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2004.11.12

(8)

テーマ：映画館で観た映画(8587)

カテゴリ：アメリカ映画

大問題作である。
ジャパン・バッシングであると。
公開時に日系人団体から
上映反対の抗議運動があったという。

ショーン・コネリー主演、
ウェズリー・スナイプズ、ハーベイ・カクテル共演、
マイケル・クライトン原作に、
フィリップ・カウフマン監督作品。
舞台はロサンゼルスの日系企業のビルの中、

ビルの中で死んでいた
高級コールガールの死の謎を追う。

性交中に首を絞められた女の死体。
彼女の死は映画の中で幾度も写し出される。
もう一枚の皮膚のような
黒い前開きのワンピースは胸も足も露わ。
モデルの肉体はオブジェと化していた。
殺害現場を録画した監視カメラの映像が手にはいるが、
写し出される映像の真偽は二転三転する
事件の裏には激しい企業戦争が。
敵の失脚を目論むスキャンダル合戦である。

真相には辿りつけない。

オブジェと化した死体。
タチアナ・パティッツの硬質な肉体美。
それはそれで素晴らしい。
だがこの映画にはもう一つ

『女体盛』である。
女性の裸体に寿司がテンコモリ！
日本企業のビルが舞台だが、
日本人俳優ではなく日系俳優オンパレード。
日本語がカタコトなのである。
変なのである、イントネーション。
日本に詳しいはずのコナー刑事のショーン・コネリー、
日本語は得意ではないようである。

だが映画としては
プロ中のプロが作ってプロが演じている。
内容はともかくも力まかせにグイグイ引っ張る。
グイグイグイグイ、変なエピソードが続く。
日本は完璧に誤解されている。

1993年の作品。
当時の日本の経済とあいまって、
日本の企業戦争の激しさが映画のテーマだろう。
その激しさの一端が、『女体盛』のようである。
営業でセックスが不可欠とも見える表現。
そもそも「高級コールガール」の存在こそが、
この映画の視点である。

大問題作である。
ショーン・コネリーの箸遣いは下手くそ、
日系俳優の歌のダンスはアメリカナイズされている。
これだけの真摯な作りでありながら、
激しい誤解の連続、甚だしい。
観たことが話題になる映画である。
そして鏡の中の日本人ではなく、
日本の外から見た日本人が写し出されている。

ドブイタチさん、コメントありがとさんです。こちらにも改めて書いておきます。

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