法律なんて怖くない!

法律なんて怖くない!

2008年04月07日
XML
カテゴリ: 倒産法




担保物権とは,民法でやる担保物権であり, 留置権(Wikipediaへのリンク) ・ 先取特権(Wikipediaへのリンク) ・ 抵当権 ・ 質権 を言います。

担保物権というのは,文字通り担保となるものであり,債務者(=お金を借りた人)の経済状態が悪くなった時にこそ効果を発揮するのです。なので、いくら破産手続で、「 債権者平等の原則がある 」と言っても担保の効果が無くなったら担保の意味がありません。

そこで,抵当権・質権・特別の先取特権は破産法上「 別除権 」と呼ばれて,破産手続から別に除かれます。

(別除権)
第六十五条   別除権 は、破産手続によらないで、行使することができる。
2  担保権(特別の先取特権、質権又は抵当権をいう。以下この項において同じ。)の目的である財産が破産管財人による任意売却その他の事由により破産財団に属しないこととなった場合において当該担保権がなお存続するときにおける当該担保権を有する者も、その目的である財産について別除権を有する。


ちなみに,これ以外の権利はどうなるかと言いますと, 一般先取特権 はもともと債務者の全ての財産に優先するので,「別に除く」べきものがなく,優先した債権者の地位になります(優先的破産債権)。

(優先的破産債権)
第九十八条  破産財団に属する財産につき 一般の先取特権 その他一般の優先権がある破産債権(次条第一項に規定する劣後的破産債権及び同条第二項に規定する約定劣後破産債権を除く。以下「優先的破産債権」という。)は、他の破産債権に優先する。
(以下略)


民法上の留置権 は,破産手続では効力を失い,無担保の債権者と同様になります(商法上の留置権は,特別先取特権とみなされます。ここで,留置的効力も認められるのかが問題となりますが,判例は留置的効力を認めているとされます(最判平成10年7月14日))。

(留置権の取扱い)
第六十六条  破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき存する商法 又は会社法 の規定による留置権は、破産財団に対しては特別の先取特権とみなす。
2  前項の特別の先取特権は、民法 その他の法律の規定による他の特別の先取特権に後れる。
3  第一項に規定するものを除き、破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき存する 留置権 は、破産財団に対してはその効力を失う。


なお,別除権者といえども,完全に自由というわけではなく, 破産管財人が換価手続 をすることもありますし, 処分の期間を定められてしまうこともあります 。別除権者がいつまでも換価しないときに,184条・185条が適用されるそうです。

(換価の方法)
第百八十四条  第七十八条第二項第一号及び第二号に掲げる財産の換価は、これらの規定により任意売却をする場合を除き、民事執行法 その他強制執行の手続に関する法令の規定によってする。
2   破産管財人は 、民事執行法 その他強制執行の手続に関する法令の規定により、 別除権の目的である財産の換価をすることができる 。この場合においては、別除権者は、その換価を拒むことができない。
(中略)
(別除権者が処分をすべき期間の指定)
第百八十五条  別除権者が法律に定められた方法によらないで別除権の目的である財産の処分をする権利を有するときは、 裁判所は、 破産管財人の申立てにより、 別除権者がその処分をすべき期間を定めることができる 。


また,競売手続によると価値が下がることが多いので,あらかじめ 抵当権を消滅させて 高く売るという手段も認められます。

(担保権消滅の許可の申立て)
第百八十六条  破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき担保権(特別の先取特権、質権、抵当権又は商法 若しくは会社法 の規定による留置権をいう。以下この節において同じ。)が存する場合において、当該財産を任意に売却して当該担保権を消滅させることが破産債権者の一般の利益に適合するときは、破産管財人は、裁判所に対し、当該財産を任意に売却し、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める額に相当する金銭が裁判所に納付されることにより当該財産につき存する すべての担保権を消滅させることについての許可の申立て をすることができる。ただし、当該担保権を有する者の利益を不当に害することとなると認められるときは、この限りでない。
(以下省略)


なお, 担保権を実行してもなお債権の全額が弁済できない場合には,不足額については 普通の債権者として破産手続に参加できます(これを不足額責任主義と言います)。

(別除権者等の手続参加)
第百八条  別除権者は、 当該別除権に係る第六十五条第二項に規定する担保権によって担保される債権については 、その別除権の行使によって 弁済を受けることができない債権の額についてのみ 、破産債権者としてその権利を行使することができる。ただし、当該担保権によって担保される債権の全部又は一部が破産手続開始後に担保されないこととなった場合には、その債権の当該全部又は一部の額について、破産債権者としてその権利を行使することを妨げない。





応援していただける方は、下記のバナーをクリックしてください。
バナー


【参考本】


倒産法概説


執筆者は学者の先生ですが、あまり固くなく、比較的読みやすい本です。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2008年04月07日 08時11分55秒
[倒産法] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: