マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2009.09.29
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走り出して暫くすると、後ろから2人のランナーが追いついて来た。A津さんとI島さんのコンビ。共に横浜にお住まいとのこと。年長のA津さんは3度目の参加で、I島さんは初参加のようだ。スタート直後に歩くような足取りだったのが年長のA津さん。練習で腰を傷めたとか。だから出だしは慎重だったわけだ。

ここは高台が5kmほど続き、抜群の眺望が展開するところ。海に向かって黄色く色づいた田んぼが広がっている。「ここがR子さんが好きだったところなんだよ」と2人に教える。「私はこんな風景を見ると、思わずそっちの方に行っちゃうんですよ」と話していたR子さん。そして、「またどこかでお会いしましょうね」と風のように去って行った彼女。

あれは第1回の時だった。「またどこかでお会いしましょうね」と言われても、どこで会えるの?それが私の実感だった。だがウルトラレースの場合は距離が長いために何度かコース上で再会することが多く、きっと「また会ったらその時はよろしく!」と彼女は言いたかったのだろう。今ならそう思えるのだが、初参加の私は不安の方が強かったのだと思う。

49km過ぎ。とうとう下り坂になる。「第1回と第2回の時は、この家で脱穀をしていたね」とA津さんに話しかけると、「刈り入れが早かったんですね」との返事。「第2回の時、この坂は雨で川のようになってたね」。「そうでした。あの時は急に降って来たんでしたよね」。彼も覚えていた。「下り切ると3つの小さなトンネルがあるよ」。もう返事はなく、私は一気に前に出た。

いつしか強い風は治まっていた。北鵜島の荒々しい海岸には、やはり私の記憶通り、小さなトンネルが3つ連続して出て来た。1つのトンネルで私は雨を避けながら、地図に書き込みをした。それで鮮明な記憶として残っていたのだろう。前方にようやく本物の「大野亀」の絶景が見え出した。

海に突き出した火山岩の塊。そして麓には緑の芝生。その異様な光景は一度見たら忘れることはないだろう。それはまるでガラパゴス島に生息するゾウガメの背中のように丸くゴツゴツしている。53km地点。ここでトイレを済ませ、展望台のレストランで野菜ジュースと豆乳を飲む。いずれも体に優しい飲み物だ。間もなく横浜コンビが追い着くが、私は一足先に出発した。

分岐点で一周道路と別れ、二つ亀自然歩道方面に向かう。途中の「願」集落。ここはどの家にも表札が見当たらない。「表札が無いのは皆同じ姓だからだ」と誰かが言っていたのを思い出す。本当にそうなのかを確かめるため、たまたま通りかかった住民の方に尋ねてみた。答えは「山口が2軒いるけど、後はバラバラ」だって。ふ~ん。どうやら噂はガセネタだったようだ。

集落を過ぎると海岸に出、道路が凸凹の石の道になる。ここで不機嫌なっ女性ランナーを抜き去る。前方からは観光客の列。きっと「賽の河原」を見学して来たのだろう。500mほど行くと、右手におどろおどろしい風景が飛び込んで来る。先ずは岩窟の中の観音堂。そして何百体ものお地蔵さんと赤い風車。ここがあの世を再現した「賽の河原」だ。たまに映画のロケ地になることで有名なのだとか。どちらでも手を合わせてR子さんの冥福を祈った。

さらに進むと前方に「二つ亀島」。これも2匹のゾウガメが寄り添ったように見える佐渡の名所だ。ここが55km地点。足場の悪い海岸の道がさらに続く。私はここを1度しか通っていない。それも逆周りだったため記憶がない箇所もあって、分岐点では迷ってしまった。ようやく弾崎の灯台が見え出す。だが最後の上り坂でガス欠になった。もうすぐ第2ASなので我慢をしていたのが悪かったのだろう。フラフラしながら必死で坂を登る。





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Last updated  2009.09.29 17:33:57 コメント(4) | コメントを書く


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