、おもしろいですよ。
2022.05.14
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今日は、「継続は力なり」という話をしたいと思います。一つのことに集中して繰り返す。シンプルだけれど、これを続けられる人が、伸びる!そういう勉強法を実際に実践された方がいます。宝槻泰伸(ほうつき やすのぶ)さんです。この方の勉強法は、「事実は小説より面白い」と言える、画期的なものが目白押し。詳しくは、下の本に書いてあります。『強烈なオヤジが高校も塾も通わせずに3人の息子を京都大学に放り込んだ話』【電子書籍】[ 宝槻泰伸 ](書籍は現在絶版なので、電子書籍にリンク)以下は、同書にある、泰伸さんの「オヤジ」による秘伝の勉強法です。目的は、兄弟の、京大合格。(笑)自分の子どもたちの勉強を自宅で教えるついでに塾を開いた「オヤジ」さん。そのユニークな勉強法の一部が、こちら!↓【英語】・素直に信じて狂ったように英文を音読→暗唱→音読→暗唱を続けた生徒たちはどんどん学力が伸びていきました。【国語】・名文や好きな文章をともかく書き写してしまえという勉強法・素直に信じてひたすら原稿用紙に文字を埋め尽くす生徒は伸びていきました。【数学】・問題集を1つ決めて同じ問題を何度も繰り返し解きまくれ・勉強はスポーツと同じで、反復練習がその基本(p138-139より)学校の場合、これをそのまま実践することは難しいと思いますが、ひとつの参考にはなると思います。すなわち、「その教科の本質がどこにあるのか」を見極め、「目的のためにたった1つのシンプルなやり方を徹底するなら、何をすればいいか」を突きつめてあるところです。本書のケースは目的が京大合格にあったわけですが、他の目的であっても、基本は同じでしょう。模範となるものを、覚えるまで、繰り返し学習する。絵がうまくなりたいなら、模範となる絵をひたすら模写するのが効果的でしょうし、マンガがうまくなりたいならマンガを模写する。声優になりたければ、理想の声優のまねを徹底し、歌の上達のためには、理想の歌手を徹底的に真似る。お笑い、演劇、講演家・・・あなたがなりたい全てのものに、通じます。ただ、引用しておいてアレですが、僕の場合、同じことはできないと感じました。なにしろ、無類の新しもの好きなのです。あきっぽくて、すぐ他のことに手を出してしまいます。同じやり方を続けるなんて、我慢できないのです。でも、だからこそ、1つのやり方を続ける、というのを、少しでも取り入れていかないとな、とも思いました。一方で、学校教育だと、こういう1人でもできる学習法ではなく、みんなで学ぶからこそできる勉強法を重視したい、という思いもあります。受験勉強だと効率が求められますが、学校の場合、効率優先になってはいけないようにも思っています。そんなわけで、上の学習法をそのまま真似る、というより、「なにか、コレと決めたものを続ける」ということこそを真似したい、と思いました。今回紹介した本のマンガ版の紹介を、5年前にしています。よろしければ合わせてお読みください。↓ ▼マンガ『とんでもオヤジの「学び革命」』 (2017/05/05の日記)
2022.04.29
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ネットで偶然見つけた、安住紳一郎さんの授業が「超」面白かったです。斎藤孝さんが明治大学に安住紳一郎さんをお呼びして授業をしてもらった時のもののようです。太宰治の「走れメロス」を教材とした授業です。「話のプロ」がやると、こんな面白い授業ができるのか、と驚愕しました。一度観た後、4~5回は再生しました。また、折に触れて観たいと思います。声に力があります。「説明口調」とは全く違います。実際は説明をしていても、説明口調ではない。リズムと空気を作る、落語家のしゃべりのような、引き込まれる話し方です。こういう伝え方ができると、いいですね。斎藤孝さんと安住紳一郎さんは、対談本も出されているようです。俄然、こちらにも興味がわいてきました。『話すチカラ』(齋藤 孝・安住紳一郎、ダイヤモンド社、2020、1540円)
2022.03.28
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先日の1年生の通級指導。「すごい!そんなことできるんだ!!」と驚いて後ずさると、非常にウケました。2回やると、「また、あとずさっと~」と、鋭いツッコミをいただきました。楽しかったです。(笑)(個人情報保護のため、ネコの写真に代えています。 提供:写真AC)いつもは僕は座ったままで通級指導をしています。指導しながら、指導記録にメモを取っているからです。ただ、あのときはなぜか逆の位置に立って、子どもが机上で課題をやっているところを、のぞいていたのです。そして、素晴らしくよくできることにびっくりして、目を開いて大げさにのけぞって、後ずさったのでした。こういう演出、子どももも僕も、非常に楽しいです。他の教室でも、使えると思います。今日の格言座ってないで、アクションしよう
2022.03.03
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お待たせしました。今日は昨日の続きです。藤川大祐先生の『授業づくりエンタテインメント!』第2章以降から、僕が大事だと思ったところをご紹介していきます。 『授業づくりエンタテインメント! -メディアの手法を活かした15の冒険-』 ( 藤川大祐、学事出版、2014、1800円、絶版) この本には「15の冒険」として、いろいろなアイデアが紹介されています。 ワクワクする授業のためのアイデアがいっぱい詰まっています。 ワクワクする授業を重視するあなたは、必見です! 藤川大祐『授業づくりエンタテインメント!』 その2 (今回は第2章「一人ひとりの魅力をひきだす~差異を活かした学びのための授業の極意~」以降。 p189まで) ・ランダム性の授業における意義 (p90より) ランダム性を持たせることは、すごく簡単に面白さを演出する技の一つです。 たとえば日直をくじ引きで決めているクラスとかも、ありますよね。 僕はよく計算問題にランダム要素を持たせて、数字カードを引かせたり、サイコロを振らせたりしています。数字カードがなければトランプを使ってもいいですね。 藤川大祐先生は『授業における「ランダム性」に関する考察』という論文を書かれています。 こちらは、Web上でも公開されています。 詳しくは論文を見ていただいたらいいのですが、よくあるタイプの「挙手した子を指名して発表させるシステム」には、落とし穴があります。 授業者が、少数の子とのやり取りだけで、「授業がうまくいっている」などと思い込んでしまうことがないよう、ランダム指名を取り入れるのは、ひとつのやり方だな、と思います。 ▼授業における「ランダム性」に関する考察 (授業実践開発研究 第6 巻(2013)より) 僕が作った自作のゲームの中でも、ランダム要素がかなり重要なウエイトを占めています。 もともとサイコロを振って出た目の数で結果を決めるゲームだったのをエクセルでプログラミングしたものです。 AmazonKindleの電子書籍の中で解説していますので、よろしければお読みください。『エクセルで作ったゲームを解説してみた。: 〜プログラミングのしくみとゲーム作り〜』(にかとま、Kindle電子書籍、2019) ・「ゲーミフィケーション」(「ゲーム化」) =現実の営みをゲームとしてデザインすること(p180より)・ゲームには、ゴール(目標)とルール(規則)が重要です。(p181より) 「ゲーム化」については、僕は非常に重要だと思っています。 もはや、これだけやって生きていこうと思っているくらいです。(笑) ゲーム会社の勤務経験がある教員というのは非常に数少ないと思うので、この分野で突出していきたいと思っています。 藤川先生の本書では、非常に重要な参考図書が紹介されていました。 それを買って、今読んでいますが、めちゃめちゃおもしろいです! これを読むと、ゲームの重要性がよく分かります。 『幸せな未来は「ゲーム」が創る』(ジェイン・マクゴニガル/藤本徹、早川書房、2011、3080円)※リンク先で試し読みできます。・ゲームをデザインする授業や学ぶ場を設計する授業があっても不思議はない(p189より) 近年はプログラミング教育が始まった関係から、ゲームをデザインする授業に近い授業も行われるようになってきている気がします。 ゲームを作るのは、本当に頭を使うので、おすすめです。 (おすすめ理由の詳細については、過去記事をお読みください。) とりあえず、僕が担当している「パソコンクラブ」では、3学期はScratchでのプログラミングを通して、ゲーム作りに挑戦させたいと思っています。 また、僕自身も、ほかの有志の先生方と一緒に「学習ゲーム」をScratchで作ろうとしているところです。 なかなか進んでいないのですが・・・。 ゲーム作りは総合的なプロジェクトなので、どんなことをするうえでも基本となる「仕事力」が試されます。と同時に、プロジェクトを他者と協働して進めることで、その能力を上げていくことができます。 「学習ゲーム」をScratchで作る企画に賛同される方は、ぜひ僕までご連絡ください。(^0^)この本の読書メモは、なんとさらに続きます。本書の最後に対談が掲載されているのですが、その内容も大変興味深いものになっています。日を変えて、そちらの内容を取り上げます。それでは、また次回! ▼ゲームをきっかけに学ぶ。ゲーム化すれば楽しくなることを学ぶ。 ~荻上チキ『みらいめがね』 (2020/07/04の日記)▼【Excelプログラミング講座】3 「ゲーム」を作ると、頭がよくなる! (2018/07/04の日記)▼「RPGツクール」で簡単にゲーム作り体験! (2021/01/05の日記)↓「たのしいべんきょう」の過去記事一覧は、こちら。
