Lake Moraine ~Book Cafe~

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2010.02.23
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平成9年 江戸川乱歩賞受賞作です。

余談ですが
この時 僅差を争ったのが
 亡国のイージス等 近年映画化でも話題をさらった
 福井晴敏氏の処女作 「川の深さは」
 こちらの落選をおしんだ大沢在昌氏が 
「是非リベンジを」とエールを送り
翌年『Twelve Y. O.』で同賞を受賞したことは
福井ファンには有名なこと


他の作品のこと書いてどうするっ! 
ですが、、、

 本作 出だしから読後にいたるまで
終始 気分が悪くなりました!
 ヒロインに欠片も好意をもてない。

 主人公遠藤瑤子はやり手の映像編集者
人気ニュースTV番組を担当し
 裏付けのない虚偽報道スレスレの編集映像を
繰り出しながら その出来上がる
卓越した映像画像が 視聴率をささえているという日々

 そんな瑤子の元に 一本のビデオテープが

衛星放送の事業展開をもくろむ癒着にからんでいた
弁護士の事故死が 実は計画的殺人だったのでは
という内容が
 そして いつものように 確証も調査もないまま
そのテープの編集を行い ビデオに映っていた

映像を 放送
 はたして 罠にはまったのは その閣僚か
 それとも 瑤子自身なのか、、、と

作者は ドラマ坂の上の雲の脚本も手がけていた
故 野沢尚氏  テレビドラマの脚本家でも
あり TV業界の裏、特にニュース報道における
綱渡りの描写は ぐいぐいと引込まれて行きます。

タイトル 「破線のマリス」の
破線は テレビ画面のこと
そして マリス → malice 悪意 恨み
 ここでは 報道の送り手側の意図的な作為 悪意を
さしています。


 しかし ありきたりの映像では視聴率をかせげず
センセーショナルな映像を造り出すためには
マリスを利用せざるおえないのも ある意味事実!

 報道の影響のすさまじさと 同時に
制作者は いかにマリスを排除していくか
そして 視聴者は マリスに踊らされることなく
 報道されることに対して 自分の目でみることを
心がけること

 報道の内容だけでなく 
NHKがhi放送を止めると
発表したり BS放送への移行や
財力によるマスメディア独占等の話題が
にぎわっていた90年代後半

センセーショナルな作品だったことは
 十分うなづけました。










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最終更新日  2010.02.23 12:19:07
コメント(2) | コメントを書く
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Re:破線のマリス by 野沢 尚(02/23)  
くまさん555  さん
勝手な思い込みで変換してしまう自分の脳がコワイです(T T)

「破線のマリス」なのに…「G線上のアリア」みたいな気分で読んでましたf^^

でも…
タイトル「破線のマリス」の破線は テレビ画面のこと
そして マリス → malice 悪意 恨み
 ここでは 報道の送り手側の意図的な作為 悪意を
さしています。

この解説で…納得!
ありがとうございます!
間違いに気づけてよかったです

おもしろそうな本ですが、ヒロインに魅力がなかったのでしょうか?
善悪ギリギリのところで綱渡りをするヒロインには力技の魅力が必要ですよねf^^


(2010.02.24 15:57:30)

くまさん555さん♪へ  
Lake Moraine  さん
こんばんわ~

いたんですよ! 
 まだ 感想書いてないのですが伊坂幸太郎の「週末のフール」の
フールの意味を聖書の一節から取ったんだとおもいこんでいたり、、、(これはエイプリルフールのもじりでした)

題材は面白いんですが、、 主人公のやらかすことが、、、、
そりゃあ 自業自得だろ! という印象しかなかったのが
残念でした!  (2010.02.25 00:05:10)

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