love&peace♪マチオの脱力生活日記!

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2007/03/24
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 キッズ・ミュージカル・プロジェクト「魚沼産☆夢ひかり公演『オズの魔法使い』~魚沼バージョン~」を観劇してきた。

 市民演劇マニアの友人TAKEを迎えに、六日町まで足を向けた。興味のある演劇が催されると聞けば、東京から新潟にでも駆けつけるというツワモノだ。南魚沼市六日町のチャレンジ・ショップHOMURAで待ちあわせ。

 TAKEが来たあとで、HOMURA内でアクセサリ&手作りショップ「三椿」を営むみかホンを交えて少しおしゃべり。この時に、思いがけないお誘いを受けた。3月27日の、 ほむら夜市 での三椿の出店にゲストで友情出演、紙芝居と絵本の読み聞かせをさせてもらえることになった。TAKEを六日町まで迎えに行くことになったのは、ヤツの寝坊とかいろいろな偶然が絡んでのことだけに、人の縁ってほんっと、異なもの味なもの。翌週の火曜日夜の読み聞かせに向けて、俄然意欲が湧いてきたのだった。

 TAKEは寝坊しなければこっち(新潟)でスキーをするつもりだったらしい。電車でずっと同じ姿勢を強いられ、また観劇で同じことの繰り返しではたまらんと、「何か身体を動かしたい」と言うので、ふたりでボウリングしに行くことに。2ゲームして、オレの圧勝。このボウリングで、TAKEが言いだしっぺでささやかな賭けをして、勝った。またもや思わぬラッキー!

 ボウリングを終えると、開場時間が迫っていた。ボウリング場から近くの、小出郷文化会館に向かった。

 開場前に長蛇の列ができていて、ちょっとぴっくり。入場して、中央舞台寄りの席に着いた。同会館の大ホールで催された「オズの魔法使い」の客入りは六、七分といったところ。客層は見たところ、出演する子どもたちの友達と親類縁者がほとんどという感じ。

 「オズの魔法使い」の原作は読んだことがない。幼い頃、ほんとうに簡潔過ぎる絵本だったかあらすじか何かを読んで不満を覚えたことを憶えている。「ドロシーを助けたかかし、ブリキのきこり、ライオンはオズ大魔王から、脳みそ、心、勇気を授けられました。そしてドロシーは魔法の靴を3度踏み鳴らして、カンザスに帰ることができたのです…。めでたしめでたし」みたいな感じだった。子どもながらに、「脳みそや心や勇気って、魔法で誰かに与えてもらうようなものか?」というモヤモヤした割り切れなさを感じたものだ。原作は違うらしい。原作では、オズ大魔王はたいした魔法も使えないペテン師として描かれている。これは後で語るが、この物語はそうでなくっちゃいけないよな。


 19:00から、さぁいよいよ開演だ。


 ドロシーは嵐に連れ去られ、遠くオズの国へと運ばれてしまう。かかし役は、魚沼一座で一緒に芝居をした女の子だ。活き活き溌剌とかかしを演じる彼女。今回のミュージカルの稽古でさらなる成長を遂げた様子がうかがえた。観ていて、とても頼もしかった。
 ブリキのきこり、ライオンともに、漫画で言う「キャラが立っている」感じで、舞台上で各々の存在感をかもし出していた。主要な登場人物の内で、主人公のドロシーだけが何故か台詞にあまり感情がこもっていないように感じた。棒読みの抑揚の無い台詞の所為だろうか?一所懸命さは伝わってくるものの、彼女の台詞だけは心からの気持ちが伝わってこなかった。これは残念な点。だが、歌は素晴らしかった。澄んだ声で堂々と歌う姿には耳を傾ける価値が充分にあった。

 北の良い魔女の助言を受けて、オズのエメラルドの都に向かう道すがら、かかし、ブリキのきこり、ライオンに出会うストーリーはおそらく原作どおり(原作をよく知らないのでなんとも言えないが)だろう。黄色い衣装をまとった踊り子たちが3人、ドロシー一行に随行していて、歌とダンスのシーンでは大役をはたしていた。舞台上の役柄について何の説明もされていない彼女たちが、ストーリーが進行していくあらゆる場面で登場し、歌と踊りの絶妙な効果を生み出していた。3人の内のひとりが、特に活き活きとした動きで楽しそうに踊っていて、観ていてとても気持ちがよかった。

