FFいれぶんのへたれな小説とか

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February 10, 2005
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 通された家の広間は、広くは無いが手入れが行き届いていた。薪のくべられていない暖炉、二階へと続く階段、簡素な木製のテーブル。薄く陽光の差し込む窓際には、白いカサブランカの花弁が揺れている。奥さんの趣味だろうなと見当をつけながら、テーブルの対面に座る、花とは無縁そうな男を見る。
「ま、頼みってのはそう大層なことじゃないんだが」
 中肉中背の中年男性。短めに刈り揃えられた金色の髪は、所々が薄くなっている。シャツにはうっすらと漆の染みが残っており、清潔感という言葉とは程遠い。
「アンタ、口は堅い方かい?」
 値踏みするような目で、こちらを見つめる。依頼人と会うのを自分だけにして正解だった。あいつの事だ、連れてきていたらこの時点で依頼人に断られたに違いない。
 ナギサが頷くのを確認すると、コウジと名乗ったその男は満足そうに無精髭の残る顎を撫でた。
「この近くにリクレールって婆さんが住んでるんだがな、その人を元気付けてやって欲しいんだ」
「はぁ・・・?」
 もう一つ要領を得ないナギサの様子に気がつく風でもなく、コウジは続ける。

 コウジは視線を泳がせる。
「表には出さないんだが、ご主人に随分前に先立たれちまって以来、家からもあんま出てこないんだ。ま、心配な訳だがな。彼女は昔名のある冒険者だったから、お前さんみたいな奴に会えばちったあ気が晴れるんじゃないかと思うんだが」
 うんうんと、自分に納得させるように話す。その言いようから、血縁ではないようだ。
 孤独な老婦を心配する中年男性。冒険者は何でも屋のような仕事をこなす事も多いが、わざわざ自分達にまで頼むなんて、ご近所付き合いにしては大げさでは無いだろうか。
 まぁ、どちらにしろのどかな事には変わりないが。
「それと、俺からの依頼って事も伏せといて欲しいんだ」
「まぁ、その辺りは依頼主の意思を尊重しますけど。依頼内容はそのリクレールって人を元気づける、でいいですか?」
「うん、うん。いや、助かるよ」
 コウジは破顔して、ぽんぽんとナギサの腕を叩く。
 正直、あまり気が乗らない依頼内容だ。今の自分が誰かを励ますなんて、想像がつかない。逆なら分かるけど。
 だがまぁ、ユウイチには少し借りもある。せっかくだし、手っ取り早く返すのも悪くは無い。そう思えたのは、カサブランカの甘い香りのせいだろうか。





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Last updated  February 17, 2005 04:03:03 PM
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