琢磨不運やなぁ、折角レースに復帰したのにまたリタイアや。

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2005年06月13日

Ｆ－１第８戦のカナダＧＰから一旦ヨーロッパを離れて北米ラウンドに入り、モンオリオールのジル・ヴィルヌーヴ・サーキットでのレースは公式予選の結果、佐藤琢磨（ＢＡＲホンダ）のチームメイトのジェンソン・バトンが頑張ってＢＡＲホンダとしては初のポールポジションの座に着いて、琢磨は６位からのスタートで入賞を狙える位地である。その間には２位に昨年の王者Ｍ・シューマッハ（フェラーリ）が居て、２列目にはアロンソとフィジケラのルノー勢が、琢磨を挟んで前後にモントーヤとライコネンのマクラーレン勢の後に地元カナダのジャック・ヴィルヌーヴ（ザウバー）、ようやく５列目にトゥルーリとＲ・シューマッハのトヨタ勢が並び、予選でノータイムだったバリチェロはピットスタートとなった。

レースはスタートから波乱が起きた。ポールシッターのバトンをルノー勢が挟み撃ちの様に抑えながらのロケットスタートを見せ、出遅れたＭ・シューマッハを抜いたモントーヤとライコネンのマクラーレン勢がルノー勢を追う展開に。「あ～ぁ、折角ポールポジションやったのにバトン油断しとったな。」更にＢＡＲホンダ勢はツキが無く２３周目で琢磨がギアＢＯＸのトラブルでリタイア。「何やもう早々にリタイアかいな、期待しとったのになぁ。」

それから暫くはルノーの２台をマクラーレンの２台が追う展開だったが、トップを走るフィジケラのペースがなかなか上がらずに後に着いているチームメイトのアロンソも抜かせて欲しいけどチームオーダーは禁止となっていて前には行けない状況が続いた。このままルノー勢がマクラーレン勢を押さえ込むかと思ったが、３０周を越えてからルノー勢に異変が発生。まずトップを走っていたフィジケラが３２周目でマシントラブル発生でスローダウンしてそのままリタイア。更にアロンソが３９周目でコーナーでふら付き後輪が壁に接触してリタイア、今度はマクラーレン勢がトップを独占状態になった。

しかし波乱はまだまだ続き、４６周目になってからリタイアしていた琢磨がギアＢＯＸの修理を終えてレースを続行すべくコースに復帰したのも束の間でＭ・シューマッハとの順位争いをしていたバトンが最終シケインで縁石に乗り上げた後で壁に激突してリタイア。「何ちゅうこっちゃ、琢磨がコースに戻ったいうのに今度はバトンがリタイアかいな。」

このバトンのマシン撤去の為にイエローフラッグが振られてセーフティーカーが入って追い越し禁止の状態になり、この間を利用して各マシンが緊急ピットインで燃料を補給する中で、モントーヤはピットインのタイミングを逸してチームメイトのライコネンが先に燃料補給した為、自身の燃料補給が終わってコースに復帰する際に、まだセーフティーカー先導の追い越し禁止にも拘らず、クルサード（レッドブル）を抜いてしまい結局黒旗が振られて失格となり、ガレージに戻ってマシンを降りる時に手袋らしき物を投げつけて怒りと悔しさを露にしていた。「モントーヤもツイて無いなぁ、イエローにならんかったらこういう事にはなって無いのに。」

レース終盤には表彰台圏内に居たトゥルーリ（トヨタ）が残り８週でブレーキの故障でリタイア、そして再びレースに戻っていた琢磨のマシンが残り５周というところでスピンしてエンジンから煙が出てコースのスタッフが急いで消火器で鎮火して事なきを得た。「日本車はサッパリアカンなぁ、残ったのはラルフ（トヨタ）だけかいな。」

終盤迄上位陣にトラブルが続き波乱だらけのレースとなったカナダＧＰは、結局最近好調のライコネンが優勝し、２位・３位には今季では初となる、Ｍ・シューマッハとピットからのスタートながら順位を上げて来たバリチェロのフェラーリ勢が揃っての表彰台となった。

「最初から終盤迄これだけ上位を走とったマシンが続々トラブルでリタイアいうのも珍しいで、琢磨も折角レースに戻ったのに後５周でリタイアは不運やったし、バトンもポールからのスタートやったのにルノーにやられて勿体無かったなぁ。」

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