うたたねの店

うたたねの店

2003/07/18
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第三金曜日は、月に一度のお料理のお稽古の日。

他には行っていないから比較することは出来ないけれど、先生の教え方が上手な気がする。講師の先生は小柄で、北島三郎とフランス人形を足して二で割ったような顔をしている。彫りが深いのかもしれない。
真面目な顔をして、ふしぎな冗談を言う。
「落し蓋は豚をおとすわけではないんですよ。」とか。
先生は冗談とかトークも大事なのだろうと思う。私は、そんな彼女の冗談が何だかつぼにはまって笑ってしまう。知的な人が言う冗談はどこか真剣で、真摯な感じ。

今日はお魚をさばいた。メニューは『あじの塩焼き』と『かぼちゃのそぼろあんかけ』と『なすとみょうがのみそ汁』だった。
あじをさばく・・ということになる。
”ぜいご”と、えらと内臓を取ることになり、初めてお魚をさばいた。”ぜいご”は尾びれの方から包丁を上向きに進めるとするりとることが出来る。これはできた。

先生がするとすんなりと出来ることが私達にはひどく難しい。
「ほ~ら、こんなふうにするのですよ。簡単です。」といとも簡単な風に言う。
一人1匹さばくことになる。外科手術と言った感じだった。一緒のテーブルの人と「主婦はすごい」と感心した。恐い恐いと言っていられないから。内臓をやっとこさ取り去ったとき、やり遂げたという達成感を感じる。その気持ちは”快感”に似ていて、ちょっとあぶないなぁと思う。

『かぼちゃのそぼろあんかけ』はかぼちゃを切るときに力が要るのが難しかったこと。出汁につかう煮干は、内臓と頭を取り去るということを知った。(内臓は苦味を出すし、頭は味がないから)

『なすとみょうがのみそ汁』ではみょうがの切り方を教えてもらう。皮がちょうと真ん中でつながっているので、その両側からブイ
字に切れ込みを入れるとばらけるのだという。
なすびが新鮮なものを選ぶ基準は『茎がトゲトゲくらいが新鮮』ということで、『紙に包んで冷蔵庫に入れると保存にいい』らしい。
きゅうりもイボイボがあるほうが新鮮というのと同じだ、と思う。

お魚を食べるときの食べ方も教わる。表を食べると、くるりと裏に返して食べるのは下品なのだという。全然知らなかった。
本当は表を食べた後、骨を頭の方でポキっと折ってから裏に取り掛かるのだという。そういうようなことも知ることが出来て、とても嬉しかった。

お料理をしているときは、とても新しい・しゃんとした気持ちになる。真剣にしなければ、手順を間違える。自然と言葉少なくなる。

例えばお魚をさばくこと、食べかた。きっと知っていた方がいいのに、知らない事が案外多いのだと思った。

家に帰り、姉に「今日はね、お魚をさばいたの」と嬉しい報告をする。その時に感じてしまった”快感”についても話す。
すると姉も「私もイカの内臓を出すときに、気持ちよいと感じてしまうことがあるわ」と言った。どこかおどろおどろしいことでも、やってみると出来てしまう。
そんな自分を新たに発見した。そんな感じだ。





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最終更新日  2003/07/21 08:01:13 AM
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