2021.12.12
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昨日の事例のように、子どもが自分で想像を働かせて、創造していく授業。そういった授業は、僕の一番理想とするところです。そういった主体的に子どもが輝く授業づくりのためのとびきりの参考書をご紹介しましょう。 藤川大祐先生の『授業づくりエンタテインメント!』です。『授業づくりエンタテインメント! -メディアの手法を活かした15の冒険-』( 藤川大祐、学事出版、2014、1800円、絶版)この本には「15の冒険」として、いろいろなアイデアが紹介されています。ワクワクする授業のためのアイデアがいっぱい詰まっています。ワクワクする授業を重視するあなたは、必見です! 藤川大祐『授業づくりエンタテインメント!』 その1 (今回は第1章「若き教師の魂を解放する~明日が楽しみになる授業の極意~」のみ。p66まで) ・導入以前の始まる前が大切・(1)予告 (2)ライブ (3)余韻 (p17より) たとえば、以下のような掲示が、予告の例として、紹介されていました。きんようの そうごうの テーマは ○デ○ア (p16より) 授業を楽しみにする気持ちが高まりますよね。 「○○のことでしょ!」と勝手に予想してしまいます。 簡単なことですが、これが、まさに、想像するというやつです。 授業が始まる前から、授業に気持ちで参加しているのです。 今なら1人1台端末があるので、こういった授業の予告も簡単にできそうですね。 余韻としては、1時間の授業の終末であえてまとめをせずに、次回に謎を残すといった手法が考えられます。 本書以外の例としては、有田和正先生の社会科の授業がそういった授業だったことを思い出します。子どもたちは謎があると自主的に調べだす、ということが、20年ほど前のNHKの番組で紹介されていました。(有田先生の本も、楽しい授業を目指すなら、必見です。) ・アンケート型発問(p26より) 選択肢を示し、30秒考えさせてから、「Aの人はパー、Bの人はグーを挙げてください」と指示して同時に挙手させる、という手法が紹介されています。正解を当てるクイズのようなやり方も考えられますが、自分の考えを選ばせる「アンケート型発問」も発展として考えられる、ということでした。 ・教室の子どもたち全員が主人公となる物語を日々つくっていく (p55より) 名言です! 教師の毎時間のめあてとして、教室に貼っておいたほうがいいです。 ・意見を一瞬で「見える化」する・学級で話し合いをするとき、活用したいアイテムの1つが、フリップ (p56より) (画像は、いらすとやさんのもの) 先日受講したホワイトボードミーティングの研修でも、「見える化」の重要性を強く感じたところです。子どもたちにミニホワイトボードを持たせて意見の「見える化」を図る方法もありますが、本書では「A3判の用紙に薄めの方眼を印刷したものを、ラミネート加工したもの」が紹介されています。(p57)ホワイトボードマーカーではなく、太字の水性マーカーを使って書くようです。ホワイトボードではなくラミネート加工した紙が推奨されている理由は、薄くて自由自在に使えるというところにあるのだとか。「薄いので、マグネットで黒板に貼ることも可能」(p59)ということで、「なるほど」と思いました。僕は百均でミニホワイトボードの裏にマグネットが貼られているものを使ったことがありますが、ミニホワイトボードは分厚くて重さが割とあるので、黒板に薄い磁石で貼っても、落ちてきてしまうんです。今は改良されているかもしれませんが、「薄型フリップ」は、有用なアイデアだな~と思いました!もちろん今は1人1台ダブレットがあるので、タブレット上に指で描くと似たようなことはできるかもしれませんが、アナログで実現するのも、ありですね。 第2章以降の僕が大事だと思ったところは、また明日のブログでご紹介します。第2章のタイトルは、「一人ひとりの魅力をひきだす~差異を活かした学びのための授業の極意~」になっています。こういったタイトルがまた絶妙で、タイトルだけで次回予告になっているなーと思います。余韻を残して、明日につづく! ▼「学校改革」を、いかにしてなしえるか ~藤原和博『45歳の教科書』 (2020/02/02の日記)↓「たのしいべんきょう」の過去記事一覧は、こちら。
2021.12.11
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光村図書の小学3年の国語教科書に、物語を作る単元があります。「たから島のぼうけん」という単元名です。長い物語を自分で考えて書く、といっても、苦手な子もいますよね。僕の通級指導教室では、そういった相談にも乗っています。この単元の場合は、あるボードゲームの素材を使って、臨場感たっぷりに宝島での冒険を考えることで、考えるきっかけを与えています。頭の中ではなく、実際に宝島の地図をもとに考えると、話を考えるのが苦手な子も、いろんなことを思いついて、とても面白い物語ができています。今日、子どもが考えた物語を紹介します。登場人物は、Aさん(男)30歳。Bさん(女)30歳。Cさん(男)30歳。3人は友達。ある日、森で宝島の地図を見つけた。宝島に上陸後、トランポリンをつかってジャンプし、いきなり宝箱のところに到着する。しかし、宝箱のカギは、4匹のドラゴンが守っていた。ドラゴンは夜に眠る。そして、朝5時に起きる。寝ているあいだにカギをとろうとした3人。だが、ドラゴンが起きた。なんとかカギをとった3人だが、4匹のドラゴンに追いかけられる。(以下、略)どうです? めちゃめちゃ面白いと思いません?このときに物語を考える材料として使ったのが、こちらです。「ロボット探検隊ゲーム ドラゴン島の秘宝」(アーテック 知育玩具)舞台は「ドラゴン島」。真ん中に宝のカードを置くことになっており、少し離れたところにはカギがあることになっています。非常にワクワクする設定です。子どもが物語を考える際には、主人公たちのキャラクターも画用紙で切り抜いて作らせると、ごっこ遊びのように、「ドラゴンが追いかけてきて、逃げる」などと説明しながら、即興で物語を演じていました。主人公たちは棒人間ですけど・・・(笑)このボードゲーム、もともとは、アンプラグドプログラミング(コンピュータを使わずにプログラミング的思考を育てるもの)の教材として、購入したものです。これが、実は、大当たりでした。説明書通りの遊び方でも、「協力して宝を持ち帰る」という思考力や態度を育てることができます。自分だけがゴールすればいいといったすごろくとは違った協力型のゲームです。参加者で協力して、ドラゴンをよけながら宝のカギを手に入れ、宝箱を開けて、船まで持ち帰ればゴール、というゲーム。非常によくできています。とにかく、この素材自体、この世界観自体が、ワクワクします。そのため、説明書通りの遊び方でなくても、モノとして見せるだけでも、応用的な使い方ができたりします。たとえば、ゲームに付属するドラゴンのカードや宝のカード、カギのカード、お日さまや月のカードだけでも、たとえば物語を考えるときなどに、具体的な支援となるのです。このボードゲーム、2年前に1000円ぐらいで買ったのですが、今検索したら、安いところでは400円ぐらいで売っているところもありました。この差はいったい・・・。(検索して見比べると、同じ商品のはずが、2000円を超えて販売されているお店もあったりして、本当に価格がバラバラでした。定価とかはないのでしょうか・・・。)検索していると、この教材がほかのアンプラグドプログラミング教材とセットになったものも、1600円で見つけました。ほかの教材も面白そうなので、今回、そのセットも追加で注文することにしました。「アンプラグドプログラミング すごろくゲームセット」(アーテック ボードゲーム)学校向けに作られたものではないのですが、学校でも十分使える教材だと思います!
2021.12.10
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前回・前々回と、鳥山敏子『賢治の学校』の読書メモを書きました。鳥山敏子先生が「賢治の学校」として設立されたのが、「東京賢治シュタイナー学校」でした。賢治の思想と、シュタイナーの思想は、重なるところが多いようです。「東京賢治シュタイナー学校」公式サイトの「賢治とシュタイナー」によると、2人の共通点として、次のようなことが挙げられています。・一人ひとりの人間が自分の中にある「本当の自分」を見つけ出し、自らの“天の才”を最大限に生かして生きていける・人間形成における芸術の重要性これだけでは分かりにくいので、今日はシュタイナー教育にかかわる本を読み返してみたいと思います。マンガで描かれたシュタイナー教育についての入門書を取り上げます。『マンガでやさしくわかるシュタイナー教育』(井藤 元、日本能率協会マネジメントセンター、2019、税別1500円)★出版社公式サイトに行っていただくと、試し読みができます! 試し読みの部分だけでも、基本的な部分がよく分かります。 ぜひ、見てみてください。・ドイツで生まれ、オルタナティブ教育の代表格として知られるシュタイナー教育は、モンテッソーリ教育とならび、教育界では世界的に有名な教育実践です。・教科書がなく テストもない、この一風変わった学校で、子どもたちは国語、算数、理科、社会……すべての科目を芸術的に学んでいます。 (p3より)特に幼児教育ではかなり取り入れられているのだとか。具体的にどうやって学ぶのか、気になりますよね?マンガの中ではもちろん具体的な授業場面も描かれています。たとえば、算数。(マンガの中では「エポック授業」として紹介されています。)日本の標準的な教え方は、「1+1=」とかですよね。対応する答えが、ひとつしかない。ところが本書で紹介されている教え方は、リスさんがどんぐりを見つける、というお話の中で、絵と一緒に「6個のどんぐりは、いくつといくつに分けられますか」という問いがなされ、「6=2+4」「6=3+3」などの式が示されていました。(p46)本書の最後の「エピローグ」でも、・無限の可能性に目を向ける「逆向きの足し算」は、シュタイナー教育のあり方そのものを象徴する実践 (p210)と書かれています。右辺と左辺を逆にするだけで、いろんな可能性があることに子どもが気づけるなんて!「こんな単純なことで!」と、魔法のように思いました。この本を読むと、僕たちが普段よく使う言葉の使い方に関する気づきも、生まれました。・「したいこと」と「せねばならないこと」が一致した状態のうちに、人間の「自由」は見いだされる (p59より)「しなくちゃいけないことが あるんだ」は、名作「お手紙」の中の「かえるくん」のセリフですが、僕は、普段からこの言葉を好んで使っています。そうすると、妻から、「しなくちゃいけないと思うことはストレスになる」という指摘がありました。僕は、これは、ちがうんだよなあ、と思うんです。「いやいや、しなくちゃいけないことは、したいことなんだ」と説明していました。しなくちゃいけないことと、したいことが一致している状態が、幸せな状態だと認識していました。「お手紙」の中の「かえるくん」も、そうですよね。そのことが、本書の中にも説明として出てきたので、びっくりしました。シュタイナーは、これこそが、「自由」だと考えていたのですね。したいことをする自由が、しなくちゃいけないこと、たとえば仕事や勉強と一致する。これこそが、理想というやつです。いやいややるようなのは、勉強じゃない。「勉強」という漢字の語源から言うと、そうかもしれないけれど、学習ではない。学ぶということの語源は、「まねぶ」から来ているそうです。まねをしたいからまねるのであって、それは、自由なものであるはずです。強制からは、学びは、生まれません。・子どもたちはすべての教育を芸術的に学んでおり、あらゆる教科が芸術に満たされています。・音楽は音楽の授業でだけ取り扱われるのではありません。 すべての教科の中に音楽性が満ちているのです。・学びの集大成として、クラス全員参加の「卒業演劇」も行われます。 (p68より)僕は以前、「音楽のような授業」が僕の理想だと書きました。釣りキチ三平の作者が実際に受けた授業が、まさに「音楽のような授業」だったと。▼「ミュージカルのような授業」 ~マンガ家矢口高雄さんの体験よりほんとうに、今の授業というやつには、もっと音楽などの芸術の要素が必要な気がします。本書ではこの後も、子どもの前に立つ教師の心構えや、環境についてなど、非常に気付かされることの多い指摘が続きます。ただ、それをいちいち挙げていると、引用が多くなるので、それらを集約した言葉を引用しましょう。・教師や大人にできるのは、子どもの「環境」として在ることだけです。 (p148より)子どもの主体性を重視し、大人のあり方を戒める、見事な一文だと思います。教師や大人が出すぎてしまうと、子どもの学びを奪うことになるのです。宮澤賢治が生徒を連れてよく山や川に出かけたのも、生徒に「環境」を提供するという意味が大きかったと思います。子どもの前に立つ教師の心構えを象徴することとして、1つだけ、印象的だったことを、最後に付け足します。シュタイナー教育では、教科書を使いません。では、国語の学習は、どうやっているのか?なんと、「モチモチの木」などのお話を、教師は全文を覚えて、「素話」(すばなし)と言って、暗唱するのだそうです。ううむ、シュタイナー教育、本気でやろうとすると、なかなか覚悟がいりそうです。ただ、その理想としているところは、すごく分かります。教えるということは、教科書を読んで聞かせてできるような、簡単なことではないのですね。
2021.12.04
