イップ・マンというタイトルを初めて見たとき、主人公の人となりを表す言葉?と思ったのですが、主人公の名前、葉問(イップ・マン)でした。
この人はブルース・リーの師匠だそうです。
この映画、実はPart2(原題は『葉問2』)で、Part1は日本未公開。
映画の冒頭にPart1のあらすじが入ります。
(Part1の敵は日本軍らしい)
1950年。イップ・マンは家族を連れて佛山から英国統治下の香港に移住してきた。
イップは新聞の編集長、リャンの好意で場所を借りて詠春拳の武館を開く。
やがてウォンをはじめとする若者たちが入門し順調に見えたものの、香港のさまざまな門派の武館を束ねる洪拳の師範・ホンから香港で武館を開くための掟を告げらる。
イップはその試練でさまざまな武館の師範を倒しその試練に合格するが、ホンから多額の会費を求められたイップはそれを拒否する。
やがて詠春拳の武館で洪拳の門下生が乱闘騒ぎを起こし、イップは武館閉鎖に追い込まれる。
ホンの武館を訪ねたイップは、ホンが家族や部下たちを大切にする人物であることを知る。実は、集めた金は英国人の警察署長への賄賂に使い、香港の武術界を安泰に導いているのであった。
やがて公園で門下生たちを指導するイップをホンが訪ね、ボクシング大会のチケットを渡す。
イップとホンは互いに認め合う関係になっていた。
しかし、そのボクシング大会で事件は起こった。
中国人を蔑視するチャンピオンが武術家たちを侮辱し、ホンとチャンピオン・ツイスターが対戦することになるが、年老いたホンは壮絶な最期をとげる。
さらに武術家たちを侮辱するツイスターに対して、イップが対戦を申し出る。
ストーリーはイップが香港で武館を開き、ホンとの信頼関係になるまでと、イップとツイスターの対戦が描かれます。
あまりひねったところはなく、素直なストーリーです。
ところどころに前作につながるところがありますが、あまり気にしないほうがいいでしょう。
ストーリーの本筋ではないし。
魚市場の乱闘、イップとさまざまな門派の師範とのテーブル上の戦い、イップとツイスターとの対戦まで、アクションは盛りだくさんで、とても楽しめます。
格闘好きならおすすめです。
高潔な心の持ち主、イップ。
一見、あまり強そうに見えませんが、強いです。
イップを演じたドニー・イェンの雰囲気が結構いいです。
香港の武術界を束ねる洪拳の師範、ホン。演じるのはサモ・ハン・キンポー。
登場は守銭奴の嫌な人物という感じですが、本当に嫌な連中は西洋人たち。
誇りを守るためにボクシングのチャンピオン、ツイスターと対戦しますが・・・
中国人を蔑視する西洋人との対戦、という点では2006年のジェット・リー主演の『SPIRIT』と同じですが、『SPIRIT』の西洋人・日本人格闘家が主人公と対戦するとその高潔と強さに敬意を示すのに対して、この映画の西洋人ボクサー、ツイスターは全くそういうことはありません。
ストーリー上はこの憎々しさが結構いい。
ツイスターが負けそうになってルールを変更する審判団もまた姑息。これは負けフラグ・・・
戦いの後、イップが「人種に貴賎はない」と話をしているときも退席する西洋人観客が。
そしてラストに少年時代のブルース・リーが登場。
素直なストーリーと豊富なアクションで楽しめる映画でした。
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