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ミーコワールド
七章
「しかし、久江に何があったのでしょうね」と僕が言うと森本は「直接には2年前の同級生からの嫉妬事件が絡んでいるのは確かですね」と答えた。
僕は森本がさげて来た「大きなグラス」にウィスキーをなみなみと注いでやった。
森本は口を近づけてすすり、飲み込んでから、クックックックッとこらえて笑っていたが、こらえ切れずに大声で笑い出した。
僕は「どうしたのですか」とわざと尋ねてやった。
「だって」と言ってまた笑った。
「だって、そうでしょう。あの久江がこんな格好でウィスキーを飲んだかもしれないと想像しただけで、もう、おかしくて、おかしくて」と
言ってしばらく笑い転げていた。
「彼女は好奇心が強くて何でも自分でやらないと気が済まないたちでしたから、けしかければきっとやったでしょうね」と僕は言った。
「梶さん、させておけば良かったのに」と森本が言うので「あなたもなかなか意地が悪いですねえ」と返してやった。
森本は「離婚してから彼女はどんな生活をしていたのでしょう」と言った。
「始めはごく普通でアッケラカンとしていたのですが、日を追うごとに痩せて表情が険しくなって行きました。
聞くところによると、別れた亭主が別れてからも愛人になれと言ってつきまとっていたらしい」と僕が言うと森本は
「ええっ、それじゃ離婚はどちらから言い出したのだろう」と言った。
「さあ、定かではありませんが、状況からして亭主の方からではないかな。女癖の悪い奴でしたから」
「でも、彼女はじっと我慢していたでしょう」
「我慢していたかどうかまでは判りませんが、ついて来る女を無視していましたねえ」
「それじゃ、どうしてそんな男と結婚したのでしょう」
「何でも、日参して父親に嫁に欲しいと言ったらしい。父親も根負けして望まれて行くのなら、と言ったとか言わないとか・・・・・。
また、こんな話も聞きました。あんなに毎日来るのをムゲに断って家に火をかけられたり、久江を殺されたりしたらもっと困る、
と親戚に漏らしていたとかいう話も耳にした事があります」
「やはり亭主の知り合いだけあって梶さんは良く知っていますねえ。それじゃ、まるでやくざじゃありませんか。大変なのに見込まれたものだ」
「そうだなぁ、バッチをつけていないだけでやくざな考え方の男ですねえ。結婚してからも2ヶ月くらいしか生活費を家に入れなくて、
それで久江は子供が生まれるとすぐ会社勤めを余儀なくされたのです。
かわいそうに、小さな子供をかかえて自分の僅かな給料の中から亭主のガソリン代まで払っている、と僕に言った事があります。
他の女を乗せて走る車のガソリン代をですよ。
その頃、僕は自分の生活で精一杯で何もしてやれませんでした」
「そんなのに比べると僕の方がまだマシですか。生活の心配だけはさせなかった」
「それはどうですかね」
「心が自分に向いていない亭主といるのは金に代えられないほど辛い、という事ですか」
森本はそう言って黙ってしまった。
僕は「そういう意味では久江の亭主も同じだったと思いますよ。
好きで好きで日参までして自分のものにした久江はいつも他の男の影を引きずっている。
どんな事してでも自分に屈服させてやる、と思ったのでしょう」僕はそう言いながら、本当の所、久江は誰の面影を追っていたのだろうと思った。
あの当時の久江は体をかなり壊していて、いつも病院で貰ったおびただしい数の薬を食後に飲んでいた。
それでもフルタイムで仕事をしている久江がかわいそうで、そっと抱き締めてやりたい衝動に駆られる事が何度もあったが、
そんな事をすると僕の方が壊れてしまいそうで、できなかった。
ちょっとでも触れようものならガラス細工が粉々に砕け散るように久江が粉々になりそうな気がした。
久江は思いっきり両足を踏ん張って生きているようであった。
そんな久江にせいぜい優しい言葉をかけてやるのだけが僕にできる唯一の事であった。
突然、森本から「梶さん、どうかしましたか」と声を掛けられ、はっとして顔を上げたが思わず涙がほほを伝い狼狽した。
「あの子はずいぶん苦労したのですねえ。 かわいそうに。でも、あなたがそばにいてやって下さったので久江も救われたでしょう」と
森本はつぶやくように言った。
「あの時点で僕が連れて逃げてやっていればこんな事にはならなかったのかも知れない」と僕が言うと森本は
「彼女はそんな事はしませんよ。もし、仮にあなたがそんな事を持ちかけていたりしたら久江はその時点で死んでいたか、
行方をくらましていたかですよ」
「そうでしょうか。僕が、僕の所へおいで、と言ってやっていたら来ていたと思いますよ」そう言うと
「いや、そんな事はないと思います。そんな事したら、あなたの奥さんや子供が不幸になる、そんな事はさせられない、と考える女ですよ。
「だから僕は自分の家庭を破綻させてから彼女に会おうとしたのです」
僕は森本の顔をじぃっと見詰めた。
森本は目を膝に落として「でも、もう全ては終わりました。久江はもういないのですから」と言った。
僕は尚も久江の事を考えていた。
離婚時、慰謝料を貰えない理由になった相手は誰だったのだろう、と。
森本にその事を言ってみた。
「えっ、そんな事があったのですか」と驚くので「この前、言いませんでしたか」と言うと「そう言えば聞いたような気がするなぁ」と答えが返ってきた。
「久江の話だと、結婚式の日にその男が来ていて『離れた所から久江の花嫁姿をじっと見ていただろう、お前が呼んだのだろう』と
亭主に言われた、と僕に言いました」
「そこまで言っておいて名前を言わなかったのですか」と聞く森本に
「ええ、名前を言えと言ったのですが、『誰だか私の知らない人よ。もういいわ、デッチ上げしてでも捨てる女に金は出せないという魂胆よ』
と言っていました」
「梶さん、ちょっと待って下さい。本当に名前は聞いていませんか」と急き込んで尋ねるので「何故です」と聞き返した。
「いやぁ、実は僕、友達から聞いてまさかまさかと思いながら行ったのです。式場でじぃっと見ていたのは僕です。
でも久江は気付いたようすはありませんでしたよ。亭主も知らなかったはずですが。
僕を知っている誰かがいて、亭主に耳打ちでもしたのかなぁ。
だけど、離婚の時、亭主から名前を言われて全く知らないなんて変な話だなぁ。他にもいたのかなぁ」と言って首をかしげた。
しばらくして森本は「あっ」と跳び上がらんばかりの声を上げた。
「何か心当たりでもありますか」と聞く僕に「梶さん、この前来た時に、2年前高校時代の友達にひどい事をされたのが原因で
尚更久江は落ち込んで行ったと言いませんでしたか、僕」と森本は真剣な顔で聞いた。
「ああ、聞きましたよ」と答えると「それだ、アイツだ」と確信に満ちた顔付きでうなずいた。
「誰です、それは」と僕も身を乗り出して聞いた。
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