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ゲオで借りて、『ドラゴン桜2』の最終巻を読みました。ネタバレは控えますが、気持ちのいい終わり方でした。『ドラゴン桜2 フルカラー版(17)』【リンク先は電子書籍版】(三田紀房、講談社モーニングKC、2021)====================~リンク先の商品説明より~いよいよ東大二次試験! 一年間、「自分を変えたい」という気持ちで猛勉強してきた早瀬と天野は、こじれかけていた関係を修復し、互いに感謝しあう。引っ込み思案でプレッシャーに弱かった自分、お調子者でこらえ性のなかった自分はそこにはない。日本の最高峰・東大を目指すことで完全に変わった二人が挑んだ東大二次試験。Webで結果を待つ早瀬と天野、東大へ掲示板を見に行った小杉と藤井。歓喜の瞬間が最高の演出で届けられる。そして、桜木が自身の進退をかけた合格者数13人という無謀な挑戦はーー?====================この巻の最初の方で、ひたすら同じことをやり続けることの効果が書かれていました。まず、バスケ部の先輩が全体練習の後、毎日100本シュート練習をするというエピソードが紹介されていました。====================・「はじめは すぐに飽きたね」 「でも 続けているうちに だんだん気持ちが変わってきて そのうち」 「面白くなってきた」 「シュートが決まる時と決まらない時の打ち出しの角度の違いとか・・・・・・」 「リリースする瞬間の指先の感覚とか」 「1本1本にいろんな気づきとか発見があることがわかった」 「そうなると 面白い」 「楽しい」 (p12-13より)====================このエピソードを聞いた東大受験生は、過去問ばかり解いている自分に、やりがいを見出していきます。このシーン、実はリンク先の「立ち読み」からフルカラーで読めるので、よかったら読んでみてください。▼『ドラゴン桜2 フルカラー版(17)』【リンク先は電子書籍版】(再掲)こういう、いろんなことに普遍的な示唆を得られるのが、『ドラゴン桜』のすごいところです。単に受験ノウハウやテクニックだけが書かれているわけではありません。学生だけでなく、社会人にも大切なことが、分かりやすい具体例をもとに描かれています。僕はドラマの方は第1話でもう観るのをやめてしまったのですが、息子は「めっちゃ面白い」と言って、ずっと観ていました。僕はやっぱりドラマよりマンガの方がいいかな。▼スマホを授業で活用する ~『ドラゴン桜2』と「Cラーニング」 (2020/05/09の日記)▼「みんなでチャレンジ」が習慣化の決め手!~習慣化アプリ「みんチャレ」 (2021/01/24の日記)▼『エンゼルバンク』~社会(会社)のなかで本質的に大事なことを教えてくれるマンガ (2010/03/20の日記)
2021.09.05
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今日は忙しかったのでブログの更新はやめようと思っていましたが・・・Facebookがお知らせしてくる1年前の自分の投稿がおもしろすぎたので、共有します。1年前の今日。なんと、もう夏休みは終わっていて、普通に授業していたようです。しかも、けっこう楽しそうに!以下は、Facebookへの投稿からの転載です。投稿日は、2020年8月19日です。例年なら思いっきり夏休みなのですが、この年はコロナ休校で1学期のスタートが遅れ、夏休みがほぼお盆休みだけという状態でした。8月19日には、すでに授業が始まって何日か経っていました。=======================今日の午後は5時間目に1年生の自習監督に入りました。計算プリントの答え合わせをどうしていたのか子どもたちにきくと、「答えを先生が言っていた」と言います。そこでしかたがないので僕が答えを順に言うと、「速い」と言います。1年生にはもっとゆっくり言ってやるべきでした。「ごめんごめん、じゃあ、踊りながら言うね」と言って、1秒ごとに1拍の4拍子の指揮をとり、「4たす、4はー、はち!」とやっていたら楽しくなってきましたが、自分だけ言っているのも何だかなあと思ったので、3拍目でまず子どもだけで答えを言い、4拍目で僕も答えを言うようにしました。「はちたす、いちはー?」「きゆー」「キュー!」こんな感じです。これ、楽しいですよ。右手の指揮は仮面ライダーが変身するように回しながら空中の端を刺すのがいいです。=======================たとえで仮面ライダーの変身ポーズを持ち出すところが、さすが昭和50年生まれです。ちなみに「1秒ごとに1拍の4拍子の指揮をとり、仮面ライダーが変身するように回しながら空中の端を刺す」というのが分かりにくいと思うので、視覚的に解説すると、こうです。↓ 4!1_〇_3 2こんな単純な図でも、昭和なあなたには仮面ライダーが変身している姿が浮かんできたことでしょう。そうでしょう。そうでしょう。ところで、上の例では、答え合わせに音楽の要素を取り入れています。楽しくしようとしたときに音楽の要素を取り入れるのは、おススメです。僕の授業の理想は、「音楽のような授業」です♪音楽の授業ではなくて、音楽のような授業ですよ。これ、大事。テストに出ます。今年はほとんどの学校で夏休みがまだ続いていると思いますが、お子さんのいる家庭は、宿題の追い込みの時期ではないでしょうか。お子さんの宿題の丸付け、上の日記のように楽しくやってみるのも、いいのでは?P.S.Facebookは本名で書いているので、僕の本名が分かる人は検索して友達申請してください。(^0^)(関連するかもしれない過去記事)▼コロナ禍の音楽授業 ~手拍子・ハミング・スキャット唱など (2021/06/23の日記)
2021.08.19
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書店で見かけて即買い。マンガ『夜間中学へようこそ』。『夜間中学へようこそ』(沢音千尋、双葉社アクションコミックス、2020、税別650円)先に小説版があって、それをマンガ化したもの。小説版はこちら↓『夜間中学へようこそ』 (物語の王国)(山本悦子(児童文学)、岩崎書店、2016,税別1500円)小説も同時に買いました。(そちらはまだちゃんと読めていません。)このマンガの中のセリフ。====================『学校へ 行きたいやつなんていないだろ』(p17)====================ところがどっこい、主人公のおばあちゃんが通う夜間中学は、「行きたい学校」なのでした。「行きたい学校」を作るヒントは、こういうところにも、あるものですね。「夜間中学」は、もともとは戦争や戦後の混乱の中で学校に行けなかった人たちのための学校。今は、不登校だった子や外国人の生徒も受け入れているようです。「原作者あとがき」の中では、不登校だった中学生が、卒業式の日に夜間中学について教えてもらうシーンにふれられていました。====================「ここで卒業証書を受け取らずに、夜間中学に行く道がある」(p102)====================僕は、知りませんでした。不登校だった中学生が、「卒業」をせずに夜間中学で学び直す道があるなんて。戦後を生きてこられた年配の方と一緒に学ぶ若者。日本の学校は基本的に同年齢で構成され、みんな同じであることを求められる傾向がありますが、60歳ぐらい違う思いっきり異年齢が学ぶ学校を知ることで、「学校」というものを考え直すきっかけにもなるのでは。読みやすくて、とてもおもしろく読めて、教育についての考え方が広がる。おすすめのマンガです!
2021.06.05
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勤務校の2年生が音読教材「ふきのとう」を学習しています。僕がこの教材を指導した際、次のようなことをしたことがあります。教材の最終ゴールは、音読劇をすること。そのためには、イメージを持たせることが大事。漫然と読んでいるようでは、だめです。たとえば、ふきのとうのセリフ。ふきのとうの上に、雪があります。まず、これが、イメージできているか。「よいしょ、よいしょ」このセリフは、雪をどけようとしています。僕なら、白い画用紙を用意します。これが、「雪」。白い画用紙を子どものアタマの上に、のせます。子どもは、両手で、この白い画用紙を、下から押し上げようとします。僕は、上から、おさえます。このときに、セリフを言わせます。「よいしょ、よいしょ」これだけで、ずいぶん変わります。
2021.04.16
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Facebookが3年前の投稿を思い出させてくれました。それは、3年前の、我が子が所属する「子ども会」における、「6年生を送る会」の出来事でした。そのときに、5年生以下に対して6年生が考えたクイズが、秀逸だったのです。3年経っても、やっぱり秀逸だと思えます。そんなわけで、今日のブログネタは、これでいきます。そのときの6年生が出した問題が、コチラ。「ひらがなとカタカナで全く同じに書くものを、『へ』のほかに、あと2つあげてください。」黒板には==================== へ = ヘ □ = □ □ = □====================と書いてあります。皆さん、これ、分かります?5年生以下の子どもたちは、「えー、ないでー!」「り?」「いや、微妙に違う」と思考が超活性化していました。しばらくしたあと、6年生から、絶妙なヒントが。「これに、なにか足します。」このヒントで、あなたも、分かりましたか?ちなみに、このブログを書くにあたり、「へ」はひらがなに変換し、「ヘ」はカタカナに変換しましたが、たしかに、寸分違わず、同じでした!(関連する・・・かもしれない過去記事)▼拗音・促音・くっつきの「を」「は」「へ」を間違える子どもの指導 (2017/02/20の日記)
2021.03.19
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今日は楽しみにしていた「キミヤーズ塾オンライン」の日でした。(▼過去記事参照「キミヤーズ塾ONLINEの申し込みが開始(2021.2.27土)」)しかし、多忙を極めた昨日の疲れからか、体調が絶不調。村上先生のお話が終わるところで、寝床に直行。研修時間の約半分しか参加できませんでした。ただ、半分の時間でも、十分学びはありました。村上先生のお話は、驚きと衝撃に満ちています。今回は難しい数学の話も出てきて、ぼーっとしたアタマはかなり置いていかれていましたが・・・。====================印象に残った村上先生のお話・スケジュール提示は1つずつ・「ややこしいわ!」と思わせておくことが、伏線になる。 →必要性につながる 具体例を引用しないと伝わらないかもしれませんが、数学の公式とかは、たしかに「面倒くさい」「邪魔くさい」というところから、「こうしたほうがラクでええわ」と納得して初めて受け入れられるものなのかもしれません。それを、「公式だから覚えなさい」というのは、学びの楽しさからは対極にある教え方なのでしょう。・「1しか言えない」ではなく、「1が言える」と捉えるべきです。 ↑今回、僕が一番感動した言葉です!!・目標だけだと、達成できないときにイライラする。 →予想をさせることで、緩和できる。 子どもたち自身に目標を立てさせることはよくしていますが、予想まではさせていませんでした。 「予想をしよう」という単元を特別支援学級をもったときに自作したことがありますが、そのときは子どもたちが大変ノってきて、いい感じだったことを思い出しました。 目標も予想も、どちらにも子どもたちが関わっていくのがいいなあ、と思いました。 普通は、先生だけが目標を設定したり、どれぐらいできそうかの予想をしたりしていると思います。当事者は子どもなのに、よく考えたらおかしな話です。・「数学はおもしろい」と思う子を育てている。 ↑今回、一番ビックリしたことです。 僕のアタマがついて行けない高等数学をスラスラ説明する村上先生の教え子たちが、村上先生のお話を証明していました。・問題が解けることと理解することとは、別のことだ。・子どもたち自身が「理解できた」と思えることが大事。 たとえば、子どもたちのなじみのある筆算で、循環小数を理解した気になる。・伏線 ↑今回のキーワードだった気がします。・役に立たないことを楽しんでやることが、教育の本質。 ↑「えっ!」と思ったのですが、たしかに、役に立つことだけを求めてカタチだけ問題が解けるようになっていることと、難しい数学の問題は実際の役に立たないけれど学ぶことの楽しさを実感してどんどん学ぼうとすることを対比させると、「楽しんでやる」ことの大切さが見えてきた気がします。====================次回こそは終了まで参加したいと思います。村上先生のオドロキの教育実践は、ぜひ以下の書籍で具体的にご覧ください。役に立つ以前に、とにかく面白い。ユニークな発想に、読み手の右脳も刺激されます。どちらも、DVDつき! 目からウロコ!10年先を行っている特別支援教育の実践です。『キミヤーズの教材・教具 知的好奇心を引き出す』(村上公也・赤木和重、クリエイツかもがわ、2011,3080円、DVD付き)『ユーモア的即興から生まれる表現の創発 発達障害・新喜劇・ノリツッコミ』(赤木和重・村上公也・砂川一茂・岡崎香奈・麻生武、クリエイツかもがわ、2019、2640円、DVD付き)
2021.02.27
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マンガ「ドラゴン桜2」10巻に、習慣化アプリ「みんチャレ」が紹介されていました。習慣化アプリなんていうのがあるんだ。びっくりです。なんと、ネット上でもその部分のマンガが読めます。下のリンクから、ぜひ読んでみてください。けっこう長く収録されています。無料で読めてオトクです。▼みんチャレ | ドラゴン桜2 × みんチャレ「みんながやるから 自分もやる この関係性ができているから みんなが勉強する だから成績が上がる」という説明に、「なるほど。そのとおり!」と思いました。そして、アプリの説明。「新しい習慣を身につけたい5人がチームを組み チャットで励まし合いながらチャレンジする 3日坊主防止アプリ」おお~~。これを考えた人、スゴイ!科学的根拠も示されています。「人は同じ属性や同じ目的の人とともに行動したほうが 高い効果を得やすい」「仲間とのコミュニケーションが習慣化を促す」「目標設定が同じ者同士の共感と励ましが 信頼関係を生み 成果につながる」すべてに「なるほど」と思いました。これは効果があると思います。さっそくアプリをダウンロードして始めることにしました。▼「みんチャレ」公式サイト僕の場合、目的はひとまず「ブログを書くこと」の習慣化にしました。同じ目的を持つ人たちとチームを組むのですが、すでにあるチームに入らせていただきました。そのチームの目的はブログまたは創作活動となっていたので、目的を意識して、できれば毎日達成していきたいと思います。マンガ「ドラゴン桜2」10巻の巻末には、「みんチャレ」開発者のインタビューも収録されています。その開発者インタビューによると、「行動変容にいいと思われる機能はどんどん取り入れて、実際に効果があると見られたものは残し、効果なしと見なされたものは落とす」ということを繰り返してきたそうです。興味深いのは、「ランキング機能」が効果なしと見なされて削除されたこと。「競い合う環境というのは、習慣化にあたってはあまり効果がないとわかった」んですって。子どもたちに学習習慣をつけさせるときにも同じなんだろうな、と思いました。(太字部分の引用は、『ドラゴン桜2(10巻)』p182より)『ドラゴン桜2』(10) (モーニング KC) [ 三田 紀房 ]『ドラゴン桜2』(10)【電子書籍】[ 三田紀房 ]ネット上でも開発者インタビューが見つかりました。こちらは日本財団のサイト。▼目標達成の秘訣は「ゆるいつながり」?習慣化アプリ「みんチャレ」がいま求められる理由 (日本財団ジャーナル、2020/5/1)コロナ禍をふまえて「宅トレ」が今人気なんだそうです。(関連する過去記事)▼スマホを授業で活用する ~『ドラゴン桜2』と「Cラーニング」 (2020/5/9の日記)
2021.01.24
