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2006年12月23日
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以前の日記で、民エレの分野で有名だったアナリストの若林氏が、昨年、みずほ証券退社しヘッジファンド「フィノウェイブインベストメンツ」を立ち上げたことに触れました。

和製ヘッジファンド

今日の日経で、その若林氏が、踏み込んでヘッジファンドの増加の背景について語っていて、参考になりました。

彼の見方を整理すると、大きく3つでしょうか。

(1) 2001年ぐらいから相対リターンから絶対リターンへの需要の高まり
(2) 手数料の自由化→ 証券会社の中抜き・・+ 発行体の情報開示の改善 ・・+投資銀行部門と調査部門のファイアーウォール → 2000年ぐらいから証券会社のアナリストが中途半端な存在になってきた → セルサイドのアナリストがヘッジファンドに流れていく
(3) 横並びの運用スタイルの機関投資家から、運用スタイルの自由なヘッジファンドへの人材の流れ(ex.中小型にも積極的に入れることができる)


絶対リターンへのニーズに加えて、セルサイドやバイサイドから人材が流れていったためということですかね。

ちなみに、(2)のセルサイドのアナリストが中途半端な存在になってきた、というのは、個人的には、一面から見たらそんなことはないのでは、と思いました。

今年の夏からの某インターネット系企業Rの株価なんか見ても、セルサイドのアナリストのオピニオンが大きく動かしていたように見えたからです。



株価は、本来企業の実態に即してつけられるものですが、その実態は多面的でそして時間的に移ろい行くものなので、なかなかピンポイントに決まりにくい。

そんなときに、だいたいこれぐらいだろう、と複数の人間(アナリスト)が市場内で情報発信することで(これに、四季報予想も加わるのでしょうか)、コンセンサスが醸成されて、株価がつけられる。

良いのか悪いのかはわかりませんが、少なくとも、セルサイドのアナリストは直近の株価を動かす存在である気がします。

==日経から引用==
私の市場論(4)フィノウェイブインベストメンツ社長若林秀樹氏(株主とは)2006/12/23, 日本経済新聞 朝刊, 15ページ, 有, 1502文字


 ――日本の株式市場でもヘッジファンドの動きが目立ってきました。
 「一九九〇年代後半の金融ビッグバンを機に、市場での証券会社優位の時代は終わった。株式売買委託手数料の自由化を受け、機関投資家から受け取る手数料の料率が急低下した。企業と投資家がじかに接触する機会が増え、証券会社を『中抜き』する動きも広がっている。このため我々のように、証券会社のアナリストやセールスマンが独立して、ヘッジファンドを立ち上げている」
 「二〇〇一年ごろから年金など資産運用者の間で株価指数に対する『相対リターン』ではなく、株価指数の動きにかかわりなく高い運用収益を目指す『絶対リターン』への需要が高まってきた。相場が一本調子では上昇しない中で、株式のロング(買い持ち)だけでは限界があり、ショート(売り持ち)を併用するヘッジファンドの台頭につながった」
 ――証券会社のアナリストの仕事は減っているのですか。
 「この五年ほどで企業の情報開示姿勢が格段に良くなり、機関投資家はアナリストに頼らなくても様々な方法によって、比較的簡単に情報を取れるようになった。時価総額上位の四百―五百社については、アナリストが独自に提供できる付加価値は確実に減っていると思う」
 「〇〇年ぐらいまではアナリストが事実上、投資銀行業務を手掛け、有価証券の引き受けやM&A(企業の合併・買収)への助言によって企業から手数料を得ることが多かった。その後、調査部門と投資銀行の間に厳しいファイアウオールが設けられ、同業務を手掛けることは不可能になった。株式の流通市場と発行市場の両方で、アナリストは中途半端な存在になってしまった」

 ――アナリストに代わって機関投資家の役割が高まっているのでしょうか。
 「生命保険会社など伝統的な機関投資家の影響力も低下している。運用手法が原則として買い持ちだけで、売り持ちができない。投資対象は時価総額上位の三百社前後に限られており、上場企業の約八割を無視している。こうした制約がある中では、似たり寄ったりの横並び運用になってしまう」
 「ヘッジファンドの運用スタイルは自由だ。例えばアナリストが調査していない中小型株からも投資先を発掘できる。成功報酬を中心とする手数料体系なので、ヘッジファンドに資金を出している投資家と運用者の利害が一致しており、運用に専念しやすいのも魅力だ。結果として、大手運用会社を辞めてヘッジファンドを立ち上げる人々が増えている」
 ――証券会社や運用会社に所属していないと、情報を入手しにくいのではありませんか。
 「そうではないと思う。日本企業にもフェアディスクロージャー(公正な情報開示)の考え方が浸透し、無名のヘッジファンドであっても開示内容に差を付けることは少なくなった。当社にも企業のIR(投資家向け広報)担当者が日々訪れる。月に十社程度は上場企業の社長が直接説明に来てくれる」

 ――ライブドア事件や村上ファンド事件を機に、ファンドの規制論が盛んになっています。
 「投資家保護の観点から、外部からみて資金を何に投資しているのか分からないファンドに対して、規制を強めるのは当然だ。金融システムを守るために、過度なレバレッジ(借入金調達)に対する規制も必要だろう。だがヘッジファンドは既に取引銀行や証券会社から厳しいチェックを受けており、容易には不正を働けない仕組みになっている」
(この項おわり)
 わかばやし・ひでき 1986年東大院修了、野村総合研究所入社。97年ドレスナークラインオートベンソン証券。JPモルガン証券、みずほ証券を経て2005年12月現職。47歳。





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最終更新日  2006年12月23日 13時47分09秒
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