椿荘日記

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マーラーの第三交響曲


マーラーシリーズの四回目で、私は今年春の三回目、第五からの参加です。
やはり生音は素晴らしいの一言、勿論ベルテイーニ率いる都響の演奏もどうどうたるもので、四楽章の伊原直子のアルトも深く、内省的で、様々なイメージを喚起させられました。

第三は若きマーラーの、意欲や多様なイメージの横溢する、その後の作品を予想させられるフレーズと表現に満ちた興味深い作品です。
私はホールで直に聞くのがこれが始めてで、低音の弦など、CDでは聞き落としていた響きに酔いしれていました。
コンサート後、同行した知人とロイヤルパークホテルのメインバー「ロイヤルアスコット」(マリのお気に入り。隠れ家のように親密な空間と優雅な調度品、丁寧なサービスがとても幸せな時間を作ってくれます)で美味しいお酒を片手に、「意識的(もしくは能動的)に音響の波(優れた、しかし未だ名のない表現)に身を任す快さ」について話し合いました。

さて、これからは衣装のお話(男性諸氏には関心の薄いお話ですね。ごめんなさいね)。多くの女性はお出かけの際の服装に気を配るのが楽しみ、マリもその例に漏れず、です。
今日のコンサートはマチネーなので、CHANELの黒のツイードスーツに致しました。シルクのトリミングにスカラップ風のテープがアクセントに添えられている、マリの自慢の品です。小さいポーチの付いた赤の皮とメタルのベルトに、黒のキルテイングのオペラバッグ、いつもなら合わせて同じデザインのパンプスにするのですが今回は敢えてMAUD FRIZONの黒サテンのバックベルトサンダルにしました。つま先と踵に白いパイソンが張ってあります。
そして仕上げはもちろんカメリア。ベルトと同じ綺麗な赤で、スーツを購入したBOND STREETのお店で見つけました。

そう、本当はマーラーのコンサートの予定はもうひとつあったのです。ミネソタ交響楽団の第六で、大植氏の指揮と共に前評判は上々で、とても楽しみにしていたのですが、例のテロ事件の余波で来れなくなって(だそうです?!)直前にキャンセルになってしまいました。今回も同行した知人は口が悪いので「敵前逃亡」などど申しておりましたけれど(笑)。本当はその公演でお気に入りのJAGERのラメ入りの黒のチュニックジャケットを着たかったのですが、そう申し上げますと何だか、ジャケットが着れないことの方が残念の様に聞こえますけれど(笑)。

平成12年11月24日(土) 記





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