がらくた小説館

聖徳太子

 聖徳太子には有名な逸話が残っている。

「一度に七人の人の話が聞ける」と言うものだ。

 しかし実は現在も少なからず、そんな能力を持つ人がいる。
勿論選ばれた人間には違いない。

 では、その能力が最大限に使われたエピソードを一つ紹介しよう。

 一瞬の静けさの後、一人の女性が話始めた。

「お久しぶりです。いきなりですが、議員がこの前発言されたことに対して、ニ三の…」

 女性はなおも話を続けているが

「あれはないよ」

「秘書給与の問題は」

「収賄の話はどうなった」

「受け取ってるんだろ」

「そもそもおかしいことだらけじゃないか」

「どう責任取るんだよ」などの罵声が飛び交った。

 しかし聖徳太子の能力を持った男はそれらすべてを聞き取り、そしてすべての質問に対してこう答えた。





「記憶にございません」















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