がらくた小説館

自信

 「よく決心してくれたね」

「うん。なんか先生の言葉聞いてると勇気が湧いてきたって言うか…」

「そうか良かったよ。俺は絶対に君の病気を治すからね」

「うん。お願いします」

「それじゃ手術台に横になってくれるかい?」

「うん」

「それじゃ今から心拍数計るからね」

「はい」

「全身麻酔したからそろそろ眠たくなってくるよ」

「あっ。先生」

「ん?なんだい?」

「先生ってどうしてそんなに自信に溢れてるんですか?」

「それはね。努力をしたからだよ」

「努力?」

「うん。先生は誰にも負けないぐらい努力して勉強したから自信があるんだよ」

「そっか~。それで先生の言葉には説得力があるんだね?」

「まあ、そんなところかな?」

「先生。僕も先生みたいになれる?」

「なれるよ。君が努力すればね。だからまずこの病気を直そうね」

「うん。僕勉強頑張って絶対医大生になってみせるよ」

「そうかそうか。頑張れよ」

「うん」

「でも先生は高卒だけどな」

「えっ?何?なんか眠たくなっちゃった…」 





              了


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: