がらくた小説館

大人のピンポンダッシュ



 小学校時代の友人と久しぶりに会い、昔を懐かしむあまり、昔よくやった遊びをすることになった。
 あの頃一番はやったのがピンポンダッシュ!

 しかし自分達はもう三十歳手前。
 そんなことは分かっていたが、少しでもあの頃に戻りたかった。

 そして…。

「ピンポ~ン」

 一瞬の静寂の後、玄関のドアが開き、中から家主が出てきた。

「はい。どちらさんですか?」

「すいません」と答える俺。

「は?」

「申し訳ない」と言って頭を下げる旧友。

「いたずらですか?」と家主。

「弁解の余地もありません」と俺。

「ふざけないでください」と言ってドアを閉める家主。

 そして俺達は、ダッシュで走り出した。行くあてもなく…。





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