うたたねの店

うたたねの店

2004/05/06
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昨夜は満月だった。

家の犬も興奮して通りがかる人にわんわん吠えていた。
私は色々としたいことが沸騰してベランダの掃除なんかしていた。普段しようと思わないのに、何となく汚れが目に付いてしまった。
家のあやめがきれいに咲いていて、誘うように私を見ていた。
私は何となく触発されて、あやめをデッサンした。

夜の22時、先日会った例の人から電話がかかってきた。
先日予定外に外泊することになってしまった相手である。
彼はでれでれとした感じで電話をかけてきた。

それは彼女がいるだろうということ。
それで、話が途切れた時に「聞きにくいことを聞くのだけれど、もしかして彼女いるでしょう?」と聞いた。
「もしいる、っていったらどう思う?」と言う。
「いる、と言われたら何と答えようかな?とベランダを磨きながら考えていたわ。」と答える。
「いる」と言う。 ・・・やっぱり。
「そうなんや。私は人の愛し方はいろいろやし、二股をかける人が良いとか悪いとかは思わないねん。でも、私は自分のことが大切なので私のことだけを大事に思ってくれる人ならば受け入れたいねん。やっぱり恋愛は本気でしたほうが楽しいから。もし私だけを全身全霊こめて愛してるって思うならばきてよ。」と答えた。

彼のことは責めていない。
というよりも浮気癖がある人に、何を言っても無駄な気がしていた。なぜならば、きっと彼は自分が悪いとは思っていないから。
私はいつもはこんな風には言えないのに釈然として、ハッキリとものが言えた。
満月パワーかもしれない。

彼は一ヶ月では決められなかった、という。

一人の人を一生懸命、愛していたら他の人なんて目に入らないはずなのにと思う。一人の人を愛するだけでも、時間があっというまになくなってしまうだろう。
しかも、もうすぐ日本を離れてしまうくせに、何故私と無駄に時間を過ごしているのだろう?一分一秒無駄にするなよ、と思った。

二股をかけられても平気な人(二番目の女でも満足できる人)はいるかもしれない。
でも私はそういうタイプではない。
一番でなければ嫌なのだ。自分専用の男でなければ嫌なのだ。

かわいそうな自分を好きになることができないと思うから。
もしも私が彼を受け入れるとすると、私は彼と彼女と自分自身の心配をしなければいけない。3人の心配なんて。
最初からわかっていてその関係に踏み込むのは、確信犯である。

「もし、どうしても私じゃなくちゃだめだと思ったら追っかけてきてよ。その時は逃げないからね。」と言ったら
「嘘。逃げるだろう」と言われた。
その通りである。私はきっと彼を受け入れることはないだろう。

彼女がいることを、自分から言ってこなかったのはもっと悪い。
彼は会って話をしたかった、という。
この間会った時に聞いて欲しかったという。
でも会ったらこんな話できないだろうと思う。
しかも何故、私が聞かなければならないのだろう?
自分から言わないつもりだったのだろうか。

何だか興奮していたので、眠りが浅かった。
寝言つきの夢を永遠と見た。

それにしても、段々私はたくましくなってきているのかもしれない。段々、迷うことがなくなってきた。
多分答なんて瞬時に決まっているのだと思う。
彼は私と彼女の選択に迷う、とは口では言っていたけれど
もうすでに答は決まっているのだと思う。
彼の迷いの正体は欲望である。
欲望というものは姿を変えて、愛だと錯覚させる。
でもそれは愛ではない。
愛というのは、寄り添うものである。
見守るものである。
遠くから応援するものである。
相手からの答がなくても満足できるものではないだろうか。





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最終更新日  2004/05/06 11:25:40 AM
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