健全な男女共同参画を考える!

健全な男女共同参画を考える!

8)優しい去勢のために


○端書き(5ページ)
 「優しい去勢のために」と題した六篇の ― 呪文とも散文詩ともつかないテキストだが、とりあえず ― エッセーには、何とかして性器結合中心的性愛観を突き崩そうという情熱が込められ、二十台半ばから今に至るまで私が思い続けていることのエッセンスが凝縮されており、愛着が深い。

○去勢への旅立ち、新たなるタイムトリップ(195~201ページ)
  誘い水を滴らせることもなくいつもの<愛>のお呪いを囁くこともなく、白痴のようにあなたの静かな性器を抱きしめたい。粘液まみれの腰を振り立てホルモン臭い息を吐き互いの体の毛孔という毛孔に<愛している>という観念を吹き込み合うあの作業、これまで存分に愉しんで来たあの作業が今はとても痛い。 (中略)
  母親の股間を引き裂き血に染まって外界に晒される誕生の儀式は恐らく死よりもドラスティックであるだろうに。それを記憶できなかったことは一生かけて悔やんでもまだ足りない。
  われわれを送り出そうとしていた時の母たちの産道の痛みはさぞや激烈なものであっただろう。われわれは言わば全身をペニスにして母親を内側から犯したようなものだ。(あれが強姦なのか和姦なのかは世界の規則が条文化されていないので分らない)生涯にたった一度の母親との交わりがわれわれの初めての性行為であった。憶えもしなかったことを思い起こすふりをするのはせつない戯れ事だが、かの時ペニスたるわれわれの体もひどく痛んだに違いない。

    ○肛門、彼岸のユートピア(209~215ページ)
      (前略)
      肛門は裏にして表。
      肛門は出口にして入り口。
      肛門は頂点にして奈落。
      肛門は清浄にして不浄。
      肛門は楽器にして楽師。
      肛門は過去にして現在。
      肛門は<傷にしてナイフ>。
      肛門はクラインの壺。
      肛門はgenderという虚構の精算所。
      肛門は甘くて酸っぱい。
      肛門は現身にあって奇跡的に夢を開放する場所。

      仄暗い部屋の底で、わたしたちは二つの肛門になる。

 ◇男女共同参画の推進にどのように関係があるのかまったく不明である。 

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