旅の途次~ちょっといい景に逢っていきませんか?~

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○木曽路プロローグ


 ~木曽路徒歩紀行・プロローグ~

1997年5月某日

これから旅に出ようかと思う。
行き先は木曽路。

・・・・最近、木曽にばかり出かけている気がするが、
今回は今までとは少し趣向を変えて、
旧中山道をたどりつつ、徒歩で中津川から北上してみよう。


そんなことは今まで考えたこともなかったのだが、
車や鉄道での木曽路探訪にはやや飽きが来ていたのは事実だった。
そしてそんなことを考えるきっかけになったのは
昨年、冬のボーナスをもらったことに端を発していた。


思いもかけない高額の臨時収入のあとは、
どうしても気が大きくなって何か無駄遣いをしたくなるのは
江戸っ子気質の典型といったところかもしれない。
それで損をすることも少なくないのだが、
今回ばかりは
その気質が非常にいい出逢いを後押ししてくれたことになる。


仕事のお使いで出かけた際に、面白いものを見つけた。

『今昔中山道独案内 今井金吾 著  JTB出版部刊』
定価 6500 ……!! 

ちと高いが、そこは江戸っ子、
いいものを見つけたとばかりにスパッと金を払ってやった。


家に帰って本を開いてみると、
そこには昔の街道案内図(日本橋~京都間の全行程)と
現在の地図が印刷されており、
実際の中山道ルートには赤線が表記してある。
そして江戸時代の各宿場の情報と、
現在の町並みの様子が事細かに書かれている。
これを見て実際に出かけてみたくならないわけがない。
よし! 時間を見つけて必ず踏破してやる!!


……実行日は半年後に訪れた。
ゴールデン・ウィーク。
つきあって6年になる恋人とは、
一日たりとも会ずにはいられないほど
熱烈ではなくなっていたし、
第一彼女は昔から毎日会おうとはしてくれなかった。
丁度いいや、思い切って出かけてしまおう。


家を出る際に、母親から行き先や期間を聞かれたが、
最初からそんなものは考えていない。
行けるところまで行くし、飽きたら帰るよ
・・・・とだけ言い残し、
自宅を出発したのは5月1日の夜9時過ぎのことだった。


 【第1回・本編に続く】
 参考サイト:中仙道

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