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2006/03/28
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カテゴリ: A.





そのトイレのスイッチの下に

ベランダの灯りが点くスイッチがあるんだけど、

僕は夜、寝ぼけてたりするとついつい間違えて

ベランダの方のスイッチを押してしまうんだ。


夜中にベランダがピカーっと光ると眩しくてみんな起きちゃうから

みんなに怒られる。


そしたら屋根の上にとまっていた黒い鳥がカァーと鳴いて

宇宙がちょっと広がって

僕は君に会いたくなる。


でも僕と君は二度と会えないから僕は、泣くよ。


いくら闇に向かって問いかけたって

返事は返ってこないと知っているはずなのに。


僕は君に手紙を書くよ。


お世辞にも綺麗な字とは言えないけれど、

心がこもっていると言えば、君は喜んでくれるだろう?






元気ですか?

僕は元気だけど泣いているよ。

涙は枯れないのに声が枯れたよ。

心は枯れたのに涙は枯れないよ。

まだ今が終わってないのに未来へ行こうとしたら

神様に怒られたよ。

今を生きないのは立派な犯罪なんだってさ。

後悔しないのはあまり良い事じゃないんだってさ。

あと、海の色が青いのは空の青色が映ってるわけじゃなくて

元々水が薄い青色でそれが集まって真っ青に見えるんだってさ。

なんだかよく分からないけどすごいなあって思ったよ。

まだ涙は枯れないけどなんか頑張れそうな気がする。

風邪を引かないようにしてね。

またね。







いつか僕は君の事を忘れるかもしれないけど

忘れたときはまた想いだすよ。

何度でも。




僕は静かにペンを置き、

書いた手紙にライターでそっと火をつけた。


ゆらゆら揺れる炎の中に、

笑ってる君が見えた気がした。





未来に確かなものなんて無い。

良い意味でも悪い意味でも。


死ぬほど幸せなひと時だって、

1秒後には音を立てて崩れ去っていくかも知れない。


死ぬほど辛かった次の日には、

死ぬほど楽しい一日が待っているかもしれない。


確かな未来なんて何一つ見当たらないこの世で

唯一確かな未来があるとすれば

それはきっと死だ。


死は怖い。


ぶるぶると震えながら怯える兎に向かって

私はなんと声をかければ良いのだろうか。


答えは沈黙。

夜空に咲く純白のカサブランカ。


ちっぽけな人間のちっぽけな物語は何十億と集まり、

やがて、壮大な地球の物語となる。


忘れないでほしい。

全てはあなたが生きているからこそ、なのだ。


あなたが死んだら地球は回ることをやめてしまう。

むしろ、今までとは反対に回り始めてしまうかもしれない。

マントルが地表から飛び出し、

辺り一面を灼熱の海に変えてしまうかもしれない。


あなたが生きているからこそ、

あなたの世界は回り続ける。



終わらない歌。








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Last updated  2006/03/29 01:31:37 AM
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