raskiのマジックとミステリの部屋

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『妖術の開示』より

ーー現象ーー

 1、右手に持っていたコインを左手におく。左手を開くとコインはない。右手にもない。

 2、右手に持っていたコインを左手におく。左手を開くとそのコインがほかのコインに変化している。

 3、コインを二枚用意し、そのうちの一枚を一枚左手に置く。もう一枚を右手に一枚持つ。両手を開くと、2枚とも右手から現れる。

ーーコメントーー

 『妖術の開示』に出ているのは、もちろんコインマジックばかりではありませんが、現代のマジックにもあるコインを取り上げてみました。
 現在はこれらのことは、「マジック」というより「技法」として扱われています。それにしても、現代にも使われている技法が、こんな16世紀からあったのです。「マジックでご飯を食べている人には申し訳ない」といっているくらいですから、おそらく実際に行われていたマジックと考えて良いでしょう。
 しかし一方で、これらの妙技が魔女の技だと思われることもあったのでしょう。現在まで生きる技法を生み出した一方でそれを魔術と思う人がいるという不思議といえば不思議な構造です。いつの世もそうなのかもしれませんが。
 今でもこういったマジックを見かけませんか?
ーー出典と雑記ーー

『Discoverie of witchcraft』 Reginard Scot
discoverieはスペルミスではありません。コインマジックのほかにも、カード当て、ナイフを食べる、など今のマジックに近いものが多いことには驚かされます。マジック解説書ではないので、演出配慮や細かいことは抜きになっている観があります。

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