花より男子★二次小説   夢 桜 庵

新たな道へ 11



つくしは、小説を書き上げ提出してから


まだ小説を書いていたときの余韻がまだ残っていた


それは・・・4年前のこと


原稿を書いているときに思い出すのは


あいつ・・・道明寺の冷たい顔


自分を見下すような罵り


海ちゃんとふたり仲良くいる姿


海ちゃんに向けられるあいつの笑顔


記憶を失う前までは、私だけに向けられていたその笑顔


もう私に向けられることは無かったけど・・・





小説は、私の奥底にしまっていた傷までも抉り出した


小説の中では辛い現実をばねにして


主人公は新たな道、新たな幸せをつかんでいく


それは私の願望かもしれない


現実にありえない夢の話


今だ傷の癒えない私の願望





つくしは小説を出版社に提出してから


表面上は普段の毎日へと戻った


食堂の手伝いをして、大学のレポートを書くため


佐々木さんのいる図書館へと向かう日々


いつもの毎日に戻ったのに


私の心は、4年前を思い出し苦しみもがいてる




そんなときに思い出すのは花沢類との非常階段


花沢類に辛いとき哀しいとき


いつもいつも相談していた自分の姿


もう頼ってはいけない心の一部な人


そう・・・花沢類も自分とは世界の違う人


道明寺と同じ世界の人・・・




(こんな気持ちになるなら小説書かなければよかったな・・


 賞金が出るって話に思わず乗ってしまって書いちゃったけど


 だいたい入選なんて素人の私に出来るはずないんだし・・)


「はぁ」


つくしは図書館の学習コーナーで勉強しながらため息をついた


その姿を受付にいた佐々木さんが見ていた


つくしに近寄ると


「牧野さん」


「あ・・佐々木さん」


「どうしたの?そんなにため息ばっかりついて」


「いえ・・なんでもないんです」


「なんでもないって・・・そんな事ないでしょ。


 牧野さん小説書きはじめてから段々とため息が多くなってる


 辛い表情してる・・・私そんな風に牧野さんがなるなら


 小説書くの誘わなければ良かったわね・・ごめんなさいね」


佐々木さんがすまなそうに声をかけた


つくしは首を横に振ると


「いいえ・・佐々木さんのせいじゃないです。


 ちょっと小説書いてて感傷的になっちゃって・・・


 実は・・・


 あの小説、自分の願望も書いてあるけど


 過去に自分が体験した事も元になってるから


 余計に昔の事が思い出されちゃって・・・」


「そうだったの・・・」


そんな話を二人でしているときに


「佐々木さん、あなたに外線入ってるわよ」


他の職員が声をかける


「はい、今行きます。」


職員に声を掛けると


「牧野さん、ごめんなさい。ちょっと・・・」


佐々木さんがつくしに声を掛けると


「いいえ、佐々木さんは仕事中ですよ。早く仕事に戻らないと」


そう言って佐々木さんは事務室へと戻った


つくしは重い気持ちのまま、再び勉強に取り掛かった


でも、そんな思いのまま勉強ははかどらないでいた


しばらくして


静かな図書館の中で佐々木さんの大きな声がした


「牧野さぁん!!!大変よ!!」


声の方をつくしが振り向くと


静かな図書館内で佐々木さんが走ってくるのが見えた


つくしの前まで来るとつくしの両肩をがしっと掴んだ


「牧野さん!落ち着いて聞いてね・・・」


つくしがきょとんとしていると


「さっき池上さんから連絡があって・・


 あなたの小説がコンクールで入選したって!!」


佐々木さんの言葉に、つくしは数秒固まった


しばらくして


「ええーーーー!!」


静寂な図書館につくしの大きな叫び声が響き渡った




<24>




佐々木さんから入選の知らせを聞いたつくしは


あまりの驚きに放心状態となってしまった


見かねた佐々木さんは図書館を早退し、とりあえず


池上さんに詳しい話を聞きに行こうと促した


すぐ池上と連絡を取った佐々木さんはつくしを伴って、出版社を訪れた


受付で池上さんを呼んだ二人はロビーのソファーに座って待っていた


しばらくすると


エレベーターから池上さんが降り、二人の方に向かって


くるのが見えた


「池上さん!こっち」


佐々木さんが立ち上がって手を振ると


それに気がついた池上は手を挙げて反応した


ソファーのところまで近づくと


「来てもらって悪いね」


池上がつくし達にそう言うと


「いえ・・・佐々木さんから図書館で知らせを聞いて・・


 あの・・間違いではないんですか?本当に私の小説が


 入選したのですか?」


つくしは最初図書館で知らせを聞いたときは驚いた


しかし、佐々木さんの言ってることが信じられなかった


だから真実を池上さんから聞こうと


佐々木さんの言われるまま出版社までやってきたのだった


「牧野さん、ちょっとここだとまずいんで、部屋に入って話そうか」


池上は二人をエレベーターに促すと


階上にある小会議室へと向かったのであった



0574 Web Site Ranking
ぽちっとお願いします。

ブログランキング・にほんブログ村へ
出来ればこちらも・

★美容・コスメ・香水★

スキンケア メイクアップ メイク雑貨・小物 香水・フレグランス ボディケア ネイル ヘアケア 美容ダイエット・脱毛・矯正 美容ドリンク・サプリメント その他


★ドリンク・お酒★

ワイン 洋酒 ビール・地ビール 日本酒 焼酎 水・ミネラルウォーター ソフトドリンク コーヒー・ココア 紅茶 日本茶 中国茶 ハーブティ その他ドリンク



★インテリア・寝具★

収納家具 ソファ ソファベッド ベッド関連 寝具 テーブル イス ダイニングセット デスク ライト・照明 カーペット カーテン・ブラインド インテリア・ファブリック インテリア小物・置物 子供部屋 オフィス家具 その他(洋家具) その他(和家具) その他



★食品・スイーツ★

水産物・水産加工品 肉・肉加工品 フルーツ・果物 野菜 惣菜・食材 キムチ・漬物・梅干 チーズ・乳製品 麺類 洋菓子・和菓子 米・雑穀・シリアル パン・ジャム 調味料 その他(食品)



★キッチン・日用品雑貨・文具★

和食器 洋食器 子供向け食器 調理器具 容器・ストッカー・調味用容器 キッチン雑貨・お弁当箱・小物・消耗用品 日用品・生活雑貨 文具 印鑑・はんこ ヒーリング・リラクゼーション 日曜大工・作業用品 業務用品・サービス



★ダイエット・健康・介護★

ダイエット 健康食品 健康用品 コンタクト・コンタクト用品 医薬品 福祉・介護 その他


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: