蒼い森に於いて

蒼い森に於いて

消せない罪 ★




始めから其れ以上 期待など何もない

本能でその時間を 手に入れてみたかった

待つ男に嘘を吐き 迷いなく飛び出した

この時逃したら 残るのは唯後悔


この罪を犯すには 十分な理由付け


引き換えに手に入れた 果敢無げで激しい夜

今も未だ脳裏には 鮮やかな色が


其の人が暮らしてた 部屋の中満たすもの 

赤い椅子あの寝具 もう一人のハイヒール

あの日だけ息づいた あの部屋で二人だけ

紛れなくあの夜は 過ちと呼べるけど


あたしには正当で 真っ白な淡い夢


あんなにも真っ直ぐに 走ること出来たのに

今は遠き空の下 ひとりきり


裁かれた今ですら 認めうる

温もりは 凍る胸溶かし出す


引き換えに手に入れた あの日


この罪は消えなくて 爪跡も残すけど

初めから知ってたの 其れ以上何もない

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