マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2010.09.03
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 16時11分。ようやく坊平スキー場のリフト前まで下山。県境から1時間以上走って降りた計算だ。ここは標高1100m。空には珍しいパラグライダー。きっと上昇気流があるのだろう。16時21分、60km地点のライザワールドへ到達。ここには宿泊施設やスポーツ施設があり、夏は各種の合宿で賑わっているみたい。折しも芝生で走るランナーが何人か見えた。いやはや、遠い道のりだった。

 凄い勢いで流れる小川の脇に「御田神」の石碑。16時25分、その傍に腰を下ろしてお握りとお菓子を食べる。2時間20分ぶりの休憩だった。休みながら石碑の意味について考えてみた。一般的に蔵王山系の水は酸性のため飲用には適さないものが多い。蔵王温泉を流れる川は酢川。きっと飲むと酸っぱい味がするのだろう。

 ところがこの小川は「田圃の神様」と崇めるほどだから、きっと飲めるに違いない。試しに水を掬って飲むと、なかなかの味。喜び勇んでペットボトル2本に清らかな水を満たした。見ると川の底に黒い導管が2本。やはり飲用水に利用している証拠だ。16時35分、下山開始。間もなく蔵王温泉まで12kmの標識発見。自宅からここまで62km走ったことになる。

 上山市永野の交差点まで下りた。蔵王温泉まで9kmの標識あり。ここでエコーラインは終わり、名称が「蔵王ライン」に変わる。ところが道はどこまで行っても登り坂。「おかしいなあ。こんなはずではなかったのだが」。そうは思っても現実の道は、ひたすら上へ上へ。後で考えたら娘の運転で蔵王温泉からエコーラインに向かったことがあったが、あの時も確か途中で一旦下り、再び登った気がする。

 両手が浮腫んでパンパンに腫れ上がっている。顔の周りを小さな蚊がブンブン纏わりつきながら飛んでいる。思いがけない登り坂の連続。疲れて重たい脚。そしてその上にしつこい蚊。ヘレンケラーほどではないが、こちらも三重苦との戦いが続く。その時「人の一生は重き荷を負ひて長き坂を行くがごとし」と言う家康の言葉を思い出した。

 幼い頃から長い間人質として親から離れ、他国で暮らした家康ならではの言葉だと思う。ウルトラランナーもまた然り。背中の荷物は重たく、擦り傷が痛む。長い坂道はどこまで続くのか分からない。でも、この厳しさ、辛さに耐え抜くのがウルトラランナーの使命。しつこい蚊を払おうと自分の顔を叩く。鼻も、耳も叩く。この野郎~



 どうやらハードロックのコンサートみたい。ここでは低音だけでなく、様々な楽器の高音まで聞こえた。とても音楽とは思えない大騒音が、静かな山の中に響き渡る。駐車場係の若者に蔵王温泉までの距離を尋ねると、「走る距離ですか?」と逆に質問された。距離にランも車もないだろう。どうも地元の人じゃない感じ。諦めて再び坂を登る。

 道路の左右にリフトがあるのを何箇所かで見かけたが、あれではスキー客が車と衝突するだろうと不思議に思っていた。後で地図を見たら、道路は「冬季閉鎖」とある。なるほど、それであんな風に配置されていたのかと納得。それにしても山形時代の職場の山荘への分岐点がいつまで経っても現れない。あの場所が出て来ないのは、まだゴールは遠いと言うことか。<続く>






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Last updated  2010.09.03 19:31:51 コメント(4) | コメントを書く


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