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金田一春彦さんの『日本語』という本がある。岩波新書で、上下2冊だ。朗読の勉強をしていたときに、買って読んだ。誠に面白い本である。今日はひとつ、この本の中で特に面白いと思ったところをかいつまんで、紹介したい。この本の影響を受けて、なにやら文体がいつもとちがうやうであるが、なに、たいしたちがいはあるまい。僕の仕事上、教育に関わる部分が多くなることは、ご容赦いただきたい。『日本語(上)新版』 (岩波新書) [ 金田一春彦 ]『日本語(下)新版』 (岩波新書) [ 金田一春彦 ]本書に影響を受けて国語調(?)な文体になってしまいました。調子が狂うので、ヘンな文体はここまでにします・・・。============================= 『日本語』 ・小学校で「底辺×高さ÷2」でなければいけないと教わって以来、そうおぼえ込んで疑わないが、それはむこう(引用者注:西洋のこと)にタテ・ヨコという言い方がないことに影響されているのではなかろうか。立体的でないものに高さというのはおかしい。 (上巻 p245より) 「ほんとだ!」とびっくりしました。 たしかに、「高さ」という言葉は立体に使う言葉です。 長方形の面積は「タテ×ヨコ」というのに、三角形は「高さ」という言葉がいきなり入ってくるのに、今まで何の疑問も持っていませんでした。 言語学者というのは、こんなふうに言葉のひとつひとつにこだわりをもって敏感になっておられるのですね。日本には「タテ」「ヨコ」という言葉があるのに、西洋にはない、というのも、初めて知りました。外国の言葉と比べてみることで日本語の特色がより一層浮き彫りになるというのが、この本の面白いところです。 日本語を知るには、日本語だけを知っていては分からないこともあるのですね。 「言葉」というもの自体のもつ面白さに気づかされます。 ・日本語の順序は、さながら映画の手法だ (下巻 p252より) 僕は中学校で英語を初めて習って、語順というのが英語と日本語で違うことを知りました。ただ、そのときは、「そうなんだ」と思っただけで、それ以上深く考えませんでした。 この本で金田一春彦さんに例を出してもらって解説してもらうと、日本語の語順のもつ意味が初めて分かりました。例は佐佐木信綱の「ゆく秋の大和の国の薬師寺の塔の上なる一ひらの雲」でした。 たしかに、映画で、カメラが遠くから次第にクローズアップして、「一ひらの雲」に迫っていくような様子を、語順から感じ取ることができます。 日本語、すごい! (「立別れ 往なば 待つとし聞かば・・・・・・」 因幡の山の峰に生ふる松」 について) = 二度転調してもとの旋律に戻ったもの (下巻 p264より) 音楽の「転調」に喩えられたのが、非常に鮮やかで、とても分かりやすかったです! これもまた、「なるほど!」と思いました。 金田一先生は国語だけでなく音楽にもお詳しいのですね・・・。 ・ワープロが盛んになると、若い人がどんどん漢字を書くのを忘れるだろうと心配する声がある。(略)しかし、筆者は思う。漢字は、手で書くときは、それほど正確に書かなくていい字なのではないか――。 (下巻 p286より) 天下の金田一先生が「漢字はそれほど正確に書かなくていい」とおっしゃっているのには、びっくりしました。島崎藤村の自筆の字を見ても、漢字が1画足りないことが多いらしいです。なんと! こういうことを言っていただけると、漢字の苦手な子は、肩の荷が下りる思いがするのではないでしょうか。 漢字が1画足りなくて減点されている子の、なんと多いことか・・・。 そういえば文化庁も、漢字は1画足りないとか点が足りないとかしていても、その漢字だと分かればいいんだ、というようなことを言っていましたね。 (参考リンク)▼漢字の採点基準 | 国語の学習指導案・授業案・教材 | EDUPEDIA(エデュペディア) 小学校 学習指導案・授業案・教材 (ハンドルネーム「ともはる先生」の書かれた記事です!) ============================= いやあ、「日本語」って、ほんとに面白いものですね。当たり前に思っていたことの価値というものをこうやって改めて提示してくれる学者さんというは、本当にありがたいです。日本語研究なんて堅苦しいめあてで読まなくても、読み物としても十分面白いので、オススメの本です!学校の先生なら、一応は読んでおいた方がいいかも!?
2021.01.12
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新美南吉の名作「ごんぎつね」。勤務先の地域では、新年度の4年生の教科書に継続で採用されています。(というか、どうやら日本全国どこの国語教科書でも採用されているようです。)勤務先で採用された教科書では下巻の最初の物語教材なので、9月になって下巻が配られ、そろそろ学習が始まったところです。ちなみに、僕は以前この話の朗読を録音してYouTubeで公開しました。お話が分からない方は、見てみてください。↓この話の冒頭、「ごんぎつね」がいたずらばかりする、という説明があります。そのいたずらの中に、「菜種がらの干してあるのへ火をつける」という描写があります。これについて、今日、子どもがなかなか鋭いことを言いました。「どうやって、したの?」これは非常にいい疑問だと思いました。そう言われてみれば、どうやって火をつけたんだろう。まさか、きつねがライターで火をつけるわけは、ありませんからね。実はここの表現、調べてみるとなかなか面白いことがいろいろ分かってきました。まず、この表現は、「ウソだ」というものが、見つかりました。作者が地の文で書いているものの中にウソが混じっているとは、驚きの主張です。▼火をつけるおかしさ (荒井 賢一先生のサイト「教育考現学」内)リンク先では、火をつけたというのはデマであるとし、「偏見と差別があるときは、相手のことを悪く言うために、その人がやってない悪さまで、その人のせいにされてしまう」と書かれています。なんと。これが本当だとすると、ごんは、差別されていた存在ということになります。この前提に立つと、物語の解釈が、ずいぶん変わってきそうです。ほかにもこの部分について詳しく取り上げたものが見つかりました。▼国語科教材「ごんぎつね」についての素材研究 ─子供の疑問に応えるための作者・作品内容の比較・検討─ (森田 弘行先生の論文PDFファイル)こちらは論文です。実は教科書に採用された文章は新美南吉の原文ではなく読みやすく分かりやすいように改変されたものであることが最初に言及されています。これもまた、驚きの事実です。新美南吉が書いた「ごんぎつね」の原文を踏まえた論文となっているので、教材研究にかなり役立つ内容だと思います。で、肝心の火をつけるいたずらについての解説ですが・・・こんなふうに、書かれています。====================菜種がらは,種子が熟したアブラナから菜種をはたき落とした茎の部分であり,燃えやすいので,かまどに火をつける時にたきつけにした(守山2007)ほどであるから,例えば,当時頻繁に行われていた野焼きの火が燃え移ったとも考えられる.したがって,ごんは,あらぬ濡れ衣を着せられた可能がないとはいえない.(論文集22ページ(PDFファイルでは12ページ目)より)====================4年生の子どもたちは「菜種」とは何かを「意味調べ」で辞書で調べています。しかし、「だから火がつきやすい」と気がつく子が、どれだけいるでしょうか。ちなみに僕は今の今まで、気がついていませんでした。おっと、こいつは、うっかりさん。言われてみれば、「なるほど」です。ただ、いくら火がつきやすいとはいえ、やはりいたずらでわざと火をつけるのは、難しそうです。やはり、濡れ衣なのでしょうか。ちなみに、論文の続きを読むと、「きす」という魚も、一般的な「きす」という魚は海にいるものなので、ここで言う「きす」は違う魚だと書かれています。ううむ、浅はかな知識で漫然と読んでいるとまったく引っかかってこなかったことばかりです。今までの自分が、ことごとく「間違って読んでいた」ことが判明しました。やはり教材研究は必要です。今までの自分の浅い読み方を反省しました。子どもの疑問をこうやって調べてみることで、自分の読みが深まり、次に子どもと出会ったときに、「調べてみるとこんなことが分かった」と、子どもにぶつけることができます。
2020.09.04
