椿荘日記

椿荘日記

バレエごっこ、オペラごっこ。




東京、大田区にマリの姉が住んでいます。
4歳年上で、性格も体格も全く違うのですが、育った環境が同じ(姉妹なので当たり前ですけれど)せいか、趣味も一致し、話も合うので、コンサートや観劇など誘い合って出かけています。
私が二十歳を過ぎた頃から、よく行動を共にするようになり(それまでは子供だったので相手にならなかったのでしょう)、今ではお互いに一番の「友人」だと思っています。
今日は渋滞で私の到着が遅れた為、白金は諦めて、蒲田の「つきじ植村」で昼食を取ることにしました。他のお客さんはお弁当など、ランチらしいのですが、お酒好きな姉妹は小上がりで、一品料理を頂きながら、お昼間から宴会です。
日ごろのぐちや両親のことなどの四方山話の後、コーヒーを飲んで、夕方近くに解散ということが、かれこれ八年続いています。
昔は喧嘩ばかりしていたのですが、決して仲が悪かったわけではありません。
子供の頃姉とよくしていた遊びに、バレエごっこ(二人ともバレエを習っていたので、発表会の衣装を着て、チャイコフスキーの「白鳥の湖」などのバレエ音楽を聞きながら、出鱈目に踊る)と、オペラごっこ(母のナイトガウンやネグリジェに、装身具をありったけ付けて、「椿姫」や「カルメン」などのオペラのレコードに合わせて歌う真似をする。当然物凄く叱られました)があり、二人で夢中になって遊んだものです(確かにクラスのお友達とはあまり出来ない遊びでした)。
姉が中学に上がり、私が引きこもりがち(四年生の頃から、学校から帰るとヘッドフォーンでストラヴインスキーの「火の鳥」~モントウー、パリ管~を聞いてばかりいて、外遊びが激減)になると、余り話しをしなくなりましたが、姉がたまに買ってくるレコード(ユーミンなどポップスも混じっていました)を一緒に聞いたりと、交流はありました。
そして過渡期の中学時代を過ぎ、高校を終える頃、やっときちんと向き合えるようになったのです。
たまにお酒を飲んでの昔話に「バレエごっこ、オペラごっこ」が出てくると、二人で噴出してしまいます(同席している義兄が何のことやらと言う顔をしていますが)。何か、懐かしい宝物を共有している感覚は、くすぐったいような、不思議な嬉しさがあります。




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