週末、実家に帰ってました。
以前から豆奴が髪を引っ張ってくるので、長い髪がうっとおしく、
豆を大きいばあちゃん（９０歳）に預け、
小一時間ほど地元の美容室に行かせてもらうことに。

近所のおばちゃんに紹介してもらった美容室は、
３年ほど前独立した・・という美容師さん。

お店に入ると歳があんまり私と変わらなさそう。。。

美容師さん、「あれ？地元の子かな？歳いくつ？」と聞かれ、
そのうち美容師さんの頭の中で記憶がよみがえったみたいで、
「あー、まけながッ！！ちゃん言うたら・・・」

「あの事故で亡くなった子の彼女だった子だよね？」

・・・やっぱり。
だから私は地元にあんまり帰りたくないんだなぁ。

１０年前、私は初恋の人を事故で亡くしました。
プロポーズされて２週間後のことでした。

地元の人にはかってに作られた噂話で、あることないこと言われて
私は悲劇のヒロインで時の人になってしまい、それがつらくて
３年くらい鬱のような日が続いて、
このままでは私までダメになってしまう、と決意して、
誰もこの話を知らない場所に行きたくて、
家を出て一人暮らしを始めたんですけど。。。

１０年経っても、私はまだそのイメージが強いらしいです。

まぁ、なるべく気にしないように明るくしてたんですが、
その美容師さん（同じ中学の先輩でした）がこう言ったんです。

「あの子、まけながッ！！ちゃんちに会いに行く途中で事故して死んだんだってね？」

・・・！？
今まで聞いたいろいろな噂話や中傷の中でも、
こんな話を聞いたのは初めてで。
確かに事故現場は彼の家から私の家までの道の途中でしたが、
事実は私は彼が亡くなった当時、バイト中だったので、
彼が私の家まで会いに来ることは断じてないのですが・・・。

「そんな噂もあったんですね・・」と私が言うと、

「ええー、噂なの？みんな本当だと思ってたよ。」と。

「・・はぁ。。。」

なんだかもやもやが抜けないまま実家に帰りました。

晩、母親が職場から戻ってきて２人で夜中まで話をしてました。
私が母に今日の美容院での出来事を話すと、

「・・お母さん知ってたよ。」って言うんです。

「・・そうなん？知らなかったのは私だけかぁ？」って言うと、

「うん、レース用の車を買ったからまけながッ！！に見せに行く途中で
事故した・・とか言われてたね。
・・・アンタには聞かせられるような話と違ったやん？」って。

あの当時、母はこんな噂話を私の耳に入れまいと、
一生懸命になって守ってくれてたんだなあと思うと涙が出ました。

「・・もう何年になるの？亡くなってから？」
「ちょうど今年で１０年かな。」

こうやって母とあのときを振り返る日がくるなんて、
あの頃の私からは想像できなかったなぁ・・。

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