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タイトルが長いです・・・。「引き算の筆算で、上の数から下の数が引けないとき、逆に引いてしまう子のやり方を認めてしまうウラワザ」読んでもらったとおりなのですが、ちょっとずつ解説していきいます。ただ、教育界で正式に認められたやり方ではないので、通常のやり方でどうしても身につかない場合の最終手段と思ってもらえたら、と思います。繰り下がりの引き算でつまずく子は、多いです。「まず、1の位から」というのは、これは、絶対おさえておかないといけません。例題を、出します。「3から5は、引けません」「となりから、借りてきます」これは、必ず確認しておきます。この時点で、10の位に斜線を引いて、1つ減らします。(13から引くときは斜線をしなくてもいいですが、どんな場合でも適応できるように、斜線を引くクセをつけることを、おすすめします。)ここまでは、機械的に、なんとか、できたとします。ところが、問題はそのあとです。通常のやり方なら、借りてきた10から5を引いて、その答えに「3」を足さないといけません。これが、理解できないのか、「5」から「3」を引く子がいます。すると、「2」になります。まちがいです。しかし、これがクセになっている子の場合、通常のやり方がどうしても身につかず、いつまでたっても繰り下がりの引き算がマスターできない、という場合があります。こだわりが強くて、一度覚えてしまったやり方が抜けにくい子などに、僕は、あきらめて(?)、次のように言います。「下の数から上の数を引いてもいいよ。」「ただし、そのあと、10のともだちを書こう」「10のともだち」というのは、1年生で習う10の補数のことです。1 と 92 と 83 と 74 と 65 と 5がともだちです。このやり方に従うと、「5から3を引いて、2。 そのともだちは、8」となります。せいかいです。このやり方が最終手段なのは、「なぜこれで合うのか」が説明しにくいからです。ただ、たしかに、このやり方で、正しい答えが出ます。学校教育でおそらくもっとも主流のやり方は「引いて、足す」という減加法です。借りてきた10から引く。残っている数を足す。これは、引き算なのに足し算が入ってきます。これが、許せない子がいます。(笑)いちおう、正式なやり方の中に、「減減法」というのも、あります。僕のやり方も減減法っぽいのですが、教科書会社が認める正式な減減法というのは、違うのです。「13-5」の場合なら、「5」を「2」と「3」に分けて、2回引き算をします。これが、正式な減減法です。詳しくは、算数教科書出版社「啓林館」の「減加法・減減法」のページをお読みください。リンク先を読まれましたか?公教育では、基本的にリンク先の「減加法・減減法」でしか指導がされません。その結果、それでもできない子は、「できないなら、もっと練習しなさい」となってしまいます。通常のやり方でできない子には、「どうしたらできるかな」を考えるのが特別支援の考え方です。どうしても繰り下がりの引き算の筆算で、下の数から上の数を引いてしまう子でも、もしかしたら僕のやり方なら定着する可能性があります。いちおう、知識として、知っておいてもいいのかな、と思います。ただ、このやり方、〇〇法という名前がついていません。そこで、とりあえず、命名します。「10のともだち法」。このやり方が、はやったら、名付け親は、僕です。(笑)※すでにこのやり方に名前があることをご存じの方は、お知らせください。。。
2020.07.24
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僕はずいぶん前に、「ゲーム」の教育的価値擁護論のようなものを書きました。ほかにも、同じようなことを書いている人がいました。荻上チキさんです。『みらいめがね それでは息がつまるので』(荻上チキ/ヨシタケシンスケ、暮しの手帖社、2019、税別1500円)この本は、別にゲームだけがテーマの本ではありません。いろいろな日常のことを、著者ならではの視点で書いた、エッセイ集。ヨシタケシンスケさんが、絶妙な絵で合いの手を入れています。「ゲーム」について書かれていたのは、本の終わり頃。僕も同じだったので、親近感を覚えました。====================・ゲームのキャラクターを主人公にした漫画を楽しみ、ゲームの攻略本や裏ワザ本を買い、新作ゲームの情報が載った雑誌を読み漁る。読書や調べ物といった体験も、全てゲームから始まった。・ゲームは僕をだめにしなかった。 ゲームの全てが、僕のためになった。 ゲームは教養となり、ゲームの話をすることで人間関係が広がった。 ゲームは身を助く。よく遊び、(結果としてそこから)よく学んだ。 無為と思われる時間も、無意味ではなかった。(p168より)====================子どもの頃にゲームをきっかけに興味を持ったことをどんどん学んでいった著者。中学2年になると、「技術部」の部長になります。すると、「学校の環境改善」に取り組み、ゲームの世界で学んだことをリアルの世界で生かすようになります。====================・ゲーム化すれば、退屈な生活もそこそこ楽しくなると学べた。 人生は全てが教材になる。(p174より)====================まさに、我が意を得たり、です。「ゲーム」を悪者にする風潮は少し下火になり、デジタル全盛期の中、「ゲーム」と「教育」の垣根は少しずつ崩れてきたのかもしれません。この2つを乖離するのではなく、強力に結びつけることができたら、最強だと思います。僕は未読ですが、ゲームの教育的効用を真正面から訴える本も、世の中にはあるようです。見つけたのは、翻訳本でした。外国のほうがこういう研究は進んでいるのかな。『テレビゲーム教育論 ママ!ジャマしないでよ勉強してるんだから』 [ マーク・プレンスキー ]
2020.07.04
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前回のブログ記事で宣伝した「九九チャンツ」の、こたえなしバージョンを追加公開。音声部分の、九九の答えのところが、なくなっています。ぜひ、動画を見ながら、九九の答えを言ってみてください。ほんのちょっとだけ、途中の九九に変化をつけてみました。どこがちょっと変わっているか、わかるかな?ちなみに、前回公開の九九チャンツ【こたえつき】は、現時点で123回再生され、3つの「いいね!」をいただきました。ありがとうございます。
2020.04.19
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前々回のブログで作成レポートを書いていた「九九チャンツ」の動画を、先ほどYouTubeに公開しました。娘の「ゆるる」が動画作成に全面協力してくれました。九九の段を言い終わった後、九九がズラズラ出てくる、とかは、娘のアイデアです!(「ゆるる」はネットデビューにあたって娘が考えた芸名です。)せっかく作ったので、お役立ていただければ幸いです。答えの声が省かれている「こたえなしバージョン」も、近日中に公開予定です。
2020.04.13
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1月6日。今日も朝からパソコンの修理・・・というか、もうあきらめました。朝からバックアップをとっています。3年保証の3年目なので、修理に出そうと思います。年休をとっているので、仕事始めは明日からです。バックアップをとるのと同時並行で、ブログ記事、書きます。さくら剛さんの本は、物理学や経済学などを初心者にわかりやすいたとえで伝えてくれるので、おすすめです。そのたとえが、かなり面白いです。「モーニング娘。」とか「ドラクエ」とか「はだしのゲン」とか、今の40代なら知っているネタが盛りだくさんで、非常に僕向けだと思いました。(笑)『経済学なんて教科書だけでわかるか!ボケ!!…でも本当は知りたいかも。』(さくら 剛、ダイヤモンド社、2019、1500円)非常にユニークな経済学の入門書です。ゲームやアイドルなどを例に出してわかりやすく解説。また、著者は海外旅行にたくさん行っているだけに、外国の例は大変興味深い。外国と日本を比べることで、日本のことがよりわかりやすくなります。僕はこれで初めて分かったことがたくさんありました。教師にとっては、子どもにわかりやすく話す実例としても勉強になるかも?さくら剛さんは経済学の専門家というわけではありません。むしろ、全く分からないところから、ゼロから勉強して分かったことを、この本にまとめてくださっています。さくら剛さんが「まえがき」に書かれていること、僕も同じことを思います。====================・少し前まで素人だったからこその強みもあるんです。 それは、「わからない人はなにがわからないのか」をよくわかっていること。(p4より)====================これは、学校教育にも同じようなことが言えます。分からない子に一番分かりやすく教えてあげられるのは、ちょっと前まで分からなかったけど、今さっき分かった子どもたち。だから、学び合いが、有効なんです。教師が教えれば分かるんだったら、苦労はありません。(^^;)その道の専門家になればなるほど、分からなかったときの気持ちを忘れていってしまいます。初心に戻るためにも、こういった本を読んで、専門外のことを学ぶ新鮮な気持ちを取り戻しておくといいんじゃないか、と思います。ちなみに、僕がこの本で「初めて分かったこと」の例を1つ。外国では、自動販売機が全く信頼が置けない!ということです。(笑)もちろん、どこの国のどの自動販売機でも、ということではないですが。著者は「日本銀行」について解説する際、日本のおカネの信頼性の高さを、こんなふうに解説しています。====================・外国では仮に自動販売機にお札の投入口があったとしても、そこに紙幣を入れるというのは 黒ひげ危機一髪の樽に剣をさすくらいのドキドキの行動です。(p82より)====================ね?わかりやすいでしょ?黒ひげ危機一髪で遊んだことのある人ならみんな、このドキドキ感が分かるはず!著者は、ほんとに、こういった「たとえ話を出してくるのが、うまいです。分からない人に分かるように話をするとき、専門家でもできる工夫が、この「たとえ話」。たとえ話のオンパレードを読んで、あなたもたとえ話の達人になろう!!
