がらくた小説館

怖い話(実話)

この話は三年ほど前になります。当時私は駅からバスで仕事に通ってました。

その空間での出来事なんですが、その日私はバスの後方一人席に座っていました。満員というほどではありませんでしたが、席はおおむねうまっていたと思います。

私の降りる停留所までは役15分たらず。ですが私はバスが走りだしたと同時に腹痛にみまわれたんです。

我慢できない。しかし一度走り出したバスと私の腹痛は止まることを知らない…

周りの景色が霞んで見えました。生き地獄とはこのことを言うのでしょう。

そんな状況下で、私は子供の頃のことをふいに思い出していたんです。

あっ、俺ここで死ぬんだな…とも思いました。こんな極限の状況下で子供の頃なんか思い出したりしてるんです。まさに死ぬ前のひとときのように…。

その時です!!私はすっかり気が抜けていたんです。

おならがでました!!何発も!

でも音は出ませんでした。それと同時に腹痛が和らいでいくんです。

背に腹はかえられません。私は力ある限りにそれを連発したんです。

すると今度は「コホン、コホンッ」とすぐ後ろで音がしました。

振り返ると、そこには鼻を抑えてむせ返る、美しい女性の顔がありました。


でも、苦痛に歪んだその顔は、とてもとても恐ろしいものでもありました。








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