夕暮れの町で



夕暮れの町で



ゆんたとまいちゃんにお留守番をしてもらって、彼と買い物へ。
夕暮れの町で見かけたのは、ユカタを着た小さな女の子二人と
母親らしき女性。

そう言えば、私の家は子供の頃、夏はパジャマではなくユカタを着て寝ていたっけ。
彼と「可愛いね~。」と言いながら通り過ぎたけど
こんな時なぜか、ゆんたとまいちゃんを思う。

猫や犬が人間の子供になるわけなんてないけれど
可愛い子供を見ると、早く家に帰ってゆんたやまいちゃんに会いたいと思う。

ユカタを着ていた子供の頃、
「もしも願いが3つだけ叶うなら?」と絵本の中の言葉に本気で悩んだ。
自分だけの願いを選ぶ事ばかり考えていた。

もしも今なら一つ目も二つ目も
ゆんたを、まいちゃんを、「人間の子供にして下さい。」と願う。

自分の事だけを考える子供ではなくなったけれど
魔法を本気で信じるという純粋さも、ない。

私はどんな大人になったのだろう。

犬や猫は、偶然巡り逢った飼い主に、幸せの全て、人生の全てが委ねられている。
私達に会えて良かったと思ってもらえる飼い主でありたい。

三つ目の願いは・・・
もしも生まれ変わりというものがあるのなら、
いつか死がみんなを引き離しても、もう一度彼と、この子達と会いたい。

魔法使いが現れる事なんて、決してない。
私達が一緒に過ごせる時間は限られている。
それが分かってしまっている事が、悲しい。

彼と夕暮れの町を少し急いで帰ると、とても嬉しそうに二匹が出迎えてくれた。

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