【英】ウィンブルドンテニス

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ウィンブルドンは素晴らしかった

The All England Lawn Tennis & Croquet Clubで開かれる全英テニス選手権。チケットが高い?1年前から手配しないと入れないんじゃない?そう思っている人は多いよう。もちろん、「最終日、男子決勝のセンターコート」なんていうのは難しい話ですが、第1週に十数面ある普通のコートを見て歩くだけなら、当日行って14ポンド(2800円)払えばOK!夕方からリセールチケット(3ポンド、600円)を買えば、センターコートにだって入れます。

もともと、早くにチケットを売り出すと転売を招き、そうすると価格が高騰し、一般市民の手の届かないものになってしまう、というのが理由で、普通のコートのチケットは前売りをしていません。みな平等に“qeue(行列)”に並ぶのがルール。
そんな精神もなかなか見事な、花と緑とテニスのテーマパーク、ウィンブルドンテニス大会の記録です。 (2003年6月26日)


小学校1年生からテニスを始めた夫とこのごろ本気のわたし。イギリスから日本への一時帰国の途上ロンドンに泊まって、憧れのウィンブルドンに行こう、ということに。
今回選んだ宿は、地下鉄District line(ディストリクト線)とPicadilly line(ピカデリー線)が乗り入れる、Earl’s Court(アールズコート駅)から徒歩2分の、 Oliver Plaza Hotel (ページ末にリンクあり)。宿代が高いロンドンでは掘り出し物の、1泊1室42.5ポンド(8000円強、朝食付き)。部屋、お風呂、トイレ、朝食、対応、安全、ほぼ問題なし。ヒースロー、ウィンブルドン、ロンドンの街中、すべてに交通の便よし!買い物便利。しかし、もちろん泊まること自体を楽しむ宿ではありません。エレベーターが壊れていて(ちょっと今壊れていると言っていたが、たぶん直す気はない、ずうっと壊れっぱなしだろう)、3階まで大きなスーツケースを持って上がるのがしんどかったな。

qeueウィンブルドン1週目、試合開始は12時で、開門が11時。Earl’s CourtからDistrict lineに乗り、数駅でSouthfields、徒歩3分、見えてきました、名物の “キュー(qeue、行列)” 9時半到着で、もう全然先頭が見えない・・・。チケットはひとり1枚、行列に並んだ証明書がないと買えないしくみで、「先に並んで3人分買っとくからねー」みたいなことはできません。10時45分に着いた友だちが「20分で入れた」と言っていたから、ぎりぎりにくるのが効率的な作戦ですが、 qeueにはqeueの楽しさがあって 、新聞の売り子さんの掛け合いを楽しんだり、プログラム(6ポンド、1200円)を買って予習したり、紳士な係員と雑談したり。行列の整理をするのが、横柄なバイトの若者じゃなくて、グリーンのジャケットに、クリーム色の帽子のにこやかな初老の紳士たちなのね。この日は急な雨もあって、 「わたしはウィンブルドンの行列に並びました」 というのと 「雨の中で並びました」 という2枚の記念ステッカーをもらいました。こんなのがうれしい。

strawberries_cream11時開門とともにスムーズに会場入り。チケット代を払うのには、カード類は使えないから、現金を用意しましょう。入った途端にまずは名物の、 Strawberries&cream 。イチゴに生クリームをかけたもの、3ポンドくらいでした。生クリームの代わりにソフトクリームをのせたものは、4ポンドちょっとかな?おいしかった。

screen大型のスクリーンの前には、すでにピクニック気分の人たちがズラリ。特別のチケットがないと入れないコート(センター、NO.1、NO.2)で行われる、ヘンマン(イギリスの星)やアガシの試合を見たいのに、普通の入場券しか持っていない人はここで応援。試合の合間には、以前の名勝負の映像も流していて、マッケンローやベッカー、グラフのプレイが懐かしい!この日は映画のロケもやってました。

line_judgeこの日は、日本人選手(女子/杉山、森山、浅越、宮城、男子/鈴木)の試合も多く、それらを軸に組み立てました。コート脇の観客席の作り方はいろいろですが、こんなに近くから見られるところも。一流選手のプレイはもちろんすごいけれど、心理の動きが逐一読み取れて、興奮してきます。でも観客はみなリラックスしているのもよいところで、夫は、試合中に席でお弁当を食べたりおしゃべりしたりするのに驚いていました。もっと選手本位で、見る方が気を使ってしーんとしているのかと思ったということ(全米オープンはそんな感じだったらしい)。選手は、周りに気を散らさない集中力が必要ですね。

ball_boy噂のボールボーイ。小学校高学年くらいの男の子、女の子。以前から優秀とは聞いていたものの、それでもびっくりするくらい見事。暑いのに一所懸命。にやにやするとか、手を抜くとか、ぼうっとするとか、そういう瞬間がちらりともない。きりっと、周囲に神経を張り巡らして、常に真剣で、全速力。こういう子を育てるのが、 名門寄宿学校あたりで培われたイギリスの伝統 なんだろうな、としみじみしました。

pimmsStrawberries&creamに続いて、名物 PIMM’S 。PIMM’Sというリキュールを、ジンジャーエールか炭酸で割って、ミントときゅうりとレモンを浮かべたもの。イギリスの代表的な夏のカクテル。 きゅうり? って思うでしょ。おいしいんです!ウィンブルドンによく似合います。ほかには、シャンペンを飲んでいる人もいっぱい。食べ物は中で買うとどれも高いので、事前に用意して持ち込むことをおすすめします。

playerその辺を歩いている選手に出会えるのも魅力。試合結果が気になるのは、観客も選手も同じです。

real_williams夕方に売り出されるセンター、NO.1コートのリセールチケットは、早く帰る人が指定の箱に入れて行ったもの(この収益はすべてチャリティにまわるらしい)。この列に、別行動だったボリビア人の友だち発見。いっしょに並んで、NO.1コートで行われるウィリアムズ姉妹のダブルスを見ることに。おお、これが 本物のウィリアムズ! ふたりいっぺんに見られて得した気分。試合は、アメリカ人とオーストラリア人の対戦相手が会場の声援を受けてがんばっていました。いい試合。強すぎて、観客に疎まれがちなウィリアムズ姉妹、妙齢の女の子たちだというのに、ちょっとかわいそうでした。試合は日没サスペンデッド。

ショップでおみやげに、タオルと、歴代大会のポスターの絵柄のポストカード(←これ、とても素敵でした)などを買い、1日存分に楽しんで帰途へ。ウェッジウッド製のウィンブルドン限定ボーンチャイナもよかったなぁ、と少しだけ心を残しつつ。ショップやミュージアムは、大会期間中以外にも年中開いているはずだから、また来ればよし。ウィンブルドンは、来てくれた人に楽しんでもらおう、できるかぎりもてなそう、という主催者の気持ちが伝わる場所でした。観客の中には、着飾ってセンターコートでごゆるりとしている方々もいらっしゃって、そんな人たちを見ているのもまた気分が盛り上がりました。アメリカとオーストラリアはだいたい想像がつくとして、フレンチオープンはどんな感じなのかしら?と、余計な旅行欲求をかきたてられもしたのでした。


ウィンブルドン2003の公式サイト http://championships.wimbledon.org/en_GB/index.html
Oliver Plaza Hotel(ロンドン、Earl’s Court) http://www.oliverplazahotel.activehotels.com/



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