☆じゃんきー☆のあふぉな日々(´ロ`;)ノ

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『SILENT☆ANGEL』 10


「私は一応牧師をしているものです。あの時、キミからいただいた1000円、とても助かりました。ありがとう。」美奈としては特に意味もなく感謝の意を表し、神様に捧げただけだったのだが、お礼を言われたことで神様から話しかけられたような気持ちになって少し嬉しくなった。

雪村は美奈の笑顔を見てやはり自分の気持ちは伝わっていたんだと自身を持ったよう
だ「何かキミの力になりたい。なんでも言ってくれ。キミの名前は?」しかし雪村の思
いに反して美奈は無言だった「・・・・・・・・・・・」「?」雪村は不審に思いなが
らも恥ずかしがっているんだと思い優しく続けた「君の力になりたいんだ。何でも言っ
ていいんだよ。さぁ。」しかし美奈は困ったような顔を見せてうつむいた「・・・・・・・・・・・」

雪村はさすがに焦れて言った「どうしてしゃべってくれないんだ?」美奈は無言ながら始めてリアクションをみせて首を振った「・・・・・・」雪村は続けた「どうしたんだい?何も怖くないんだよ」

すると美奈はさっとリビングへ向かい、ノートを取って戻ってきた。美奈の行動が読め
ない雪村はきょとんとしながら尋ねるのだった「なんですか?・・・・」

美奈はノートに何かを書いている。雪村はそっとその字を追った。

(美奈ノート)「私は聴覚障害者なんです。耳が聞こえないので話せないのです」

雪村はさすがに驚いた。

(美奈ノート)「でも、読唇術ができるので、あなたの言いたいことはわかりますよ」

雪村はさすがにショックを受けてボソボソと美奈に言った「・・・・そうだったんです
か・・・すみません。そうとは知らず・・・・私はバカです。すみませんでした!!」

美奈は首を振って微笑んだ

雪村はやはりこの出会いは神様の導きなのだと自分の心に言い聞かせていた。美奈をじ
っとみつめ「私に何でも相談してください。バカな私ですが、私なりにアナタの力にな
りたいのです。」

(美奈ノート)「ありがとう」

「私はもう行きます。色々とご迷惑をかけました。私は味方ですから・・・じゃあ」

ドアをあけ、振り返り聞いた「あなたの名前は?」

(美奈ノート)「川尻美奈」

「美奈さん・・・か。ありがとう、さようなら」心なしか目が潤んでいる雪村に美奈も
思わず手を振って答えた。



その頃、満月が煌々と光っている公園のベンチに座り、酒を飲みながらブツブツつぶや
いている正人「ダメだ・・・もうダメだ・・・おしまいだ・・・逃げるしかない・・・・」

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