青空のように

青空のように

大日本人・大批評



感想を書きますが、批判することになるので、これから観ようと思ってる方は読まないようにご注意申し上げる。

僕は元々松本人志のファンだし、「ごっつええ感じ」のアホアホマンとか、名前は忘れたが、超エロな外国人女教師とか大好きだった。
なので、この映画、期待しないわけにはいかなかった。
ところがですねえ、大失敗作だったわけです。びっくりするくらいつまらなくて、深く深く失望した。

よくある「偽ドキュメンタリー」ふうのつくりで、主人公「大佐藤」にキャメラとインタビュアーが密着するのだが、この設定が非常に「うるさい」。
アングルも限定されるし(手持ちキャメラがぐらぐら揺れるので、気持ち悪くなった)、このインタビュアー(誰の声なのか知らない。姿は出てこない)が居丈高(死語?)で、実に感じが悪い。

カンヌでは、途中退席する人がチラホラ(大勢?)いたそうだが当然でしょう。「松本人志」という名前に意味をもてない(というか知らない)なら、これ最後まで観れませんよ。面白くなくて。
映画って、力技でラストまで引っ張っていくものでしょ。コメディでもサスペンスでもアクションでも芸術映画でも。「次になにが起きるのか」っていう興味で、席を立たせない。

ところでこれ、コメディなの?
観てる途中で僕は、「あ、これはコメディじゃないんだ」って(好意的に)考えはじめた。
だって、顔のすぐ下に脚がついた、竹内力の怪獣に笑えるか?
出てくる怪獣(怪獣じゃなく「獣」だそうだが)はどれもグロテスクで気持ち悪い。
と思ってたら、板尾創路のところだけ「ごっつええ感じ」になる。
先日テレビで松っちゃんが、「フランスでは、板尾が妙に受ける」といっていたが、そりゃそうでしょう。ここだけ「コント」になるんだから。
フランスだけじゃなく、日本でも、笑い声が上がったのはここだけです。

さて、最大の問題は、ラスト15分の「コント」をどう観るかである。
たとえば、バラエティ番組でのグループ別クイズ合戦みたいなのがあって、1問目・2問目・3問目が10点で、さあ、最後は逆転クイズ、正解チームには5万点!・・・で、みんなズッコケる、みたいなのあるでしょう。「今までの3問、ムダやないかいな。なんのためにやってん」みたいなの。
そういう終わり方をするわけだが、これ、ズルくないか。それなりの方法論でやっているんだろうとは思うが、僕には、「どう終わっていいのかわからなくなったので、とりあえずこうやってお茶濁します」としか思えなかった。
宮迫氏や宮川氏が、声だけでなくホントに着ぐるみの中に入っていようが、そんなことは関係ないです。
カンヌでは、ここで群れをなして観客がドドドッと退席したのではないかと想像する。
たけしの「監督・ばんざい!」も同じようにわけわからん終わり方をするが、さすがに「映画のエンディング」にはなっている。

これ、ヤバくねえか。「シネマ坊主」の人が、実際撮ってみると、こんなんか。
急いでもう1本撮るか、これ公開やめちゃいなさい。
多くの人が、「王様は裸だっ!」って言い始めるぞ。

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