Lake Moraine ~Book Cafe~

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2008.03.19
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時は幕末、処は江戸。貧乏御家人の別所彦四郎は、文武に秀でながら出世の道をしくじり、夜鳴き蕎麦一杯の小遣いもままならない。ある夜、酔いにまかせて小さな祠に神頼みをしてみると、霊験あらたかにも神様があらわれた。だが、この神様は、神は神でも、なんと貧乏神だった!とことん運に見放されながらも懸命に生きる男の姿は、抱腹絶倒にして、やがては感涙必至。傑作時代長篇。


家でゆっくり横になっているば復調するだろうと間違ったことを
考えていて入院の前日に痛みでうなりながら(おばか)
読み切ってしまってた憑神の感想です。

正直結構忘れています。
映画版とはテーマがまるっきり違う気がしました。
というか映画の方は”憑神”とのコミカルな交流を主眼において
エンデイングでいきなり”武士”のありかたというのを
クローズアップし「なにそれ?」状態だったような気が


常に”武士”としての潔さ、あり方に心を砕いている人かと 

貧乏神の宿かえで貧乏にしてしまった舅や 
これも同じく疫病神の宿かえで
病気になってしまった兄に対しても 
「すまない」という気持ちは持ちながら ”武士”の生き様には
堪え難いという考えは根底からゆるぎません。

だからこそ死神の宿かえには断固として
 拒否する姿勢がいきてきます。
憑神達との交流でも死神との絆がいちばん深く描かれます。

文武に秀でながら 時と廻りにめぐまれない
まさしく時を違えて 生まれてきてしまった彦四郎の 

200年以上の太平の世の中にあっても 
色あせることをしらない
”武士の誇り” こそが 
表題の 彦四郎に取り憑いている
 ”憑神”ではないかと思いました。

映画化 があったからこそ手を伸ばすことができたものだと痛感しました。

良い作品だとは思いますが 地味 という感じも、、、





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最終更新日  2008.03.19 23:38:08
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Re:憑神 by 浅田 次郎(03/19)  
yukigiin  さん
武士の潔さ・・・か!

そんな人になりたいものだ!

浅田次郎には、いつも泣かされるけど・・・ちょっと異色なのかな・・・!

やっぱりこれも映画は原作を越えれませんか? (2008.03.19 23:51:30)

Re[1]:憑神 by 浅田 次郎(03/19)  
Lake Moraine  さん
yukigiinさん
>浅田次郎には、いつも泣かされるけど・・・ちょっと異色なのかな・・・!
 私は きんぴか や プリズンホテルしか読んでいないので
逆にこれが本来の浅田作品なのかなとも思っています。

>やっぱりこれも映画は原作を越えれませんか?
 う~ん 別物というか 原作好きな人は きっと映画はゆるすぎて受け入れがたいのではないかと
私に関しては 映画みてなかったら絶対 原作手にしなかったのは
明らかなんで それに関しては映画化 ありがとう状態でした。

(2008.03.20 00:07:35)

印象が残りづらい作品ですね  
FC司馬  さん
登場人物も地味ですしね。
舞台が狭いですし・・・

前半の講釈風のテイストから後半の浅田節への転換はさすがだと思いましたが、のめりこむまでには至らなかった作品です。

>”武士の誇り” こそが 
>表題の 彦四郎に取り憑いている
> ”憑神”ではないかと思いました
なるほど、確かに!
(2008.03.20 23:20:23)

Re:印象が残りづらい作品ですね(03/19)  
Lake Moraine  さん
FC司馬さんへ

司馬さんもそうでしたか? おっしゃるように地味でしたね。
最後の方で彦四郎が生き生きしてくるのはテンポが良かったですね。 小文吾の存在が印象的でした。
-----
(2008.03.20 23:54:57)

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