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2008.05.05

映画「紀元前１万年」@上野東急

カテゴリ：劇場鑑賞

　４／３０（水）月末の最終回で客入りは５０名位で、小さなお子さんから年配方まで様々。上野と言う土地柄のせいか上映後に入場してくる人が多い。

紀元前1万年　特別版（2枚組） / スティーブン・ストレイト
映画の話
　人類や野獣、マンモスも生息していた紀元前1万年、勇気ある若者デレー(スティーヴン・ストレイト)は戦士たちを率い、襲い掛かるサーベルタイガーなどと死闘を繰り広げながら旅を続けていた。デレーは他民族の悪の帝王に奪われた最愛の恋人エバレット(カミーラ・ベル)を取り戻すため、失われた文明を目指し……。

映画の感想
　うーん、このつまらなさは何だ？
　私は監督の ローランド・エメリッヒ は正直大好きな監督である。
　その時々、旬のネタをＳＦＸを駆使してソツなく料理するドイツ出身の監督で、外から見たアメリカ像みたいな客観的な視線を持つ演出を得意とし「インディペンデンス・デイ」「デイ・アフター・トゥモローパトリオット」なんか凄い作品も作ってしまう監督だ。

　しかし、本作は何か作品全体に締りが無くダラダラとした感じで演出にもキレが無い。そして、何処かで見たデジャブ感覚に陥る。そう、本作は メル・ギブソン 監督「アポカリプト」に似ているのだ。「アポカリプト」は人間対人間の息詰まるサバイバルがテンションを落とさず描かれていたが、本作は一応、対人間なのだが、エメリッヒの悪い癖でＣＧを駆使したマンモスやトラや巨大な鳥を出して見世物的な事をしてしまう。また、その動物のＣＧの出来が悪い。鳥の出し方なんか スピルバーグ の「ジュラシック・パーク」にそっくりである。まぁエメリッヒは昔からスピルバーグに強い影響を受けた監督なので仕方が無いが、見ているコチラも目が肥えてしまい、いくら見たことの無い動物をＣＧで見せられても嬉しくも楽しくも無い。やはり、しっかりとしたドラマが有って初めて映画が成立するのだが、ドラマもかなり雑だ。

　まず、本作を見て驚いたのは台詞が有る事で、しかも英語を喋っているのには驚いた。この辺のリアリティの無さも映画をダメにしている。 オマー・シャリフ のナレーションだけでも良かったように思う。

　まぁ見所と言えば、とうとう大作の主役の座に上り詰めたエバレットを演じた カミーラ・ベル だろう。彼女は スティーブン・セガール 主演「沈黙の陰謀ロスト・ワールド」のオープニングで小さい恐竜に襲われてしまう少女を演じて、近作だと去年公開した「夕暮れにベルが鳴る」のリメイク版「ストレンジャー・コール」で主演をしていてブレイクするかな？と思っていた矢先に、こんな大作に出演してファンとして嬉しい限りである。

　作品はかなり大味でお子さんと見るには良いのかもしれないが、残酷なシーンもあるので注意が必要だ。