** 長島便り **

2007/08/30
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カテゴリ: カテゴリ未分類
ヴァージニア州で大学生をしていた頃の話ですが

ワイナリーを経営されている
高馬さんという日本人のご夫婦がいらっしゃいました。

お嬢さんがアメリカに嫁いだのを期に、
引退されたご夫婦も渡米、永住を決めたのでした。
遠い異国の地の、山しかない片田舎で留学生をしている私達を
高馬さんご夫婦は、よくワイナリーのある自宅へ招いて
心のこもった和食でもてなして下さいました。


日本食レストランなど一軒も無いアメリカの片田舎で
大学生をしていたワタシ達にとって
高馬さんのお宅は「ふるさと」そのものでした。
親元を離れているワタシ達の話に、優しく耳を傾けてくれる
高馬さんご夫婦の暖かさに、ワタシ達はどれほど支えられていた事でしょう。

卒業式には毎年参列して下さり、
日本から親が来られない生徒もいるのですが
彼女たちは皆、高馬さんご夫婦を両脇に記念写真を撮ったものです。
両親が参列したこのワタシだって、高馬さんご夫婦との写真があります。

6歳年下のワタシの妹も、同じ大学へ留学しました。
ワタシは在学中、高馬さんのお宅へは一度しか伺ったことがなかったのですが

高馬さんご夫婦には、それはそれはお世話になり
卒業後も日本から、頻繁に手紙のやり取りや電話までをもしておりました。

それが昨年、いつもはご主人が手紙も電話も担当なのに
最近は奥様が手紙を書いて、電話の対応もしてくれる、
ご主人の身体の具合が良くないらしい、会いに行きたい。


ワタシ自身も心配で近況報告がてら手紙を出すと
「双子の誕生を祝いにNYまで行きたいところですが
夫婦共々80歳を迎えそれも叶いません」
という内容のお返事がありました。
日本に帰国した卒業生達に声を掛けると、中には
「仕事の休暇をとってヴァージニアまで会いに行く」
とまで言い出す子も数人いたのですが、
高馬さんに連絡をとると「もう皆さんに会える状態ではないのでごめんなさい」
というお返事だったそうです。

そして、先日8/26(日)に高馬さんのご主人が
お亡くなりになられました。
こちら は高馬さんの訃報です。

本来なら、大きなお葬式を出すべきような方なのですが
ひっそりと近親者だけで見送られたそうです。
奥様は、ブドウ園に囲まれたあのお宅で
今頃どうされているのかと思うと、なんとも胸が痛いです。

お父さんのようだった高馬さん、お疲れ様でした。
これからも奥様を見守ってあげてください。
ご冥福をお祈りいたします。





実は、高馬さんの訃報の丁度2週間前には
ニュージャージーにあるレストラン松島のオーナー
松島さんが亡くなられました。

夫が15年以上お世話になっている方の知り合いで
在日韓国人の松島さんはワタシの夫を可愛がってくれていました。
20年前から、大腸がん→胃がん→肺がん→肝臓がんを患い
ご自身が闘病されていたのですが、ワタシの母の病気の話を聞き
とある気孔の先生を紹介して下さったのでした。

母が長島に滞在中、松島さんの計らいで、母はその先生に会いました。
日本在住の先生なのですが、日本では多忙過ぎて
新しい患者さんを診ることは出来ないため
休暇で渡米している間に、松島さんや母に治療をしてくれたのです。

藁にもすがる思いの母は、松島さんが20年頑張ってこられたなら
自分ももしかしたらこの先生に診てもらえば延命できるかもと
期待で一杯の様子でした。

帰国後も松島さんとはファックスで連絡を取り合い
互いの病状を報告し合うと言っておりました。
そこへ突然の 訃報

母は今、一時退院しており自宅にいるのですが
この訃報を知らせたら、弱った身体にとどめを刺してしまいそうで
とてもとても、母に伝えることは出来ません。
「連絡がつかない~」なんて言い出したらどうしようかと
ワタシは気が気ではありません。。。

亡くなる丁度2ヶ月前にお会いした時は
うちの重たい息子を抱っこ出来るほどだったのに。
まさか、あの抱っこが身体に障ったのでは。。。

松島さん、お疲れ様でした。
今、松島さんは母の心の支えです、夫ともども
どうぞ見守ってやって下さい。
ご冥福をお祈り致します。


ああ~、はかないものですねぇ。
しかし、こんな知らせが続くと、気も滅入るものですが
ハイパーな双子のおかげで、変わりなく日常を過ごしております。







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最終更新日  2007/08/30 01:36:58 PM


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