ぱんだの喘息日記

ぱんだの喘息日記

蜂が飛ぶ


患者さん達のわがままはエスカレ-トして、自分の嫌いな食事は全部、私の机の上に置き、同じ物を食べていないと気がすまない。
先生や婦長達から出前許可が下りてしまった私は「あんたは許可あるんだからとりなさいよ」と、気が向くままにとらされる事もあって。
余りに酷いので、看護師さんに相談したら「我慢して」で終わった。
ストレスはたまり、自分が保てなくなるのに気づいた私は「5分でもいい。一人になる時間がほしいから、空いてる時間に面談室かして」と頼んだ。
空いてるのに、待てど暮らせど、貸しては貰えない。
気が狂いそうだった。
今まで、実家には「先生達が大袈裟なんだよ。早く帰りたい」
そう言って電話した事はあっても一度も辛いとは言った事はなかった。
いつも良くして貰ってる。
頭洗って貰えたとか、点滴しに来てくれたとか、皆で何したとか、楽しいとか嬉しいとか、そんな事ばかりで、だからこそ、親も安心していた。
学校が終わったんだから、しっかり先生の言う事を聞きなさいと。
そんな私が、泣きながら電話をするようになった。
「頭がおかしい」「頭がおかしくなっちゃったよ。」
時に「私は頭がおかしいの?」「普通に話せてる?」
自分がわからない。
だんだん、みんなが怖くなっていくのがわかる。
毎日のように「頭がおかしい」と電話する私。
しきりに理解して貰えない事を訴える私。
だけど、診て貰っている立場。
親は「お前がわがまま言ってるんじゃないのか」と言う。
私はもう一度考えて、もう一度、毎日の出来事を書いている日記を見て、確認する。
でも、私は間違った事なんて言ってない。
当たり前の事を言ってる。
これ以上は、もう自分を維持出来ない。
主治医達が来た時に「蜂が飛ぶ。頭がおかしくなっちゃった。精神科にかかりたい。心理テストやらせて。」そう頼んだ。
けど、「おかしくない」そう言われて、終わってしまった。

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