2020.01.06
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2学期の終業式は終わったものの、やり残したことが多くて全く終わった感がありませんでした。とはいえ本日の午前中はお休みをいただいて、少し時間的余裕が出てきました。 残り数日で今年の締めくくりができればと思っています。 ところで今回のタイトル、「北海道は中国5県と九州7県を足した面積より広い」って、皆さん知ってました? こういう表現、すごくわかりやすいですよね。北海道が広いのは知っていましたが、「まさかそこまでとは❗️」とびっくりしました。 学校で習う知識も、このようにわかりやすい表現を工夫したいものです。こんなふうに驚きがあると、とても印象的で記憶に残りやすいですね。
2019.12.26
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このブログではかなりレアな話題をひとつ。古文の読解。あの、「源氏物語」とか「枕草子」とかの、あれです。小学校の国語でもちょっとだけ出てきますが、本格的に学ぶのは中学校から。でも、これって、難しくないですか?1000年以上経っていると、同じ日本語とは思えないくらい言葉が変化していて、僕が学生時代には、外国語を覚えるのと同じくらい苦労した覚えがあります。そんな古文の読解に役立ちそうなネタを見つけました。出典は、なんと全都道府県をキャラクター化した人気マンガ『うちのトコでは』。『県民性マンガうちのトコでは』6【電子書籍】[ もぐら ]『うちのトコでは』第6巻p70には、「え~ず(打ち消し)」は「~できない」というのが載っています。そういえば・・・と、中学高校を卒業して○十年経ちますが、まだおぼろげに覚えています。たとえば、「え見つけず」は、「見つけることができない」になります。この古文の現代語訳について、大阪(キャラ)が、「よう~ない(打消)」と思うとわかるでと助言。なんと、「よう・・・ない(せん)」の「よう」は「得(え)」が由来なんだとか。たしかに、「え見つけず」は、「よう見つけへん」と訳した方が、「え」の場所にも訳が入って、分かりやすい!こういうこと、ほかの古語でも、ありそうです。古文の現代語訳で苦しんでいる方は、現代語にする前に、方言に直した方が、むしろ分かりやすいかも!地理の勉強をするつもりが、古文の勉強をしてしまった、と感じたある日の感想でした!
2019.09.05
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今日は初心に返って、思いっきり教育系の本をご紹介。学ぶという活動の中で、一番大事なことはなんでしょうか。陰山英男先生の以下の本は、長くて意味深なタイトルが、とても印象的です。『だから、子ども時代に一番学習しなければいけないのは、幸福です ママたちとの対話から生まれた子育ての知恵ツイート41』(陰山英男、小学館、2016、1200円)以下は、上のリンク先商品情報からの抜粋です。=============================【内容情報】(出版社より ※抜粋)本書では、子どもたちが家庭で幸せを学習するために、ママたちにしてほしい41の子育ての知恵を掲載。たとえば陰山先生のこんな言葉にドキッとしたあなた、今すぐ本書をお読みください!「とにかく一番まずいのは、お母さんから笑顔が消えること」「心配してやればやるほど自信のない人間に育つ」「お金がないことを子どもに謝らない。子どもが卑下するようになるから」「長時間学習はダラダラすることを覚えるだけ」「未来に子どもに幸せになってほしいなら、親子で今を幸せに生きることだ」 【目次】(「BOOK」データベースより) 第1章 幸福は、学ぶもの/第2章 笑うママには福来る/第3章 お金をかけずとも子は育つ/第4章 間違った努力は、つまずきのもと/第5章 親のちょっとしたサポートで学力は伸びる/第6章 うまくいかないときの子育ての知恵=============================出版社の商品情報、書き方が、うまいですね。これは、読みたくなってきますね。(笑)元になっているのは陰山先生のツイッターです。この記事の最後に、リンクを貼りますね。タイトルになった陰山先生のツイートが一番気になりますが、それは、置いといて!(笑)あえて、別のテーマでひとつ。「集中」ということに限定して、引用します。=============================『だから、子ども時代に一番学習しなければいけないのは、幸福です』 ・子どもには「これさえできればいい」と言う。 この「さえ」が効く。 (p132)・短時間で課題がこなせたというのは集中できたということ。 それ以上、何かをやらせるというのは集中力を奪うこと (p116)・覚えるべきことを絞って集中して学習するほうが効率がいい (p158)「集中力」というのは、学習の全てに影響します。 もうひとつ、「意欲」も全てに影響しますが・・・。 子どもたちに学習を促す上で、 「集中させる」「やる気にさせる」は2大テーマです。 で、この「集中」を作る際、一番大事なのは、 欲張らないこと。 10分かかると思っていたことを、5分で終えられたら・・・ 「じゃあ、もう1枚プリントやっとこうか」 なあんて言ってはいけません。 自戒の意味を込めて・・・。=============================さあ、ここでタイトル名と、集中に関するツイートを、つなげてみましょう。「幸福です。 それさえできればいい」いやあ、至高の名言ができあがりました。子どもと向き合う際に、ぜひ、心にとめておきたい、と思いました。ちなみに、陰山英男先生のツイッターは、こちら。最近は、働き方改革に関するツイートが多いかな?▼https://twitter.com/Kageyama_hideo
2019.08.20
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かなり以前にNHKの教育テレビで、実際の授業の録画を放送していたことがありました。それらの録画は、パソコン上で音声ファイルにしてあります。昨日、超久しぶりに、通勤のクルマの中でそれらを聴いてみました。そして、「授業がうまい先生というのは、ある共通の特徴を持っている」ということに気付きました。どの先生も、みんな、子どもと同じ目線で、子どもたちと話をされているのです。「授業がうまい」というのは、教える中身、コンテンツのことでは、決してありません。先生が子どもに対する時の、空気というか、考え方というか、態度というか、それらがすべて、子どもと同じところに立っているのです。録音だけを聴くと、声の調子が、子どもたちと楽しくお話をしている雰囲気に満ちあふれています。上の者が下の者に教える、という類いの印象は、全くありません。子どもたちに向けて話される言葉の中には、「い~い?」などの、子どもたちに確認をする言葉が大変多いです。先生だけが勝手にしゃべって、子どもたちを置き去りにすることは、ありません。子どもたちの意見を聞いたり、今の話題についてきているか確認したり、常に「子どもたちと共に」ということを意識されていることが分かります。10年ぶりくらいに、「名人の授業」の音声を聞いて、そんな発見をしました。自分もこうありたい、という思いを持ちました。教材研究も子ども目線でするから、子どもたちが食いついてくる面白い授業になります。教師が教師役ではなく、子ども役をするから、先生と関わることが子ども同士で学ぶことと同じになっています。教師と子どもの学びが、子ども同士の学び合いに、もろにつながっています。連続した一直線上の学びになっています。授業の名人であろうとするなら、教師は子どもにならねばなりません。
2019.05.11
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『あなたの人生がつまらないと思うんなら、それはあなた自身がつまらなくしているんだぜ。 1秒でこの世界が変わる70の答え』(ひすいこたろう、ディスカバー21、2015、1400円)【電子書籍版】分厚い本ですが、かなり読みやすいです。この本には、おったまげ!なエピソード、名言・至言がいっぱい。その中でも、とっておきのエピソードを1つ紹介します。193ページの、徳川家康のエピソード。家康は三方ヶ原の戦いで、武田信玄率いる騎馬隊に完膚なきまでにやられ、恐怖のあまりウンコをもらして逃げ出した、と史実に残っているそうです。究極の恥をかいた、と言えます。ところが、家康、なんとそれを隠すことなく、絵師に頼んで、ウンコをもらし、逃げ出した自分の姿を絵に描かせて飾ったのだとか。すごい。家康は、自分を客観視できていたんだと思います。自分のエゴにとらわれることなく、自分で自分を利用したんだな、と思いました。なかなかできることではありません。一番見せたくない自分、一番情けない自分、一番かっこ悪い自分から目を背けずに、それを認める。それができる家康だからこそ、最後の最後に、天下を取れたのかもしれません。
2019.02.04
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