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2004.09.22

(8)

テーマ：レンタル映画(818)

カテゴリ：合作映画

アリストテレス『詩学・第二部』

謎は炎とともに正体を現した。
1327年北イタリアのベネディクト修道院、
食料も自給、すべての生活が可能だった。
まさに閉ざされた世界。

知は禁じられていた。
進もうとする者は死に囚われる。
ならば閉ざされた世界に

死者に残されたのは黒いシミ。

幾つもの段階だ。
ジャン・ジャック・アノー監督の陰影と奥行き。
修道士ウィリアムとアドソを演じる
ショーン・コネリーとクリスチャン・スレーター
年齢の離れた二人の俳優の重なり合う深み。
面妖な登場人物と象徴的な死体が折り重なり、
堆く積まれた書物は埃にまみれ
厳格な戒律は笑うことを禁止していた。
陰鬱は幾つもの段階の灰色になり、
画面に奥行きを与えている。

白から黒へと。知識が毒に。

白から黒く闇に変わるまでの間に、
灰色は幾つもの段階を越えてゆく。
あらゆる学問を収集し分類し
アリストテレスは

第5元素なるエーテルは後に
アインシュタインの特殊相対性理論に
理論的に否定されてしまうのだそうだが、
その理論そのものの理解よりも
ただ知識とは常にそういうものだと理解する。
幾つもの段階を越えてゆくのだ。
例え真実は
虚像だとしても。

盲目の老いた文書館長ホルヘが本を薦める。
ウィリアムは手袋をして頁をめくる。
毒を塗られた書物、知は危険でもある。
だが欲求は止めようがない。
ホルヘは毒の頁を破って飲み込む。
危険なる知。
まるで解放と封印。
その戦いに圧倒的される。

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