●●●壬生義士伝

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2004.05.17

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テーマ：レンタル映画(822)

カテゴリ：カテゴリ未分類

仕事をすればお金がもらえる。

南部藩では藩校の助教まで勤めようとも
所詮下級武士、収入はしれている。
どんなに人望が厚くても
どれだけ優秀であろうとも。

仕事をすればお金がもらえる。
もらったお金はせっせと家族へ仕送り。
愚かなり吉村貫一郎。

確かめることも出来ないのに。

穏やかな表情に修羅が見える。
家族のために仕事をしてお金をもらって
人を斬る。
若き隊士には生き残る術を教える。
斬らなければ殺されるから
だから斬れと教える。

愚かなり吉村貫一郎。
脱藩した男の妻に安住の地はない。
うわべだけの関係ならば縁も切れただろう。
だがしづさんも子供達も

あなたが家族を思うほどに。

修羅ではないか。

「南部の武士だれば石ば割って咲げ」

そうか百も承知だったか。
南部の美しい自然をこよなく愛し、

いくらがんばっても
いくらがんばっても
なかなか咲かない自分の人生を
石割桜に例えていたのか。

戊辰戦争。
傷ついた吉村が行き着いた先は南部藩大阪屋敷。
かつての友人、大野次郎右衛門のいる場所。
少しでもしづさんの近くへ。
少しでも家族の、南部の自然の懐へ。
息絶えるまで見続けたのは
家族の幸せ。

ここからは映画と離れた話となる。
原作のラストシーン
主役は吉村貫一郎の三男坊だ。
汽車にゆられて彼は南部盛岡を目指している。
父が再び帰ることを夢みた故郷をじっくりと観ている。
彼の専門は「米」である。
東北地方の環境でも立派に育つ品種を研究し
その成果を携えての南部への凱旋だ。

桜咲く。
南部の石割桜、見事に。

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