Harmony

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交通事故


私3歳半。祖母宅に預けられてた時。



     そこで友達になった子らの後を追って道路に出た途端、車(バンパーの部分)に頭をぶつけ、飛ばされて・・・
     ・・・『全身打撲・頭蓋骨陥没』

     中に落ちた骨が脳の上に乗っかってたから、命が助かったとか。
     ・・・あれが脳に刺さってたら即死だったそうです。
        (母も「最善は尽くしますが、場所が場所なだけに・・・覚悟はしておいてください。」と、医師に言われたとか)

     車に当たった『その時』は、覚えてない・・・

     気が付いたら、知らない車の助手席に座っていた。
     痛みは、全く無かった。
     お気に入りの白いワンピースが血まみれだったから・・・「大怪我してんや―!」と思ったけど。
     どこを怪我したのか、わからなかった。
     運転席側の窓から、おばあちゃんが泣きそうなコワイ顔で覗いてて。
     「なんであんな顔で私の事を見るんかな・・・」と思った。

     次に気が付いたのは、病院の手術室みたいなところ。(ライトが、たくさんついてた・・・)
     医師が、指を2本・3本と・・・「これは、いくつ?」と聞かれたから「ふたつ。みっつ・・・」と答えた。

     その次は、病室のベッドで気が付いて・・・。

     でもその前に。
     確かに、天井の隅から『ベッドに寝ている自分』を見ていた。 (あれって、幽体離脱・・・やと思う・・・)

     全身の打ち身とすり傷が、酷くって・・・。
     「頭の方は、このままそっとしておいて。先に打ち身とすり傷の治療をしましょう。」・・・ということになったとか。
     消毒薬をたくさん使ったから? かも知れないが、眉毛が真っ白になって・・・。
     鏡に映ってる自分が、別人みたいで嫌だった。

     ある日、病室に床屋さんが来て。 (6月?だったと思う)
     「暑いから、髪の毛切ろうね~」と言われ、バリカンで丸坊主にされた。
        (『手術のため』なんやけどね・・。それならそうと、言うてほしかったわ・・・(T_T))

     手術当日。
     それまでは聞き分けの良かった子が、手術室の入り口で
「お母ちゃんも一緒やないと、絶対イヤや――― !!!!」 と、泣いて抵抗したそうで・・・ (^_^;)

で、仕方なく・・・母も一緒に手術室へ入ることに・・・

     手術の途中で麻酔から覚め、母親と話をした。
        (小さい子やから・・・ゆうて、きつい麻酔にせえへんかってんて!)

     目を開けると、シーツしか見えなくて。 首を締められてるようで、息苦しくて・・・
        (手術台に、うつ伏せになった状態やってんて・・)
     「お母ちゃん! 誰かが首締めてんの??」
     「ううん、誰もそんなことしてへんよ。」
     「息できひん・・・」
     話してたら、手足を押さえつけられて・・・また気が遠くなった。
        (麻酔が切れて、えらいこっちゃー! やったから、きつい方の麻酔に切り替えてんて・・)

     そして、病室で気が付いた。

     手術後、大部屋に移ってからは・・・周りの大人たちに、よく遊んでもらってた。
     廊下に毛布を敷いて、その上で遊んだことも。(^^ゞ
        (他に子どもは誰も居らへんでね。大人ばっかしやったから・・・)
     看護婦さんの寮みたいな所にも、連れて行ってもらった。
     でも・・・
     かわいいリボンをくれたおじさんが「この頭やったら、つけられへんなぁ。」と言った時は、やっぱりショック・・・ (-_-)
        (丸坊主頭で、病院のベッドの上に座ってる写真があんねんけど・・・あれはちょっとイヤやわ・・・)

     抜糸のときは、伸びてきた髪の毛も一緒に引っ張られて抜けて・・・もの凄く痛かった・・・ (>_<)

     2ヶ月ほど入院してたとか。 頭に手術痕はあるけど、後遺症は無い。
        (小2ぐらいまで、脳波の検査してたなぁ・・・)


     最悪の事故だったけど・・・
     中に落ちた骨が、脳の上に乗っていたこと。
     轢いた車が、すぐに病院に運んでくれたこと。
     その病院の院長が、脳外科専門の偉い先生だったこと。
                        ・・・だから、助かったんだと思う。

     あと1㎝、怪我の場所がズレてたら・・・てんかんの持病をかかえることになっただろうと言われた。
     運も良かったんでしょうね・・・





     【事故の影響】

     いろいろと、ね・・・。

     --------
     ①性格

     それまでは、とても元気で活発で。よく男の子と間違えられてたそうだ。
     でも。
     事故の後は、別人のように・・・。
     「よう気が付く子で、ちょこちょこと動きまわってたのに・・・」と母。 (^_^;)

     身内の中では、本来の自分で居られるのに・・・。
     外では、とても内気になって。
     自分から人に声をかけることも、しなくなった。
     小学校6年間での友人は、2人だけ。
     中学・高校は、部活もあって・・・友人も増えていった。
        (それでも、数えられるくらい・・・やけどね)

     今は。
     事故前の自分に戻ったんじゃないかな・・・と思う。 (^_^)

     --------

     ②泳げない

     学校のプールに、なかなか入れなかった・・・というのもあるけど。
     息苦しいのはイヤ。
     水に顔をつけるのが怖い。
        (手術中に目を開けた時の、あの圧迫感が思い出されて・・・。うつ伏せで手術したからかなぁ・・)

     それでも高2のとき、
     「何べん足ついてもかまへんから、25m行ってこい――!」と体育の先生に言われて、やった事がある。
     何度水を飲んだかわからない。ほとんど溺れてる状態・・・ (>_<)
        (試験やから、仕方なくやってんけど・・・)

     私の子どもは二人とも泳げるから・・・良かった~と思ってる。
        (息子は喘息にええから言うて、スイミングに通って。 娘は、兄ちゃんのん見てるうちに興味持って、やり始めてん♪)

     --------

     ③車の免許

     原付の免許は、必要に迫られて取得した。
     でも。
     車を運転するのは怖い。
     私みたいな子が、そこら辺から飛び出して来そうな気がするから・・・
     だから、車の免許は取得しようとは思わない。



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