古代のロマンをたずねて part.3

古代のロマンをたずねて part.3

岡山


土曜日に仕事を終わってから先輩との二人旅です。

岡山に着いたのは、5時半くらいです。
ホテルについて、翌日吉備に向かう予定だったのですがまだ明るく、このままじっとしているのはもったいない。
何か良い案は無いかと、考えているうちに「そうだ、神武天皇が確か岡山に8年ほどいたはず、その場所に行きたいですね。」ということでどこだかわからないのに、そういったところへ行きたくなってきちゃいました。


もちろん、岡山城とか後楽園とかと違って誰に聞いても分かる場所ではないのでここは最初から最後の手段で、ple師匠に聞いてみることにしました。



ple師匠はとても親切ですぐに調べてくださいました。
そしてそこは、
高嶋宮というらしいこと、
そこは島で直接行けないこと、
でも高嶋というバス停近くに高嶋神社があり、遙拝所があるとのこと、
バスで小一時間かかること、
そろそろ暗くなるし行ってもそんなに期待の出来る場所ではないらしいとのこと。



う~ん、でも行きたい。
止めてホテルで祭り寿司でも食べてみてはとの貴重なご意見をいただいたのに、う~ん、やっぱり行きたい。



行って、実際にこの目でその場所をみてみたい。
そこの風を感じてみたい。


ついに誘惑には勝てませんでした。
私と先輩は一時間に2本しかない6:15のバスに飛び乗っていました。


バスに乗ると岡山の街が良く分かります。
綺麗で良さそうな街です。


わくわくしながらバスに乗っていると、だんだん人里から離れそのうえ少しづつ暗くなり始めてきました。

少しの不安を抱えながら、どうか一目見るまで薄暗くても良いので夜にならないで…。
祈るような気持ちでバスに揺られて約1時間。


道は細くなり海岸線で家も段々なくなってきます。
お店なんか全然ありません。



日没の直前に着きました。
まずは、細い道の向い側のバス停に向かい、帰りのバスの時刻を確かめます。
「えっ、うそ~。」
なんと反対向きのバスは一日に3本くらいしかも全部午前中のみ。
あー、どうりで回送のバスが多かったはずだ。


師匠の言うとおりだ、さすが師匠だと感心しながらとりあえず参拝することにしました。
たった一枚だけ撮った写真がこれです。
本当は夜の参拝は良くないのですが、日地没直前の神社です。




高嶋神社



この神社の向こうに小さな島があり、そこが高嶋宮です。
ただし、神武天皇8年滞在された高嶋宮は候補が他にもありここが一番有力だと言われていますが、古代のことなので正確ではないかもしれません。



でも、私達はきっとここだとばかりに悦に行っていました。
しばらく島をみたり、神社の周りを回ったりしてそれからふと、思い出したのです。
「そうだ、私達どうやって帰ろう。」



二人は、バスで来た方へ歩き始めましたが絶対に歩いては岡山駅まで帰れない。
そう思ったときに目の前のヤマハボートの会社の方が仕事を終えて、出てこられました。
そこで、思わず声をかけたのです。
「すみません、岡山まで帰りたいのですがタクシーはどうやって呼べばよいでしょうか。』


すると、親切にもその方は岡山駅までは行かないけれど、バスが通っているところまで車に乗せて行ったあげるとおっしゃって下さったのです。

なんという幸運、ありがたい。
すぐにお言葉に甘えることにしました。


車の中で色々お話をしました。

「ところで、何でこんなところでバスを降りたのかね。」

「はい、高嶋宮を見たくてです。」

「なんで、高嶋宮を見たかったのかえ。」

「はい、神武天皇が8年間おられたそうで。」

「へ~、そんなこと、よう知ってるんやねえ。今頃は地元のものでも知らん人が多いで。」

「私達は、一年に一度お祭りのときに正装して島に渡ることはしっとるけど、あんたらはところで、どこからきたんやね。」


「はい、大阪からです。」


「変わったお人やね。今までに、大阪から高嶋宮を見に来た人は初めてや。はははは。」


といって、みんなで大笑い。
そして、橋を渡ってたくさんバスの通るバス停まで送ってくださったのでした。


吉備(岡山)は古代から色々な文献で見かけます。
大和王朝とも深くかかわりのあった場所です。
神武天皇も8年もここに滞在されたにはよくよくのわけがあったに違いありません。


やっぱ、行って良かった。
先輩と二人で感激の一こまでした。


さて、翌日は朝から吉備に向かいます。
自転車で行きたいところをぜ~んぶいくつもり。
ホテルに帰って食事を食べに行ってそれからゆっくり眠ったのでした。














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