2005.07.19
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カテゴリ: アメリカ映画
冒頭からこの映画は、

おそらく結末よりも、
その過程に重きを置いているように。

時代という、目に見えぬもの、
けれども、それは、人間によってつくられる。
スティーブン・スピルバーグ監督は、
明らかに作る側の先頭集団にいる。
その彼が、何を創ったのか。


地中から出現した殺戮兵器を、
侵略者ではなく、テロリストと解釈される。
CGで描かれる自然災害は、
現実のニュースとほんの少し違うだけ。
地面が割れ、建物が崩れ落ちる様子は、
かつて見たことのある情景と同じ。
飛行機は墜落し、列車は炎をあげ爆走する。
爆音と爆発も、まさしく、
世界のどこかで起きている戦場と同じ。
迫力の映像で再現される破壊は、
サイエンスフィクションというよりは、

H・G・ウェルズの古典SFを描く材料は、
現実の中に溢れかえっているのである。

だからこそ、
スピルバーグ監督は、
その目に観たものを

たくさんの悲劇が故に、
引き裂かれる親子を含めて。
愛やら勇気やらで、
危険を乗り切るという演出ではなく、
動く車に群がる群衆や、
船に乗ろうとタラップにぶら下げる人、
そのままの素の状況のみが、ある。
実際、天災人災戦争と、
世界が悲鳴を上げているのである。
その現実がこの映画にある。
その現実を監督は描いている。

それらの現実を前にして、
宇宙人の侵略が失敗する原因など、
たいした価値はないように思える。
これまで数々と用意周到な宇宙人がいたが、
それらの多くは他愛のない理由で、
作戦を失敗させている。
全ての真実は、決して、
簡単に納得できるところにあるとは限らない。
世界の仕組みの全てを知ることなど、
人にも宇宙人にも不可能に思える。

それにしても。
スピルバーグ監督の演出は、
アソビゴコロと優れた娯楽性に満ちている。
手に汗握るシーンのなんと多いことか。
ブルーカラーの父親を演じる
トム・クルーズをはじめとして役者は好演。

家族の絆が強まることと、
地球を守った存在のアップで、
この映画は終わる。
全体の構成はあまりにもストレート。
だが、ティム・ロビンス演じるオグルビーや、
子供たちの反応などの細かいエピソードにも、
数多く現代の姿を感じさせる。

この映画は結末ではなく過程なのだ。
そしてその過程の中にはぎっしりと
スピルバーグ監督のまなざしが詰まっている。





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Last updated  2005.07.20 00:46:24
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