思春期の君たちへ 

 思春期の君たちへ 

かまう圧迫



『かまう圧迫』


心配し過ぎるのは相手を思うようにする心である。

子どもは心配し過ぎるお母さんの無意識に苦しめられ、

その感情は自覚する間もなく無意識の中に押し込められ抑圧となる。

子どもには転ぶ権利があり、転ばぬ先の杖を考えるのは過保護であって適切ではない。

子どもの発育に応じた適切な扱いをすること。

こっちの思うままにかまうのは過保護であり、

求めてくるものを満たすのは甘やかしではなく、

それを待ってあげるのが適切なやり方。

かまわれることは圧迫である。

大きい愛情さえあれば、放られているほうが能力が発揮できて、本人も満足する。

この放るというのは、決して突き放すとかではなく、

猿のお母さんのように、そっと見ながら離れているということ。

大きい愛情とは、その子のあるがままの姿を愛すること。

精神分析では、母の愛の原則は無条件的であることを言う。

子どもの自然な在り方を暖かい目で見て、尊重すること。

いくら愛おしくても、子どもの成長に合わせて少しずつ離れるのも、

子どもへの心尽くしであり、愛の贈り物である。

身構えず、成り行きにまかせて、柔軟な対応をする、

子どもは一人ひとり違い、その違いを苦にすると成長の邪魔になるので

もっとのんきに気楽に違いを受け入れていくこと


(木田恵子「贈るこころ」より)



世間の教育への思い入れの過熱ぶりに巻き込まれてしまったのか、

子どもの行く先々についてまわり、熱心に手を貸し、親身になって口を出し、

そういう親こそが、良い親だと思い込んでいました。

そうしなければ、子どもに無関心な悪い親だと思われるとすら・・・

親が先回りをすると、せっかくの頑張りの成果が、

介入した親のものとなり、子どもは達成感が得られない。

そして、子どもに伝わるのは、親の意向にかかわらず、親のもつ不信の心。

信じてもらえない子どもは、信頼に足る行動も自立もできない。

このことを、肝に銘じ、生きていこうと誓いました。




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