合コンで出会った彼女はとにかく我侭で、とびきりの美人だった。
高値の華過ぎて、自分のものにはならないということは誰の目にも
至極当然のことだった。
会話は続かないし、およびでないのよあんたなんか!!と言わんばかりの振る舞い。
勿論彼女をゲットしようとは誰もが考えもしなかった。
だが、俺はガンガン攻めてみた。どうせ無理なのだからという、とりわけ開き直りの精神
だった。それに駄目ならそれで友人との酒の肴にでもなるだろうという軽いのりでもあった。
無愛想なくせに、車で送ると言ってみると「ありがとう」と言って微笑んだのは、まさにアッシー
としての地位を俺に授けたに違いなかった。
だが、車中二人きりになると、彼女は豹変したかのように大人しく、そして優しい一人の女の子
だった。本当は男性恐怖症なのだという。だからああいう場所では強がっていたらしい。
友達に無理やりつれてこられたのも、本当はリハビリのようなものだったとまで告白してくれた。
そんな話を聞いていて、俺はいつしか彼女に恋をしていた。
彼女は車を降りるとき、深々と頭を下げて「ありがとう」と言った。
そしてデートの約束まで取り付けることができた。
まさに青天の霹靂だった。
早くその日が来ないだろうか。待ち遠しくて仕方が無い。
11月31日 運命の日まで後一週間を切った。