短絡が真実


でも質問用紙は脇に置いておいて、挙手で質問という段取りになった。

・・・や、やられた・・・!

用紙に書きっぱなしの質問は運がよければ答えてもらえるが、
挙手は自分でしないと答えてもらえない。
私はだんだん人間性そのものが試されている気がしてきた。

挙手をする。職業柄得意である。ダントツ一番だ。
「やっと身体を動かすのが楽しくなってきました。
御著書を読んで~くどくど・・・~20秒、
ウォーキングシューズでお気に入りはなんですか?私はリーボックです」

そこでまたまた叶恭子のすごさを感じてしまった。
自分にもはっきりしなかった質問の意図は以下である。

「鍛える気になったから動機付けを強化したい」

さらに「くどくど~~~」から、叶恭子はこう受け取ったようだ。
「くそまじめ」
「もう一押ししないとまずい」
「自信なさそう」

叶恭子は「リーボックって何かしら、運動靴かしらね」と叶美香と相談している。
私のくそまじめぶりを軽く受け流してくれているように思える。

「靴はそれでいいと思うわよ」そらそうだわ。
ここでお気に入りの高級靴名を披露してもらうことは意味がない。

「運動靴以外にヒールの靴を履いてみるといいですね。まずは5cm、次は7cm、10cmとあげていくといいわよ」
すかさず目的と具体的な数値目標が提案された。

どんな本にも書いてあるが、なにごとも目的とそれを達成するための小さな目標が必要で、数字で表すのがいいのだった。

「ヒールはトライしたことがなかったので是非挑戦します!」
というと「では3cmからがいいわね」と、あくまで親切なのである。


今日は5cmのヒールの靴を持ってきて会場で履き替えている。
ヒール靴は体に悪そうだからやめていたが、からだを鍛えて履くという大きな選択肢を思い出させてくれた。



・・・といったところで結局くそまじめなのだった。
たぶん私には何事にも「きゃー、かわいい靴!絶対履く!」という短絡さが求められているのだ。




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