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2011/02/15

『テンペスト』池上永一

(6)

テーマ：今日どんな本をよみましたか?(91785)

カテゴリ：読書

『テンペスト』 池上永一　／角川文庫

　勢いのスゴさに展開の強引さも気にならない

１９世紀の琉球王朝。嵐吹く晩に生まれた真鶴は、厳しい父の命に従い、男として生まれ変わることを決心する。名を孫寧温と改め、１３歳の若さで難関の科試を突破。憧れの首里城に上がった寧温は、評定所筆者として次次と王府の財政改革に着手する。しかし、王室に仕える男と女たちの激しい嫉妬と非難が寧温の前に立ちはだかる…。伏魔殿と化した王宮を懸命に生き抜く波瀾万丈の人生が、春の雷のごとく、いま幕を開けた。

初・池上永一さんです☆

テンペスト＝あらし、という意味だそうですが、すごく納得。
本を閉じた時、嵐の中を突っ切った後のようにガクガクでした。

文庫でたった4巻の物語なのにとにかく怒涛の展開で、
一気に読んでしまいました！

幕末時代、清と薩摩から支配を受ける琉球。

宦官と偽り寧温と名を変え、超難関の科試をわずか13歳で突破した少女真鶴は、
才能と手腕で無駄だらけの王宮の制度を次々と改革していきます。

男の世界でも女の世界でもバンバン敵を作りまくります。笑

だけど寧温には心強い味方がいるんですっ
寧温と同じく史上最年少で役人になった天才少年・朝薫、
その舞は王国一と噂の花当・嗣勇。
寧温のライバルであり真鶴と恋に落ちる薩摩の役人・雅博。

この小説、誰もかれもが個性的なのが面白いです
わたしのお気に入りは嗣勇♪
日和見主義な彼が寧温のために男気を発揮する姿が素敵です～

「その展開は絶対無理！」と少し白けてしまう部分もありましたが、
それでも、刀を持つことを禁じられた琉球が
“美しさ”を武器に諸外国と渡り合う様は痛快だったし、

寧温や朝薫みたいな気概が日本人にも欲しい所ですねぇ。

…がしかし、
そんな感動を遥かに上回る女性陣の強烈さがたまりません
年末位に思い返した時に頭にあるのは多分、
真牛の誇り高さ（というと若干語弊が…笑）と、

うぅむ。わたしも彼女達のように生きたいものだ。

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