ろしあとナナ

恐怖の実体験

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　　その冬は雪が多く、３月半ばになっても
　　札幌には、たくさん残っていました。
　　車道に積もった雪を、除雪車が歩道側に雪を寄せていくので
　　歩道と車道の間は、３ｍ位の高さまで積もっていました。

　　その日は寄り道をしてから帰宅したので、夜の9:00～30分頃でした。
　　私が住んでいたアパート近くに中学校があるので、
　　夜は人気がありません。細い道だったので、車もほとんど通りませんでした。
　　それほど遅い時間ではないので、いつものように
　　近道になるコースを通って帰りました。

　　先ほど説明した、中学校沿いの雪が高く積もった歩道です。
　　家まで、あと少しというところで
　　後ろに誰かいる｡｡｡｡かもしれないという気がしました。
　　でも、その時点で恐くて後ろが振り向けませんでした。
　　その歩道を抜けて、車道に出るまで
　　その距離を保ち続けるように歩いていき、
　　アパートの共同玄関が見えた！と、一気に走った････

　　共同玄関の前で　私の後ろに立っていました。
　　「キャーーーーー！」と言ったつもりが、声がかすれて聞こえなかったと思う。

　　それと同時に、後ろから右手を私の口にあてて、
　　「騒いだら殺すぞ！」と　脅かされました。

　　恐怖はピークです。

　　向かいにもアパートがあって、人影があったように見えたので
　　「誰か、助けて！」と叫びたかったけど

　　「恋人同士のふりをしろ！」と　脅かされたので、何も言えなかった。

　　頭の中で、「なんでこんな時、誰も通らないのかしら？
　　誰か、助けに来てよ！」って思っていたけど、シーンとしていた。

　　次は、「金を出せ！」と言った。
　　私はバッグから財布を出して、お札を抜き取り渡すと
　　相手は、あっという間に走って逃げました。

　　その間、相手の顔を見ることが出来たかもしれないけど
　　顔を上げて直視することが、できませんでした。
　　首をしめられて、殺されるかもしれないと思ったからでした。

　　いなくなったあと、本当に　へなへなと　自分の部屋に戻り
　　悲しくて　涙が出ました。
　　30分位たってから、彼氏に連絡を取り、家まで来てもらいました。
　　事情を話し、110番に電話をかけました。