 特筆すべきは、ストーリーのメイン・キャラクターではない、いわゆるモブ(群集)の子どもたちの演技が舞台に与える演出効果。これが、素晴らしいっ!魔法の国に暮らす小さな妖精めいた住民たちが、舞台の上にはっきりと「生きて存在」していると感じた。子どもならではのたどたどしささえ武器にして、それはもう、可愛らしい小さな生き物たちが寄り集まって暮らしている「世界」が、ステージ上に在った。これは小口さんの演出の妙で、しかもその演出の手法を思い出して考えてみるると、それらすべての演技が、演じている子どもたち自身の想像力から生み出されたものに違いないのだ。これは、ほんとうにすごいこと。いわゆる「端役」と呼ばれるような、こうした役者たちが、たとえ台詞が無くとも、スポットライトを浴びることがなくとも、ひとりひとりがこの舞台に欠かせない存在であることを芝居のすべてを通して感じることができた。この芝居に、「端役」は居なかった。それがなんとも、驚くべきことで素晴らしいことだった。

 「西の邪悪な魔女」を演じた役者さんの演技に魅せられた。圧倒的な「悪」の中に、ユーモラスな味わいを加えた演技を信じられないくらいのハイテンションで観せてくれた。彼女が登場する場面では、客席はあるいは息を飲み、どよめき、こらえきれずに笑い出す。彼女が舞台を引っ張る役割を担っていたことは間違いない。

 そして、偉大なるペテン師大魔法使いオズ。オズを演じた役者さんは、この芝居に出演する中で唯一の大人で、魚沼一座の前座長さんだった人だ。「んもう、オズ最高っ!」って言うくらい、彼にしか演じることのできないオズを観せてもらい魅せられた。エメラルド色のステージ衣装に身を包んだ、何故か演歌調の(笑)オズ大魔王は客席から喝采を浴び、また絶えず笑いを誘っていた。誰が誰が、こんなオズ大魔王を想像しえようか?それだけではない。いかがわしくだらしなくも情けない「ただのオヤジ」を、あれだけ「突き抜けて」演じられてしまうとはっ!かつて舞台に上がったことがある者として、嫉妬の混じった羨望を禁じ得なかった。

 オズの贈った脳みそ、心、勇気は皆まがいものに違いない。始めから彼らには、それらが備わっていたのだ。自らの胸の内に潜む、「知恵・心・勇気」。行動し何かを体験し、歩き続けることで見つかる何か…。ドロシーの3人の同行者たちにとっては、そういう気付きの旅の物語だ。では、ドロシー自身は?
 彼女にとっての気付きは、「自分の居場所」であってほしい。「望まれて、ただそこにいる」こと、ただそれだけで許される、自分自身のたいせつな居場所。故郷のカンザスを遠く離れて改めて想う、生まれ育った地と、たいせつな人々。苦楽を共にしたかかし、ブリキのきこり、ライオンと別れることになってもなお、帰りたい故郷への想い。胸の内のその想いへの気付きの旅…だろうか。

 フィナーレに、出演者全員そろっての歌と踊り。客席のすべての人たちが惜しみない拍手を送っていた。今も目を閉じればあの芝居のいくつかのシーンが甦ってくる。芝居の中で歌われた歌が、耳に残っている。「今、ここでしか観ることのできないもの」を観せてもらった。ほんとうに、素晴らしかった!

 観客の見送りをしている小さな役者さんたちに「ありがとう」の声をかけながら出口に向かった。顔見知りの役者さんとは言葉を交わし、演出の小口さんとは熱い抱擁(笑)。いやほんと、この芝居を創ってくれたすべての人に感謝したい思いだ。大枚はたいてやってきたTAKEも大満足のようで、パンフレットの小口さんの名前を指差して、「まさにこの人が魔法使いだね」と言った。オレもまったく同感だ。ふたりして興奮醒めやらぬまま、小出郷文化会館を後にした。





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Last updated  2007/04/23 10:12:30 PM
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