2004年07月04日
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 マサチューセッツ州の西部はバークシャー(Berkshire)地方と呼ばれ、ニューヨークやコネチカットの大金持ちの別荘や、超々高級リゾートホテル(一泊、$1500とか)がたくさんあります。また、多くの芸術家が住んでいて、あちこちにアート・ギャラリーがあります。
 バークシャーの真中へんにある小さな町、レノックス(Lenox)郊外で、毎年夏に開催されるタングルウッド(Tanglewood)音楽祭は、超一流の音楽家が集まるアメリカ最大の音楽祭として、世界的に有名です。ことに、指揮者の小沢征爾がウイーンに移るまではここで大活躍していたので、日本人には超有名です。

 昨年も是非訪れたいと思っていたのですが、ついに行かれませんでした。ヒロキをサマー・キャンプに預けたので、今年はチャンスです。昨日のキャンプ場から、少し道に迷いながら1時間強、タングルウッドの森に到着しました。
 今日は午前10時から、「タングルウッド・ミュージック・センター」という、ボストン交響楽団が夏に開く、学生のための音楽学校のメンバーによる演奏会があります。
 会場は、その名も「セイジ・オザワ・ホール」と言い、外側はレンガの倉庫のようですが、内部は木を多用した、東南アジアのリゾートホテルのようなつくりです。ホール後部は全開できるようになっていて(まるで、日本の雨戸のように)、後方の芝生からも演奏会が楽しめます。ピクニック用の椅子を持ってきたり、敷物の上に寝そべって音楽が楽しめるのです。本格的な演奏会のときは、内部の良い席は$100、芝生席は$15くらいで売り出しますが、今日は学生演奏なので、どの席でも$10です。開演時間までにほぼ席は埋まり、芝生席にも人はたくさんいました。
 学生なので、レベルはどうかな? と少し心配していたのですが、すばらしい演奏でした。たった$10で、バッハの「ブランデンブルグ協奏曲3番」、メンデルスゾーンの「弦楽四重奏(Op.87)」、ストラビンスキーの「2台ピアノによる協奏曲」、アイヴスの「歌」、ストラビンスキーの「ダンバートン・オークス」と2時間半もの充実したプログラムでした。

Seiji Ozawa Hall
まだ、開演まで時間があるので観客がまばらですが、最終的には結構いっぱいになりました。写真左側が芝生席です。

 今年はこの「セイジ・オザワ・ホール」の10周年記念で、8月1日に小沢征爾が来ます。ピアニストのユンディ・リーも共演するので、きっと日本からのおばさまツアー客でいっぱいになることでしょう。(それにしても、この組み合わせ、商業主義みえみえですね。)
 その他にも、、五嶋みどりや、ヨー・ヨー・マや、パールマンなど、超有名人のコンサートが目白押しです。

 さて、タングルウッドをあとにして、隣町ストックブリッジ(Stockbridge)へ行きました。ここにはアメリカを代表するイラストレーターの、ノーマン・ロックウエル(Norman Rockwell)美術館があります。彼はこのストックブリッジの町を気に入って、晩年の25年間住んでいたので、町の英雄です。彼が1967年に描いたストックブリッジのメイン・ストリートは、今も全くそのままでした。

 特別展では、「Mississippi Murder(ミシシッピー殺人事件?)」という作品が展示され、ロックウエルがモデルをどのように使ってこの作品を仕上げたか、習作も並べながら説明してありました。
 しかしこの作品、白人二人と黒人一人が銃で撃たれて殺されている絵なのですが、何を意味しているのでしょうか?

 家に帰ってから調べてみました。この事件は公民権運動が盛んであった1964年、ミシシッピー州の地方都市フィラデルフィアで、ニューヨークから来た白人の活動家二人(白人)と地元の活動家(黒人)が、地元の保安官(実は彼はKKKのメンバーであった)によって多数のKKKに引き渡され、射殺された事件だったのです。この事件は「ミシシッピー・バーニング」という映画にもなっているそうです。おそらく、事件から40周年を記念して、特別展をしていたのでしょう。

 また、1960年ニューオリンズの白人の学校に初めて入学を許可された黒人の少女「ルビィ・ブリッジス」の登校風景・・・4人のU.S.マーシャル(連邦執行官)に護衛されている・・・の絵が印象的でした。

 ロックウエルは、顧客のニーズに忠実な「職業画家」であったようで、彼自身が「社会派」だったわけではなさそうですが、とても人気の画家でしたから、社会に与える影響は大きかったことでしょう。

 帰りは州道183号、州道23号と、田舎道を時速35マイルで1時間走って、やっとOtisという町につき、そこから州道8号に乗り、コネチカットにはいって8号のハイウエー経由、I-84、I-691、I-91と時速70マイル以上出せるようになり、あっという間でした。地図上では遠回りに見えても、なるべくハイウエーを通ったほうが、結果的に早く着きます。しかも日本と違って、ハイウエーは原則的に無料です。

 ヒロキのいない、ちょっと大人の休日でした。









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最終更新日  2004年07月07日 03時35分19秒
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