日台国際結婚  in横浜  withワンちゃん

日台国際結婚 in横浜 withワンちゃん

国際結婚の光と影 第14号



○適応障害
 あなたの外国人パートナーが次のような状態になっていたら、かなり要注意です。
・はじめは何事にも興味をもって行動していたが、最近、何に対しても興味を持てず引き籠もり気味。
・寝る前になると、頭が働き出して、いろいろ考えてしまい、不眠がち。次第に夜と昼が逆転。
・外に出ると、心臓がどきどきする。
 上記のような症状がでていると適応障害です。まさしく日本での生活になじめず、精神的なストレスがかさんでいるのです。抑うつ状態となり、不眠を訴えたり、不快な毎日を過ごす場合もあるのです。外国人にとって、日本で住むことは、言葉上、また生活習慣上、社会生活上のルール(礼儀、マナー等)の違いで、かなりなズレを感じているのです。実際、らおぽーの友人にも、来日当初は、ストレスで耳が聞こえなった人もいます。不眠症にかかったり、まったく家から出られなくなったり、悲惨な状況も多々あるのです。

 愛があるから乗り越えられるといっても、実際、すべての困難に直面するのは、外国に来て生活している方なのです。もちろん、パートナーはサポートもします。支えになったりします。助けもします。けれども、一番、つらいのは当の本人なのです。もちろん、サポートする方も、自分にも余裕がないときなど、サポートストレスもあり、つらいこともあります。高齢社会で介護ストレスというものがあるように、国際結婚上特有のストレスというものもあるのも事実です。愛があるから乗り越えられるというのは、当の本人もそうですが、そのパートナーも同じく、そのようなつらい状況を乗り越えることをいうのです。

 うまくいってそうにみえる国際結婚カップルにも、このような状況の時期は絶対にあるはずなのだと思います。精神的な疲労は、健康な人間からすると理解できにくいものです。日常生活で、怠惰となり、不満も多くなり、いつも不機嫌そうな顔をしている。そんなパートナーを見たら、こっちもで不快となり、ついいらいらしてしまいます。それで喧嘩がちになり、夫婦仲の不安定な時期もあります。

○周りのサポートの必要性
 人間は、知らず知らずのうちに、大きな支えの中にはぐくまれています。子供の時に、学校生活という環境を社会制度から与えられ、両親には教育環境を与えられ、同時に食べさせてもらって、愛情ある家庭で育てられます。
そして成長しても、今までかかわりあった友人や、組織に支えられ、そして、そのことが社会に出て、経歴として信用され、社会生活をおくって行くわけです。

 ですが、外国人の場合、信用にたる必要な経歴もなければ(ある人はあるでしょうが)、バックアップしてくれる組織、友人もなく、まったく孤立した状況なのです。これは極端な例ですが、これに近い状況は多々あるのかとう思えます。ですので、より意識的なサポートが必要なのです。

○アメリカの場合
 多民族国家アメリカにおいては、教会組織が同じ民族間の相互扶助の役割を担っているようです。台湾人教会、日本人教会、韓国人教会など民族ごとに教会が分かれており、互いにそれぞれの生活を助け合っています。らおぽーのお姉さんはアメリカに住んでいますが、台湾人教会へいって、そのコミュニティの中で生活している感があります。もちろん、子供の学校のコミュニティ、夫の会社関係もあるでしょうが、同じ民族のコミュニティの方が、より似た境遇なのでアドバイスも含めて大きな支えになっていると思います。

○「日本での生活を円滑に過ごすことができるプログラム」の必要性
 日本においても国際協力機構ですとか、外国人のサポートするNPO等たくさんありますが、個人の生活レベルから検討していく必要があるかと思います。外国人が日本に住むにあたって、スムースに日常生活を送れるように、かなり意識的な「日本での生活を円滑に過ごすことができるプログラム」を個々人に必要でしょう。これは、行政で対応すべきことがではなくて、個々人が考えるべきことです。

日本に住むパートナーにとって必要なもの
・台湾人の人間関係
・家族のサポート
・家庭の外にも自分の居場所を見つけられるような所
・日本社会の中で必要とされる人間と感じられるような所(仕事やボランティアなど)
・日本語教室
・家族の支え

 プロセスとしては、はじめは日本語学校(ボランティアで実施しているところが多々あります)に通い、言葉上の問題を少なくし、同時に、チャット等で台湾人の友人を探してお茶しにいって、日ごろの気持ちを打ち明けたり、相談できる友達をつくったりする。また、次のステップでは、仕事やボランティアについて、自分の社会的な居場所を獲得し、存在意義が得られるようにする。もしくは、子供を作って、子供を通して社会とかかわりあうように状況をとることもひとつの方法でしょう。人は関係性の中にあって始めて存在できるもので、孤立した状況では生きられないのです。

○最後に。。。
繰り返しになりますが、
愛があるから乗り越えられる!それも真実ですが、
すべての現実に直面して、自分で解決しなければならないのは外国人パートナーです。サポートできる環境がなければなりません。外国人が日本に住むのは、障害が多々あります。就職の問題、日常の言葉の問題、習慣、人間関係いろいろあります。外国人パートナーを孤立させないことです。

 また、逆に外国人パートナーの日本人パートナーも長期間不安定な状況が続くならば、かなりな負担、ストレスとなってきます。結局は、日本人パートナーに余裕がなくなれば、この関係は成立しなくなってしまうのです。つまり、共倒れです。

 国際恋愛は、課題山積です。周りのサポートが必要です。国際結婚になると、さらに、へビーです。ほんとに用意周到に根回しすることが大切です。
恋愛や結婚式準備も大事ですが、外国人パートナーの生活環境整備はもっと重要な検討課題なはずです。(2006.11.26)

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