さて西安で最も行きたかった場所「兵馬俑」です。
この日はもう、朝からワクワクしてたまりませんでした。
殺風景な場所、これはこれでとてもいい景色です。風が強いと砂が飛んでくるそうで、この日も遠くは少しかすんでいました。こんな景色の中、車で1時間半。
「秦始皇兵馬俑博物館」お一人様90元。
ワクワクして一号坑へ入ると、目の前に広がるのは圧倒されるような景色。
「デカすぎる。。。多すぎる。。。」しか言いようがありません。
お馬さんもいます。耳が長いのが特徴。
一人一人姿や顔、表情や姿勢が違うのがわかりますか?ひとつとして同じものはないそうです。
実は兵馬俑には色が着いていたってご存知でした?私は全然知らなくて驚いたのですが、顔は肌色、服にも綺麗に色がついているそうです。でも発掘されて2・3時間空気に触れると、色が消えてしまうそうです。ほんの少しだけ色が残っているものがありましたが、こんな数の兵馬俑、作るだけでも大変なのに、色まで塗るってすごい労働力をかき集めたに違いない。。。
発掘作業中はこんなかんじで兵馬俑が出てきたそうです。
兵馬俑について。レポート?(笑)
1974年、農民が井戸を掘っていたところ、兵馬俑の頭の部分が出てきたのが発見となる。あわせて3つの坑があり、総面積は2万平方メートル余り、約8000体の兵馬俑。始皇帝即位の紀元前246年に築造着手、38年後に完成(完成の頃にはすでに始皇帝死去)となった。陵墓築造に携わった労働者は70万人余りと推測。
兵馬俑の配置は、軍事グループの配置になっており、1号坑の戦陣は戦車と歩兵が一体となって編成された長方形。2号坑は歩兵・戦車・騎兵から編成される曲陣、3号坑は面積・数ともに最小であるが、司令部を守る護衛隊となっている。つまり兵馬俑は秦の軍隊の縮図で、三軍が結集し、2000年を経た現代でも戦闘指令が下るのを待つ雄大な様相をしている。ここでは行進中の戦車の音も、軍馬のいななきも聞こえるような、いわばタイムスリップ感覚を味わえる。
兵馬俑はただの歴史的要素だけではなく、ひとつとして同じものは存在せず豊かな表情を細部まで表現されていることから、芸術的要素も兼ね備えていると言っていい。兵馬俑を具体的に作った人は、秦王朝の下層におかれた製陶職人。彼らの中には宮廷の陶器作業現場から来たものや、民間の陶器作業現場から来た者もおり、いずれも豊富な経験を持つ優秀な製陶職人であった。現在の段階では、名前がわかって考証出来るものは80人余り。宮廷の作業現場から来た者は、軍隊の威武の姿を見る機会が多いせいか鋭い顔つきの雄姿を描き、民間の作業現場から来た者は、下層社会をより理解しているため笑顔や性格、情趣をよく知っており、表情豊かな人間らしさを描いた。
歴史が余りにも古いこと、発見されたのが1974年と最近のことであり、未だわからないことが多い。でも「わからない」ということは実に浪漫だと思った。始皇帝がどんな意図でこのような奇跡を作ろうとしたのか、その奇跡を作り上げる過程や発見されるまでの沈黙など、見る者それぞれが自由に想像の世界で遊ぶ事が出来る。
100人いれば100通りの物語がある。それが兵馬俑なんだと感じ、私だけの神話の世界が出来上がった西安のメイン・イベントとなったのでした。
【参考『秦の始皇帝の地下軍団「世界の八番目の奇跡』 中国旅行出版社】
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