花より男子★二次小説   夢 桜 庵

新たな道へ 2 




食堂から徒歩で5分程にある図書館は小さいながらもつくしが必要と


いる書籍が多く、また閑散としている為、勉強し易い環境だった


今日も人がまばらで早速勉強を始めようと学習コーナーに向かった


向かう途中、経済誌が置いてあるコーナーに目をやると自分の見知った顔が


掲載されていた。


すかさず経済誌を手に取り、机に向かうと掲載されていた記事を


読み始めた


そこには、花沢類が大学在学にもかかわらず大きなプロジェクトを成功させ


たという記事と、プロフィールが載っていた


(・・・そっかー、花沢類頑張ってるんだね・・・高校の時は授業さぼって


 ばっかりで、いつも非常階段が好きで寝てばっかりいたのに・・・ふふっ


 でも、こうやって雑誌に載っているところを見てると


 本当私と花沢類は別世界の人間だってよく分かる・・・


 こんな人達と一時でも一緒にいたって事自体が夢みたいに思えるね


 ・・本当良い夢を見させてもらったね、私は。


 一生分の運使ってなきゃいいけど・・ははっ。


 私は、あの時誓ったんだ・・・辛いからと言って逃げてしまった


 私はもうみんなのいるあの場所にはいられない。


 逃げた私にふさわしく一人で生きてくって決めた・・・


 恋愛なんてもうしない・・これからも自分自身の力で生きてく。


 ずっと・・・)


ひとり頷くと法律関係の書籍を集め、勉強を始めたのだった


<4>


つくしは、よく図書館を利用していたので、図書館に勤務している司書の


人たちと顔なじみになっていた。


今日もつくしが来ているのを図書館に勤務している佐々木さんが気が付くと


つくしに近づいていった


「牧野さん、いつも頑張ってるのね」


「・・ああ!!こんにちは!佐々木さん。


 もうこう毎日暑いとエアコンのない私の部屋じゃ地獄ですよ。


 ここは快適ですねー」


そう言うと、眼鏡を外してレンズを拭き始めた


「うち図書館自体が小さいでしょー。人もあまり来ないのよねぇ


 仕事も楽だし・・・。だからこうして牧野さんともおしゃべり


 出来るのだけどね!」


佐々木さんは軽くウインクをした


司書の佐々木さんは大学卒業後すぐこの図書館に配属になった。


年代も同じ位で女性同士だったのですぐ顔なじみとなった


「・・・そういえば牧野さん、今時そんな太い縁の眼鏡掛けてる子


 いないわよ。もっと縁のないのとかおしゃれなのにすればいいのに・・」


「いえ、これでいいんです。見えればいいので・・・」


「でも、元の顔はかわいい顔してるんだからもっと気を使ってもいいと


 思うけどなぁ・・。コンタクトとかにすればもっといいと思うけど・・


 まだ若いんだから今しか出来ないことも経験するのも大事よぉ」


佐々木さんがそう言うとつくしはゆっくり首を横に振った


「佐々木さん、お恥ずかしいながら私かなり経済的に苦しいんですよ。


 所謂苦学生ってやつですか?だからそんなおしゃれしてる余裕が


 無いのでいいんです!これで」


「そっかー、じゃあ仕方ないよねぇ。でももったいないなぁ・・・」


佐々木さんはしぶしぶうなづいた


その佐々木さんの姿を見てつくしはほっとしていた


なぜならこの眼鏡には度が入っていなかった


所謂伊達眼鏡なのである


わざとこういった眼鏡をかけていたのだ


自分をあの人達に見つけて欲しくなかった


上流階級の人達がやるような事は出来ないけれど、


つくしなりに目立たないように自分を隠していたのだった


実際、4年経った今でも同じ都内にいるのに見つからなかった


なぜ見つからなかったのかつくしにも不思議だったが・・・


その理由をつくしは数年後に知ることとなる


<4>


その後もつくしは図書館での勉強と食堂のバイトにいそしんでいた


大学の通信教育はある一時期スクーリングで大学に行く以外、


大学にいくことがあまり無い為、つくしは大学に友人と呼べる人間が


出来ないまま、一人その合間に趣味で小説を書いていた


『せめて小説の中だけでも自分が幸せになれれば・・・それでいい』


と思ったのが発端だった


小説を書いては自分が主人公になって幸せをつかむ気分を味わっていた


時には感情移入して泣きもした


他人から見ればその姿は異様に見えたが、つくしにとって小説を書くことが


自分の気持ちを思い切りぶつけられる唯一の時間なのであった


また、平行して勉強も頑張っていた


一人の時間が多いため、勉強に集中しすぎて徹夜なんてことはざらにあった


正義感の強いつくしは、通信教育学部を法学部にしたのも、


以前パーティで静さんが「貧しい人を支える弁護士になりたい」と


言っていたのを思い出し、密かに私も同じように貧しい人を


支える弁護士になりたいと思っていた。


また、弁護士になれば、女性が一生独身でいても


なんとかなると思ったのも一理由であった。


金銭的に余裕は無かったのでお金のかかる法律の書籍は全て図書館で借り


無いものは佐々木さんに頼んで図書館に入れてもらえるよう配慮して


もらっていた。


<5>


そんな折り、書き溜めた小説をたまたま図書館に持っていっていた


それを司書の佐々木さんが気づいてすかさず抜き取ると


「これ・・小説?牧野さん、書いたの!!すごーい!


 読んで良いかな?」


「うっわー!!わわっ!!恥ずかしいから見ないでくださいよぉ!!」


すぐ取り返そうとしたが、佐々木さんの方が一枚上手で取ることが


出来なかった


その後、佐々木さんが


「おもしろそうだから借りてくね!」


と言って、持ち去ってしまった


つくしは


「はぁ・・・」


と息を吐くと


「・・まぁいいか。佐々木さんだけだもんね・・・。


 ちょっと恥ずかしいけど・・・」


顔を赤くしながら、つくしはしぶしぶ勉強を始めるのだった


0574 Web Site Ranking


ぽちっとお願いします。


★美容・コスメ・香水★

スキンケア メイクアップ メイク雑貨・小物 香水・フレグランス ボディケア ネイル ヘアケア 美容ダイエット・脱毛・矯正 美容ドリンク・サプリメント その他


★ドリンク・お酒★

ワイン 洋酒 ビール・地ビール 日本酒 焼酎 水・ミネラルウォーター ソフトドリンク コーヒー・ココア 紅茶 日本茶 中国茶 ハーブティ その他ドリンク



★インテリア・寝具★

収納家具 ソファ ソファベッド ベッド関連 寝具 テーブル イス ダイニングセット デスク ライト・照明 カーペット カーテン・ブラインド インテリア・ファブリック インテリア小物・置物 子供部屋 オフィス家具 その他(洋家具) その他(和家具) その他



★食品・スイーツ★

水産物・水産加工品 肉・肉加工品 フルーツ・果物 野菜 惣菜・食材 キムチ・漬物・梅干 チーズ・乳製品 麺類 洋菓子・和菓子 米・雑穀・シリアル パン・ジャム 調味料 その他(食品)



★キッチン・日用品雑貨・文具★

和食器 洋食器 子供向け食器 調理器具 容器・ストッカー・調味用容器 キッチン雑貨・お弁当箱・小物・消耗用品 日用品・生活雑貨 文具 印鑑・はんこ ヒーリング・リラクゼーション 日曜大工・作業用品 業務用品・サービス



★ダイエット・健康・介護★

ダイエット 健康食品 健康用品 コンタクト・コンタクト用品 医薬品 福祉・介護 その他





© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: